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肩関節専門医にならった画像所見③(レントゲンVer)

こんにちわ。
お盆休みですが更新をしていきたいと思います。
肩の画像所見(レントゲンVer)3弾目です。
本日は、以前の記事で告知していた『挙上位撮影』について書いていきたいと思います。

『挙上位撮影』とは?

挙上位撮影は文字通り、肩甲上腕関節を『挙上』させた状態でレントゲンを撮影します。

イメージ図のように挙上(実際は、肩甲平面=水平面に対して前方に45度程度肩甲骨は外転しているため)をした状態でレントゲンを撮影します。
実際の画像を見ていきましょう。

『機能的評価』が大きな目的ですが
①肩甲骨の長軸と上腕骨長軸で肩甲骨情報回旋の有無をチェック
②肩甲帯での代償動作がないかどうか
③肩鎖関節の適合性の評価
の3つを大きくチェックするようにしています。

また、この『挙上位撮影』にはType分類があると報告されています。
私が指導をいただいた医師からは、下記のように分類するように指導されました。

  • TypeA:上腕骨軸と肩甲棘軸が一直線上にある

  • TypeB:上腕骨軸が肩甲棘軸に対して下方に下がっている状態

  • TypeC:上腕骨軸が肩甲棘軸に対して上方に上がっている状態

  • TypeS:上腕骨軸が肩甲骨関節窩から滑っている状態(肩甲上腕関節の
        適合性が低下している

模式図にすると上記の画像のような分類になります。
ただ、少し面白いのが、他の病院の肩専門医の先生の分類は、TypeBとTypeCが入れ替わって報告をしているものもあったので、もしかすると医師によって分類方法が少し違う可能性があります。
もし、お近くに肩の専門医の先生がいらっしゃる先生方は質問などをしていただいて分類がどうなっているか確認していただくと良いかもしれません。

実際の症例の方の画像を見ていきましょう。

両方とも上腕骨軸が肩甲棘軸より下方になっているため『Type B』と判断できますが、、、
よくよく見てみると、右の肩甲骨の方がなんとなく『外側縁』が肋骨より外に見えているような気がしませんか?
この方は、実際に右肩の疼痛でクリニック受診され、肩関節の可動域をチェックすると、右の肩甲骨の代償動作が出ていました。
このように、Typeが同じに見えてもよくよく確認すると、『肩甲帯』での代償動作が生じているケースもこの『挙上位撮影』ではチェックができます。

今回紹介した『機能撮影』はあくまで画像所見です。
事前に身体所見で関節可動域の測定や、整形外科的テストで疾患の鑑別を行い、機能的な問題がウエイトを占めていそうな場合に、どのような撮影条件にするかを先生方は検討されています。

例えばですが、夜間痛もあり、可動域制限が著明な患者様に対して絶対的に『挙上位撮影』をするかと言われればそうではありません。検査をすることで痛みを悪化させてしまうケースもありますので、そこは患者さんの状態に応じて先生方も画像の検査をチョイスされています。

私たちセラピストも、なぜ・どのような目的でその検査が行われているかを深く理解をして、画像の読む(読影力)をつけていけると整形外科内で働くメリットになるのではないでしょうか?

まとめです。

以上です。

引用:投球時肩痛を有する野球選手における短期入院治療での理学所見の変化


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