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足関節専門医から学んだ画像の話(ストレスレントゲン撮影)

みなさま。こんばんは。
本日は久しぶりに専門医シリーズを更新していきます。
前回は足関節の通常レントゲンの話をしました。

本日はレントゲンの中でも特殊撮影『ストレスレントゲン撮影』について説明をしていきたいと思います。

・ストレスレントゲン撮影の種類について

大きくは、前方引き出しテスト、内反ストレステストを行いながらレントゲンを撮影する二つの方法があります。

・前方引き出しテスト

足関節の整形外科的テストの一つでもあり前方引き出しテスト(ADS)をレントゲンを撮影しながら行います。
一般的にADSでは、足関節の外側靭帯損傷(中でも前距靭帯の損傷)をみるテストと言われております。

前方引き出しテストは、文字通り前距靭帯にストレスをかけるテストであることから、急性期(受傷してから2~3日以内)の実施は推奨されていません。
亜急性期(4~5日後)に実施した方がより正確な結果が得られると報告されています。

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・内反ストレステスト

この内反ストレステストは、底屈、内反で前距靭帯に伸張ストレスがかかり、内反で踵腓靭帯に伸張ストレスがかかりますので陽性の場合は、二つの靭帯損傷を疑います。

https://jfootankleres.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13047-019-0337-y

こちらの研究では、超音波診断装置を使い、的確に内反ストレステストで上記の靭帯に伸張ストレスをかけられる足関節の角度を報告されています。
「底屈20°』がポイントです。


ちなみに、この内反ストレスに関しては、感度・特異度に関する一定した報告は出ていないようです。

・本題のストレスレントゲン撮影について

さて、本題のストレスレントゲン撮影の説明に入っていきたいと思います。医師の先生方にも色々な考え方があると思います。私が見た経験の中では急性期に以下のストレスレントゲン撮影が行われているところを見たことがありません。
イメージとしては、昔足関節捻挫をした経験があり、足関節に不安定性が出ている方の不安定性の状態を見るために行っていることが多いと思います。


①前方引き出しテスト=ADDを計測する
ADDは、Anterior Drawer Distanceの略です。距骨がどの程度前方に引き出せるかを数値化します。
3-5mm程度引き出せて、健側との差がある場合に、前方不安定性があると判断していきます。

手術が必要かどうかの判断基準となってくる数値は、6〜8mm以上の前方不安定性が認められた場合に、手術の相対的適応となってきます。

②内反ストレスレントゲン撮影=TTAを計測する
この撮影方法では、TTA(Talar Tilt Angle)=距骨傾斜角を評価します。
TTAは、足部の内がえしの不安定性を評価しますが、計測する部分としては、距腿関節の部分で計測を行います。

基準値としては、5°以上かつ健患差がある場合に不安定性があると判断をしますが、手術の相対的適応は、7°以上の不安定性がある場合とすることが多いようです。

ちなみにMannらの報告によるとTTA15°以上、ADD10mm以上の場合にATF、CFの両方が断裂しているとしている。と報告がされているため、このようにストレスレントゲン撮影を実施している施設は数値的にも構造的破綻を確認することができるかと思います。

最後になりますが、記事の中に出てくる相対適応、絶対適応の話を載せておきます。


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