人生を愛するために 四十年かかった。 もっとかかったかもしれない。 ずっとこころが寝たきりだった。 少し前に起きた。 そしてさっき、 わたしはわたしにメールした。 やあ相棒 ずいぶん待たせたね 今から行くから、待っててと。 前に進むより先に 愛せなかった四十余年を、 助けに行かなきゃならないから。
物語を喰らうな 病人をほめるな 読むべきは人生 ほむべきはおこない 人が生きた、その傷あと。 外に手を伸ばす広告屋 内に手を組む詩人 いずれにせよ、語るべきは言葉。 暇が悩みを生み 暇がわたしを殺す。 負の貯金だけはじゅうぶんだ。 生きよ。 そして書け。 起きよ、寝たきりのわたしよ。
ひとり 木村信子 ひとりがすきなわたし ひとりがきらいなわたし ひとりになりたいわたし みんなすきなわたし みんなきらいなわたし みんなにすかれたいわたし ひとりになれないわたし みんなのなかでひとりのわたし 口笛ふいてみる 子供のころ、この詩に出逢って強烈な共感を覚えると同時に、 「これならわたしにも書けそう」と思いました。 そして、詩を書き始めました。 来る日も来る日も飽きずに書き続ける中で、気づきました。 書けない。 いくら書いても