ウェットドリーマー〜春近くのプロテイン11〜

数年ぶりに会っても、昨日ぶりくらいに話せることができる関係性はちょっとした自慢だ。
死なない限り、時間は平等に与えられている。

そして成長しているのは自分だけではないことを痛感する。
NO PAIN NO GAIN

高校時代から変わったことといえば、髭が多くなったことと、友人をより尊敬できるようになったことか。

いい大人になっていた、みんな。

変わらずバカのまんまだけども、まるで僕だけが髭の生えたピーターパンになった気持ちになる。

自分の不器用さに悲しくなりつつも、今更バックトゥダハイスクールなんてできないわけで・・・。

持っている少ない武器で戦うしかないのだ大半は。と小利口にわかり始める。

楽しい時間は異常な速さで過ぎ去るも、そのスピードに対し切符は切られない。

一人は車、一人は波乗りに、一人は電車。

一度交わり、また各々で動き出す。何に乗るかは自由だ。人生と同じように。

大丈夫、きっとまた交わる時が来る。
寄せてはかえすあの波のように・・・。

そんなところにメタファーを感じつつ、駅までの帰り道、春の訪れを感じる少し冷たい風にコートの襟を立てる。バックパックを背負い直す。
トボトボ帰りながら小さくなる背中と、それに反比例するように伸びる影に、たどり着く駅の改札口。そこで初めて自分の切符が切られる。

さぁ帰ろう現実【バビロン】に。

発車のベルと同時にイヤホンで耳を塞ぐ。
これが今の自分にできる唯一の抵抗と現実逃避。

好きな音楽と不安定な電車の揺れに揺られながら、数時間前のことを反芻する。
”忘れないようにと”

「この日が何かの正解なのだとしたら、それまでの過程も含めて正解なのかもしれないということか」

そんな独り言を呟いていたら、もう海は見えなくなっていた。
人の波に流されながら、徐々に明日に戻っているということを実感する。

今日のプロテイン11はこんな感じで・・・。

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