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作品紹介:夜の雨の情景
作品事例05: NIGHT RAIN
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定形郵便でポストに届くグリーティングカード
封筒…トレーシングペーパーで手成形
カード…OKカードにレタープレス1c(白) + 空押し、穴あけ、刺繍、カラーストーンなど
夜の雨の日、子供たちの手を引いて保育園から帰る道すがら思いついた作品。
車のヘッドライトに照らし出された雨と、打ち付けるアスファルトを表現したかった。作ってみたら、星空にも見立てられたので「銀河鉄道の夜」から一節を抜き出し、南十字星と「なんとかサック」を表したバージョンを作成。今でも自分的にお気に入り。
1.ボード紙に空ミシンで穴を開ける。針の太さを数種類、換える
2.レタープレスで文言を空押しする
3.スプレーのりを全体的に軽くかける
4.ラメパウダー2色を散らす。
5.刺繍糸でステッチを施す
6.ストーンを竹串で貼っていく。
7.封筒の展開図をillustratorで書き、プリントアウト
8.プリントアウトとトレーシングペーパーを重ね、展開図を目打ちで記しづける
9.カッターで切って、成形する
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どんなにすごい人が、隣に来ようとも。
友人がとってもいい質問をしてくれた。
『仕事していて、何してるときがいちばん楽しいの?』
端的に本質をつく、質問だと思う。私の答えは…
1. 色と質感を吟味する時
2. クライアントや関わってくれる人(業者さんや協業するクリエイター、手伝ってくれる人)の深層心理に触れられた時
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もともと、紙が好きだった。
子供の頃から。紙と、布を選ぶ時間が好きで。
だから「手に取れるもの」をデザインするのが好き。
ものづくりの最高峰(全てをカバーするという意味で)は建築だと思うし、興味がわくけど、理系の学問・知識が私の適正にはないからかやってみたいと思ったことがなかった。
同様にwebデザインも惹かれなかった。いや、webデザインできるようになりたいって思うけど…実作業がどうしても。文字と数字の文言の羅列に向き合うことは、私には適正がなさすぎて、馴染めなかったのだ。
今の時代でwebデザインができないなんてのは致命的だと考えて、勉強しようと試みたこともあるけど、早々に諦めた。
いや、自分を奮い立たせてがんばったら、たぶん何とかできるんだと思う。
けど、ある時にそれを捨てた。
子供たちが小さかった頃だ。
ちょうど、このカード作りにのめり込んでいたとき。15年ほど前のこと。
自分を奮い立たせなければマスターできないということは、学び続けることが難しいし、いずれ限界が来る。きっと自分で思ってる以上に早く。
Webデザインや制作が大好きな人、PCに向かっている時間が至福だという人に、太刀打ちできるわけないのだ。
私は自分のデザインの世界で生き残る道を、考えた。
けっこう真剣に。
そのためにお金も相当つぎこんだ。
色んな紆余曲折を経て、出した結論。
紙に特化した人でいこう、ということ。
素材を触る時間が好きだ。
色を塗り重ねたり。質感を重ねることで生まれる変化を観察して選ぶ時間が、私にとっての至福。
紙をはじめ素材というのは、無言でさまざまなことを語る。
私の適正、情熱の源泉はこの、素材のおしゃべりを拾うことにある。
もの言わないモノたちとの会話だ。
公式では表すことのできない何かを感じて、形にすること。
私はWebデザインのことはてんで分からないけど、紙と布、その他素材の選定だったら誰にも負けない自信がある。
誰かが伝えたいことを表現するために、1000種類の中からたった1枚の紙を選ぶことができる。正解かどうかなんて、分からない。だから面白い。
隣にどんなすごいキャリアを持つ人が来ようとも、自分のセレクトに自信をもっていられるか?
そういうジャンルが、本来の自分の適正なんじゃないかな。なぜなら、周りとの比較ではないその時間は居ることができるから。
色と質感を吟味している時間は、私は比較の世界から「感性を共有しあう世界へ」移動できる。
その結論を出すまでには時間もかかった。とても勇気が要った。
でも、人生のうちで何度か、そういう大きな決断をする時はやってくると思う。
誰でもね。
環境に自分を合わせていくのは、生きていくために必要な能力だし、メリットもある。けれど自分の心を置き去りにしてると、いつかしっぺ返しが来る。ほかでもない自分自身から。
選択肢に迷った時は、自分の心にちゃんと聞いてみる。ごまかさずに自分の本音を見据えることができるか?
これは永遠のテーマ。
今でも問いは仕事や作品制作以外でも現在進行形で続いてる。
結果的に私はwebデザインができないままの現在進行形だけど。
仕事するのに全く困ってない。
だって、相談できる人はあまた、いるから。
むしろ逆に
特殊印刷の指定ができるって、今ではけっこう強みになってると思う。
なんでもデジタルで運べる時代に、なんでも機械で作れる時代に
磨くべきは作業精度ではなく、感性じゃないだろうか。
そう確信できるのは
15年前に夢中で作ったこれらの作品のおかげ。
作っていた時は、好きなことに没頭できて楽しい・嬉しいだけではなくて
こんなことして何になるんだろう」ってやるせない気持がいつだってついて回っていたけど
作っていてよかった。
あの頃の自分へ、お礼を言いたいのと
“さんざん溺れたら、良いよ” って、伝えたい。
もうひとつの、人の深層心理に触れられた時については、またいずれ。
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