双極性障害の彼女とバセドウ病の僕 Vol.9 ~過換気症候群
前回の記事はこちら↓
12月、、、
冬は鬱がひどくなる。
冬季うつ病というものがあるくらいで、冬になると鬱がひどくなる。
日が落ちるのが早い。
寒くて体が動かない。
彼女もそうだった。
症状は悪くなっていた。
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過換気症候群
彼女は過換気症候群、いわゆる過呼吸を頻繁に起こすようになっていた。
出会って始めのうちはそこまでなかったように見えたが、寒くなるにつれて徐々に過呼吸の回数が増えていっていた。
過呼吸は不安になると起こる。
不安に原因はない。
彼女は全般性不安障害という、なんにでも不安を起こす病気を持っていたからだ。
過呼吸になると二酸化炭素が体から抜けてしまい血液がアルカリ性に傾いてしまう。
これを呼吸性アルカローシスと呼ぶ。
血液がアルカリ性に傾くと血管が収縮し、めまいやけいれんを引き起こすとされている。
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対処法
過呼吸になった場合、まずは落ち着かせることが大事。
不安が来る→息が苦しくなる→過呼吸になる→苦しい→過呼吸が続く
このサイクルをたどるのでまずは安心させる必要がある。
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◆紙袋
酸素の供給過多と二酸化炭素の減少による息苦しさなので、紙袋を口にあて呼吸をさせる。
するとだんだんと落ち着いてくるとされているが、逆に酸素不足になる危険性もあることから現在ではあまり推奨されていない。
が、過呼吸=紙袋 という構図が知れ渡っているため紙袋を口に当てると安心する効果があるようだ。
◆ゆっくり呼吸させる
過呼吸になると呼吸のリズムが早くなる。
それによって息の吸いすぎになっているのでゆっくりと呼吸させるように意識する。
とはいえ、苦しい状態でゆっくり呼吸するようにと言っても実行するのは簡単ではない。
が、過呼吸になりそうだなと感じたら深呼吸するように意識づけることで回避できるのではないかと思う。
◆意識を分散させる
呼吸しすぎると苦しくなり、死んでしまうのではないかと不安を呼び寄せ更に呼吸が苦しくなるといった悪循環に陥る。
そうならないために、呼吸や息苦しさではなく、気を紛らわせるようなことをすると効果的だ。
彼女の場合、猫の動画や旅行の動画、好きな動画、とにかく気を引くものを見せたり聞かせたりする。
すると徐々に呼吸が楽になってくる。
◆お腹に手を当てる
これはあくまで僕らの場合だが、過呼吸状態の彼女は腹式呼吸になっている。
なので、お腹に手を当ててお腹があまり膨らまないようにし、徐々に肺呼吸に移行するようにサポートする。
※これは僕の主観なので参考程度にお願いします。
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彼女の不安に際限はない。
突如襲ってくる不安。
何に不安を感じているのか彼女自身もわかっていない。
しかし一つ一つ紐解いていけば原因がわかってくる。
不安をパッと言葉にできなかったとしても、いくつかに分けていけば不安を整理できるんだ。
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救急搬送
その日、彼女は帰りたくないと言っていた。
しかしお互い明日は仕事なので帰らないとね、とバイバイしたあとだった。
様子がおかしかったので彼女の車に戻ってみると、過呼吸を起こしてうずくまっていた。
いつもなら30分~1時間で治まるが、その日は一向に治らなかった。
今までも過呼吸になったときは救急車を呼ばないでほしいと言っていた彼女だったが、その日は救急車を呼ぶことにした。
時間は0時
彼女の荷物と靴と上着を持って救急車に乗り込んだ。
過呼吸になりながらもごめんねと謝っていたのを覚えている。
救急隊員の人と一緒に懸命に励ますが、症状は良くならなかった。
15分ほど走り、その日の救急当番の病院で救急車は停まった。
彼女は治療室へ搬送され、僕は待合室で待った。
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1時間くらい経っただろうか。
治療室へ呼ばれた僕は元気そうな彼女を見て安心した。
安定剤を打ったことで過呼吸は治まり、気分も安定したらしい。
けいれんを起こしていたのでもう少し休んでから帰ることにした。
結局、家に帰ったのは2時過ぎだったが彼女が無事で安心した。
そういえばこの時はビプレッソやイフェクサーの禁断症状はでなかったな。
この後も彼女の過呼吸は治らなかった。
PTSDか、仕事や家のストレスか、お金の不安からか、幾度となく過呼吸になっていた。
つらそうな彼女を見て、不安やストレスを僕が全部取っ払おうと決めた。
後日談
それから3~4か月が経った頃には過呼吸は起こらなくなっていた。
仕事を辞める算段がついたからだろうか。
同棲を考えるようになったからだろうか。
いずれにせよ、僕にとってもそれは嬉しい出来事だ。
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