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王道嫌いが選ぶ漫画5選

マンガが好きで、かれこれ20年近くはマンガを読み続けている。
マンガ趣味あるあるだと思うが、必ず一度は王道を外れてサブカル系に走ると思う。
私は高校くらいの頃に脇道に逸れた作品にハマり、現在は一周回って
マンガ好きに受ける作品が良いマンガではないか?」という回りくどい結論に到達した。
つまり、売上が悪くても目の肥えた人達に評価されるものが良いということだ。
趣味というのは多かれ少なかれ偏ったものである。
上記の考えを元に5作品をピックアップしてみた。
(5作品とも完結済みである)

1.MASTERキートン

語るまでもない浦沢直樹の代表作である。(原作付き)
考古学ミステリーという渋いジャンルながら、一つ一つの話に役立つ知識が詰め込まれている。
私はこの作品で「粉塵爆弾」や「砂漠にはスーツが向いている」「ティラミスの意味」「至近距離ならば拳銃よりナイフの方が早い」と言った数々の薀蓄を学んだ。
どれも実生活で役立ったことはないが、これからの人生で活かせる日が来ることを信じている。
ちなみに一番役立ちそうな知識は「犬は舌を掴まれると無力」である。

2.スピリットサークル

マイナー作品好きのポートフォリオに必ず入っている水上悟志作品。
主人公とヒロインが輪廻転生を繰り返しながら、イチャイチャしたり殺し合ったりする作品である。
構成は手塚治虫の『火の鳥』なのだが、6巻でキレイにまとめたのが素晴らしい。
話としては全6巻で短いが、倍近い巻数を読んだような満足感を得ることができる。
「王道マンガなんて今更読まないよ」という斜に構えた私でも泣けるシーンがいくつかあり、気づけばAmazonで★5のレビューを書いていた。
無駄なシーンが一切ない宮崎駿のジブリ映画を彷彿とさせる出来なので、とてもオススメである。

3.それでも町は廻っている

一時期えらく人気のあった石黒正数先生の出世作。
アニメ化もされたのだが、深夜アニメであまり人気は出なかった。
(紺先輩の声優はすごく合ってた)
一話完結型の日常系なのだが、一話一話の質が高い。
個人的には21世紀版『ドラえもん』だと思っている。
SF・ミステリー・ホラー・ラブコメと一つの作品に色々な要素を混ぜながら捌いている作者の腕が凄い。
この作品を初めて読んだ時は「久しぶりにデカイ金鉱を当てた」と興奮しながら全巻大人買いをした記憶がある。
(最近は『ダンジョン飯』が該当する)

ちなみに本作は時系列がバラバラで話が作られているのだが、公式ガイドブックを読むと正しい順番が分かるという凝った作りになっている。

4.スペクトラルウィザード

Webマンガ『金魚王国の崩壊』でカルト的人気を誇る模造クリスタル先生の長編作品。
可愛いキャラクターと重厚な設定が違和感なく溶け込んでいるところが素晴らしい。
魔法が存在する世界でありながら、本作の魔法使いは迫害の対象であり、主人公のスペクトラは一人寂しい生活を送っている。
1巻は比較的地味なスペクトラの生活を主軸に置いているが、2巻からは世界を巻き込む壮大なストーリーとなっており、そのまま映画化しても良いような完成度となっている。
とにかく「この作者にしか書けない世界観」というものを表現している作品なので、フツーの少年マンガに飽きた人は目を通してほしい。

それと、模造クリスタル先生は個人的に大好きなのでpixivFANBOXで毎月課金をしている。

5.ぼくんち

「高須クリニック」高須医院長の恋人である漫画家・西原理恵子の日常系マンガ。
作者本人のエッセイ要素が強く、日常系と言いながらもシビアな描写が多い。
金が無いのは首がないのと一緒」という作者の格言は、高知で過ごした幼少期に育まれたのだなと、納得させられる。
特に読んでいてリアリティを感じたのは、この作品に出てくる良い人はお金を盗まれたり、騙されたりと利用されるパターンが多い。
現実でもそうなのだが、良い人には必ず搾取しようとする人が群がってくる。
本作ではそういった人間の嫌な部分もしっかり描写している。
恐らくリアルな絵を書く作者だったら、読む人を鬱にさせるような話になっていたに違いない。
西原理恵子の絵柄だからこそ、嫌悪感を感じずに読むことができるのだと思う。
こういったマンガは今まで読んできた作品にはなかったので、かなりの衝撃だった。

以上が王道嫌いが選ぶ漫画5選である。
どれか一つでも興味を持った作品があれば読んでいただきたい。
ちなみに連載中作品では、現在進行中で
①ダンジョン飯
②チェンソーマン
③少年のアビス
に最近ハマっている。

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