【鍼の物語 - 毫鍼 GOSHIN -】鍼と電磁場 #1/3
こんにちは。東です。
今回も引き続きドクターS先生との議事録です。前回は、熱の履歴という言葉について書きました。
▼前回は熱の履歴という意味深な言葉について
熱の履歴はかなりお気に入りのフレーズです。東洋医学を説明するのに、とても良い。熱の履歴と東洋医学の関係については、何れまとめたい。
さて、今回は鍼と電磁場についてお話ししたいと思います。
鍼と電磁場。関係あるのかないのか。
はじめに断りを入れておくと、ドクターS先生から直接「鍼には電場と磁場が~」というお話があったわけではありません。ドクターS先生からは「金属を加工する過程で、本来、磁性を持つことがある」とあっただけです。
一緒に話を聞いて頂いたジュエリー職人さんは「なるほどぉ〜。だから、鍼の形状にまでなっている時には磁石についていたんですね」とポツリ。
「この鍼は磁石にくっついたから鉄ベースだと思ったのですが、拡散接合した状態では磁石につかないんですね」と続ける。
ドクターS先生はおもむろに、右のポケットからマグネットを取り出す。拡散接合した鍼に翳す。「つかないですね」「あ、ホントだつかない。なるほどな~」と対話してる。私は金属の素人なので、話にはついていけない。
しかし、ふと頭に思い出したことがある。神戸源蔵の鍼を持った時に感じる独特なジワジワ感。むむっ。これはもしや。
次に思い出されたのは、鍼の手技。
鍼を身体に刺した後に加える操作法を「手技」という。鍼の手技には、左手首で保持している刺した鍼に、右手や鍼管を使って摩擦を加えるものもある。おやおや。
ここからは想像(妄想?)
拡大・誇大解釈かもしれない。ただやはり、鍼治療には電場や磁場を含めた目に見えない力が関連している可能性は感じる。
私は東塾での講座で、鍼を刺した時に感じる鍼の感触を説明する時には、二つのことを意識するようにしている。
一つめは、物理的な身体と鍼の関係からくる密度を主とした感覚である。ねっちりと鍼に纏わりついてきたり、パキッと締まって離さないなど、色々な感触がある。
二つめは、目に見えないジリジリ・ジワジワした電磁場のような感覚で、感覚が開いてくると感じてくるようになる。もやぁ~んとか、じわぁ~んという柔らかい感触から、バチッ!と爆竹が爆発するような感触もある。
後者は、明らかに物理的な感触とは異なる。東洋医学では気の滞りがあらゆる病の原因であるという。鍼の感触に基づいて今様に表現するならば、気の滞りとは行き場を失った過剰電流という言葉に置き換えられるような気がする。
ちょっと話の軸はそれるが、昭和30年頃に発刊されてた、鍼灸臨床書の焼いた鍼の注意事項についても思い出した。焼いた鍼を用いる際には、真っ白に粉をふくくらい加熱してから使えという指示があった。その方が効果があるからだという。
鉄が赤くなったり白くなったりするのは、電磁波の色だというのを、何かの科学の本で読んだ気がする。
まとめると、鍼というものは、物理的な刺激からくる物療と呼ばれる範疇の世界と、まだ測定はできないが目に見えない微細な電磁的なものを合わせた世界と、この両者以外の人体の神秘みたいなものを含めた治療なんだな、きっと。
さて、今日はドクターS先生の「金属を加工する過程で、本来、磁気を帯びることがある」から発想(妄想?)した次第です。
鍼のように細く引いてくる工程で磁気をまとわせるのは、おもしろいな~。
大手メーカーはどうしているんだろうか。見学に行きたいですね~。
では、今日はこの辺で。
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