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さようなら 古瀬戸小学校


東門脇の校歌が刻まれた岩

瀬戸市立古瀬戸小学校(古瀬戸町)は2020年3月末に廃校になった。筆者は卒業生ではないが、子供二人が通ったので、PTAや授業参観などで何度も来校した。また連区の運動会や盆踊り、選挙投票などでもお世話になってきた。地域に馴染み深い拠点が、このほど取り壊されることになった。
閉校時はコロナ禍で記念の式典ができなかったこともあり、校舎の解体を前に、卒業生らによるお別れイベントが行われた。OBや地域住民らが多数来校し、長く親しんだ学校との別れを惜しんだ。

席はいっぱいで、立っている人も多かった
椅子運びを手伝ってくれるフレンドリーな川本市長

8月13日午前10時から体育館にてセレモニー。エアコンのない蒸し暑い館内に200人以上が集まり、椅子の追加が間に合わないほどだった。閉校から2年半ほど経っているためか涙などはなく、ほのぼのとした同窓会の雰囲気。卒業したての若人より、大人が多かった。最後に卒業生の伴奏で全員で校歌を斉唱した。

古瀬戸吹奏楽団の演奏も行われた

校舎内は土足で自由に歩き回れて、「あぁ、こんなだった」「懐かしい…」の声があちこちで上がっていた。小学生でいっぱいだった校舎を、大人たちが歩き回って、不思議な光景である。
室内の机、椅子、備品などは運び出され、水道も通っていないとのこと。じきに取り壊されてしまうんだ…と改めて実感する。校内は「落書き自由」というのも、かえって寂しい。

職員室には、歴代のトロフィーや卒業アルバムなど記念の品々が展示された。アルバムを懐かしそうに手に取り、同行者と見せあう人の姿もあった。

トロフィーや賞状、多数
歴代の卒業アルバム
給食当番が着用したスモックは、週末に持ち帰って洗濯する。持ち帰り忘れたり、持って行き忘れたり、マスクを忘れたり…ついでにその他の忘れ物の思い出もよみがえる

校舎は9月に取り壊されるということで、校庭には重機が入っている。跡地は女子サッカーチーム「朝日インテック・ラブリッジ名古屋」の練習グラウンドとなるそうだ。セレモニーには選手の髙島瑠里子さん(6番)も出席。赤いユニフォームの凛々しい女子で、瀬戸市出身とのこと。こんなに近くでチームが練習するとなれば、これまでサッカーに興味がなかったが、応援したいと思った。朝日インテックは市内の医療機器メーカーで、「ラブリッジ名古屋」とネーミングライツパートナー契約を結んでいる。

 若人たちが炎天下で駐車場の誘導をしたり、進行を助けたりしてくれた。開催前にも、会場の整理や草刈りなど作業が多かったはず。おかげで学校に最後のお別れができました。実行委員の皆さん、ありがとうございました。
 

校内、落書き自由

古瀬戸小の歴史
1940年 瀬戸市古瀬戸尋常小学校として設立された。
1947年 瀬戸市立古瀬戸小学校に改称(児童数588人)。
1980年頃から児童数が減少していく。   
2020年 瀬戸市にじの丘学園(中山町)に統合される。にじの丘学園は、近隣5小学校と2中学校を統合した小中一貫校。

職員室の廊下の、木彫りの校歌の楽譜
窓の外には校歌にあるヒマラヤ杉

参考文献
「ありがとう古瀬戸小学校」実行委員会配布資料
中日新聞朝刊なごや東版 8月11日
中日ホームニュース 第828号
Wikipedia「古瀬戸小学校」
Wikipedia「 ラブリッジ名古屋」
 
                     上杉あずき@STEP

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