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ヒトツチ せと末広町商店街にオープン

え?なに屋さんなんだろう?
一歩入ったとき、いろんなジャンルのものが目に入って混乱した。白を基調としたすっきりとした店内には瀬戸らしい陶磁器もあれば、繊細なアクセサリーもあるし、子どもの工作向けらしいものや、食品もある。「店のものはどれも瀬戸のものばかりなんですよ」と代表の南慎太郎さん。えー?私、瀬戸にけっこう長くいるんですけど。見たこともない商品がたくさんあるよ!

可愛い!「玩具工房」は、郷土玩具の工房
もともとはノベルティ(人形)を作っていた「瀬戸陶芸社」

それもそのはず。瀬戸で作ってはいるんだけど、地元では流通せず、東京とか海外とかギャラリー向けのものも多いとのこと。
店名「ヒトツチ」は「火と土」で、陶磁器を焼いて発展してきた瀬戸が「火の街、土の街」と言われてきたことから。お店の入り口のアーチは窯のイメージ。店内の白い壁の漆喰には瀬戸の粘土を混ぜている。

繊細で芸術品のようなアクセサリー、proudbeautyシリーズ
店のすぐ近くのアートスタジオ「タネリスタジオ」を拠点に活動している植松ゆりかさんの作品

せと末広町商店街に2023年4月にオープンしたばかり。もの造りの瀬戸の魅力的な品々を紹介するセレクトショップと言える。南慎太郎さんは尾張瀬戸駅近くの古民家ゲストハウス&喫茶「ますきち 宿泊・喫茶・土産・案内」も営業している。妻、南未来さんは瀬戸情報たっぷりの『まちをあるく、瀬戸でつながる』を、自前のヒトツチ出版から上梓。ということで、2人の地元愛とネットワークにより生まれるべくして生まれたお店といえよう。陶器、木工品、菓子など品目は約300種類。それぞれに説明プレートが添えられ、品物や制作の来歴が興味をそそる。シンプルでナチュラルな内外装はディレクター兼デザイナーの山本真路さんによる。

ミニ鉢植え

卓上鉢植えがブームだ。培地と種もセットになっていて、ハーブやミニ盆栽が手軽に育てられる。「聖新陶芸」は名前のとおり、最初は聖母マリアの像の製造から始まった(1960年)。現在は各種栽培キットを、約350種も販売中。鉢のデザインがポイント。

卵そっくりの陶器を、スプーンなどで殻の一部を割って、鉢に
左:動物が口をつけている皿から水を補給
右:テイクアウトのコーヒーカップのような鉢

木工


わたり工房は、同じ末広商店街の東端にある。瀬戸の木を活用する「せともりプロジェクト」を展開し、伐採した木材をどんぐり、ボールペン、バードコールなどに加工する。工房では体験制作もできる。

素材

陶磁器を作る「型」には石膏を使う。「富士石膏」のキットは、ミニドーナツなどを作って着色でき、アロマストーンに使える。

工作心をくすぐる、粘土や石膏

「中部電磁器工業」は学校に教材を納めるので、一般にはあまり知られていない。乾いてもスポンジのようにふわふわな軽~い粘土とか、ホイップクリームのように絞り出すこともできる粘土、巨大な卵が作れるキットなど、いろいろな種類の粘土がある。イベント「ねんどであそぼう」も開かれた。

食べ物

間違いない美味しさ

レジ横には「尾張屋」のかつお節と「お茶彦」のお茶。知ってる知ってる、瀬戸の定番品だよね。銀座通り商店街のお店だけど、ここで出会うなんて。

手土産にも自分用にも

瀬戸の美味しいものを組み合わせた「せとセット」は、ちょっとした手土産に最適。銀座通り商店街の「little flower coffee」のコーヒーパックと、焼き菓子のセット。「aime le pain(エムルパン)」と 「BAKESHOP & Cafe mitten(ミトン)」のお菓子は、どちらもめっちゃ美味しいので、市外の人に自慢できる。

さいごに

まだまだご紹介できなかった商品はいろいろある。今後も増えていくだろう。実物を見、説明カードを読んで「へー!」と驚くのは、市外の人よりむしろ瀬戸在住の人のはず。
そして『まちをあるく、瀬戸でつながる』を手に取れば、瀬戸の街をディープに散策したくなるでしょう。どうぞ瀬戸の再発見をお楽しみください。

瀬戸市を散歩したくなる本


 
店舗情報:愛知県瀬戸市末広町2丁目22せと末広町商店街内
     10:00―17:00
     火・水曜定休
     Web: https://hitotsuchi.jp
     Instagram: @hitotsuchi_seto
 
 
 
参考文献:『まちをあるく、瀬戸でつながる』 南未来 ヒトツチ出版
      中日新聞朝刊なごや東版2023年5月16日、17日
 
                        上杉あずき@STEP

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