援デリ業者の真実 #29 決意
言うて人の異動があろうとわたしがやることは来月も再来月も変わらないだろうと思って居たのでさほど気にもして居なかった。
それよりワイルド赤木さんが何故、個人業者であったにも関わらずこちらへ来たのかを知りたかったのでいい機会だし本人に直接聞いてみようと思った。
するとワイルド赤木さんはいつものポーカーフェイスな感じで答えた。
『個人業者ずっとやってても目標とかって無いんですよね。金にはなるんですけど。それで違う仕事してみようと思って求人見て応募してみたらここで。面接の時に援デリって聞いてマジかよってなりました。でもシステム聞いたら店長になってまだその先があってみたいなのがやりがいありそうって思っちゃったんです。』
ワイルド赤木かっこよすぎて。
何となく【打ち子】をしていたわたしはちょっとだけ恥ずかしくなった。
どうやらワイルド赤木さんは、店長重谷さんに面接の時点で来月僕が128本やって店長代理になりますと宣言して居たらしい。
この人すごすぎー!
そう思ったと同時に
『赤木さんが頑張るなら一緒に128本目指してみようかな!』
酔ったわたしは何故か便乗してしまった。
ワイルド赤木さんは嬉しそうに
『マジっすか!約束ですよ!』と珍しく笑顔。
後には引けないリアクションにわたしは言った以上、やってみるかと決意をした。
そんな日曜日だった。