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Discovering Local KITAKYUSHU【2】 〜下到津〜
下到津。
難読地名のうちのひとつと言われているが、母娘三代でこの地にある小倉西高校に通っていた私にとって、しもいとうづ以外何と読むのかくらいの勢いで下到津=難読の概念がない。
そんな訳で下到津といえば3年間通った思い出のまちのはずなのだが、久しぶりに下到津の地を歩いてもびっくりするほど何の感慨もない。
おそらく福岡から北九州に戻って来た際に、一度そういう懐かしさを体験し、その後は現在進行形の日常で上書きされていったからだと思う。
実際下到津、今年も何度か通っている。
とは言え、高校時代は板櫃川方面には殆ど行ったことがなく、到津の地名の由来、神功皇后も祀られている到津八幡宮の存在すら高校時代はあやふやであった。
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思えばこの鳥居が電車通りから見えているにもかかわらず、その先に神社があることを全く全然気にしていなかった高校時代。
当時の自分に「そういう姿勢がダメなのだ」と言ってやりたい。
参道はそんなに長くもないが、今も開いている小さな店がぽつぽつと。
昔はちょっとした門前町のような風情だったのだろうか。
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5年ほど前はきついきついと言っている人達を尻目に、鶴岡八幡宮の石段を小走りで駆け上がっていた程の私であったが、
ここ数年の加齢による体力の衰えは凄まじく、到津八幡宮の石段ですら最後辛い。
何なら篠崎八幡宮でも辛い。
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しかし登り切ってしまうととても清々しいお宮である。
そんなに広くはないけど、稲荷神社など摂社もいくつかある。
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小笠原家の三階菱。
小笠原忠真公は領内の寺社を手厚く保護されたであろうことが色んな神社で感じられる。
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境内の梅の花も綺麗なのだが、今はちょうど実のなる時期。
一本の梅の木に新卒で入った会社の当時の社長の名前の札が。
到津八幡宮も色んな種類の御朱印があってどれも洗練されてて好みなのだが、今回は見開きの干支のうさぎの御朱印をいただきました。
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到津八幡宮の前を流れる板櫃川。
こどもの日は過ぎたけど、まだ鯉のぼりが残っていた。
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板櫃川のそば、ハンバーグで有名な9.9.9.には必殺臨時休業の札。
まあ人生得てしてそういうもんです。
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板櫃川といえば、藤原広嗣の乱の舞台でもあるのだが、
そういう歴史的な場所が身近にあることにも目を向けず、軽薄な日々を送っていた高校時代の自分をどやしつけたい。
そして参道の脇から板櫃川とバス通りに平行してあるのが到津市場。
間違いなく昭和から続く市場だと思われる。
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ぱっと見ただけでシャッターしか目に入らないのだが、入り口の軒先テントはオレンジ色も鮮やかで、そこまで古ぼけた感じはしない。
多肉植物や木を使った店のプレートはかわいいカフェ風。
中を覗くと外の好天とは対照的な暗さだが、灯りやのぼり旗も見える。
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殆どシャッター閉まっとるやん…
もちろん開いている店もあるし、これはこれで非常に味わい深いのは間違いない。
で、思わず足を止めて二度見したのかこれ。
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一心!〜夢へホップ〜
この頃の私は、まさかギラヴァンツ北九州がここから8年の間に2度J3に降格し、2023年5月10日現在J3最下位になっているとか想像だにしていませんでした!
むしろ小倉の新スタでJ1に昇格してるまであるくらい思ってました!
この事実を当時の私に教えても多分信じないと思います!
あとこのポスターがここにあることが既に歴史を視覚で残してくれているので、絶対新しいのに張り替えないで欲しい。
新しいの貼るなら横に並べて下さい。
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横断歩道を渡り、最後に母校である小倉西高校の前を。
小倉高等女学校として1898年に開校。
創立125年の伝統校です。
校訓「強く・正しく・美はしく」
だいたい遅刻しそうになって友達と二人でダッシュしてて、
校門入る前にチャイム聞こえてきてやっぱり遅刻ってのを思い出す。
繰り返した経験って記憶に残りやすいということを実感。
正門の前に江戸時代の建物じゃないかというくらい重厚感ある門構えも印象的な住居があったのだが、全く記憶がない。
私は本当にこの高校に通っていたのだろうかと思うが、
遅刻していた記憶はあるので通っていたのは間違いない。
「街中まですぐ」という地の利、
学校も多くて若い人が行き交うまちというイメージの下到津。
最近も更にマンション増えて、高齢化とか人口減少とか言われる北九州の中では元気のよいまちなんじゃないかと思う。
というか、高齢化と人口減少って別に北九州だけが抱えている問題じゃなく、日本中の大部分の地域が同様なんじゃないのか。まあとりあえずそれはいい。
よくある市街地といえばそれまでだが、その中に古代史の舞台が存在していることが重要なんだなと。
くどいですが、十代の頃の自分に言ってやりたいです。
つか学校で教えるべきでは(他責)