【雑記】インプットあれこれ 2021/8/23
最近嫁殿が体調を崩しがちで、ここ一週間は家事全般を一人でこなしたりするなどしていました。特に夫婦で家事を分担しているわけではなかったんだけど、自分の担当のような扱いで回していた掃除洗濯に続いてついに料理に手を出すことになり、これが想像以上にハマっています。
料理、マジで自信なかったんですよね。調味料の配分とかめんどくさいし。人のつくった料理の方が美味しく感じるのは、自分で調理すると材料から調味料まで味付けのネタバレを喰らっているので(まあ作った本人なので……)食べたときの驚きがないというか、「まあこういう味になるよな」という想像の範疇から脱せないのが要因かなと思ったりします。特にうちの嫁は料理が得意だったりするので実家では食べたことのない味を振る舞ってくれたおかげというのもある。
ところが、最近はようやく要領が掴めてきて自分で食べておいしいと感じる機会が増えてきたのでつくり甲斐が出てきた。直近の渾身作は焼き鳥です。シンプルに見えて奥が深い。やっぱり下準備の手間を惜しんではいけない。
ワンピース90巻無料分を読み切った
現行の連載をなんとなく雰囲気で読んでいたワンピースですが、ここにきて大盤振る舞いの無料キャンペーンをやっていたのでずっと読んでいました。やっぱめっちゃ面白いわワンピース……。
週刊連載だと話の進むペースが計れなかったんだけど、まとめて読むと味わいが全然違う。というか、登場人物の多さヤバくないですか。スケールが少年漫画というより大河ドラマですよ。おまけにことあるごとに仁義とか盃とかファミリー概念を持ち出してくるのでヤクザ・マフィアもののアトモスフィアがすごい。サカズキとイッショウのバチバチのやり取りなんて完全に任侠の世界ですよ。ここがドレスローザ編のベストバウトまである。
そういった気付きも含めて、ガキの頃読んでいた時とは読んで感じた質感が全然違うので新しい発見が多くて本当に良い経験になる。あの頃は完結まであと何年かかるのか予想もつかなかったけど、本当に終わりに近づいているようで感慨深い。
しかし、無料ラストのワノ国突入から現在進行形の四皇カイドウとの決戦に至るまでも道のりが長そうなのでどうしたものかな……漫喫かどこかで埋め合わせをしたいな。
最近観たもの
ゲッターロボ アーク
アニメとしての出来はお世辞にも良いとは言えず、作画は安定してないわキャラデザは濃いわ視聴者を置いてけぼりにするわで散々なんですけど、「この令和の時代に噂に聞くゲッターロボの新作が世に出た」というだけでめちゃくちゃすごい。私は原作未読でOVA三作を観ただけの新参者なんですけど、知ってる人や設定が全然知らないタイミングで登場しまくり、それだけで「これは一体どういうことなんだ!?」「俺の知っているゲッターではない……!!」と神隼人と気持ちが完全にリンクしてしまうのでチョー面白く、ゲッター線に魅入られた人間はもれなく観るべきだと思います。
ゲッター初めての人は今ならアマプラでゲッターロボ作品が無料配信されているのでマジでおすすめです。まずは「真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ」の冒頭5分から入ってみよう。
かげきしょうじょ!!
今世紀最高のエンタメ漫画のひとつ「かげきしょうじょ!!」のアニメです。それだけで観ないという選択肢はない。めちゃくちゃ丁寧なアニメ化で、キャスティングやOPやEDもパーフェクトとしか言いようがない。マジで観るだけで健康になる。最初の暗いトンネルのような数話をくぐり抜ければその先にあるのは齢十五程度の少女たちがぶつかり合い、苦しみ、挫けそうになりながらも、友情を育み、紅華歌劇団のトップスターを目指して切磋琢磨する……そういう話です。これはもう人生なんだよ……。
同じ歌劇をテーマにしている作品に「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」があるんだけど(こっちも今世紀最高のエンタメアニメなのでマジのガチでおすすめです)、あちらと比べると現実の宝塚歌劇団をよりモデルにしたお話で「スポ根もの」に近い。
で、かげきしょうじょ!!がすごいのは宝塚とか実際の歌劇やミュージカルに全然興味を持っていない自分でも、そのショーとしての素晴らしさや、彼女たちにとって憧れの舞台であること、そしてその裏側の過酷さに至るまで「歌劇そのものの魅力」がスッと入ってくることがすごい。そして「作品として面白い」と両立しているヤバさ。気づけばどっぷりとはまり込み、かげきしょうじょのことしか考えられなくなっている。これはもう人生なんだよ……。
What if…?
あのマーベル本家本元が偉大なMCU作品の数々をオモチャにやりたい放題やってる超問題作。はっきり言ってめちゃくちゃ面白い。「もし超人血清を打たれたのがスティーブではなくペギー・カーターだったら…?」「もしスターロードになったのがティチャラ王だったら…?」から始まるif物語はひとつのボタンのかけ間違いが無限の可能性分岐を呼ぶ結果となり「そうは!ならんやろ!がい!!」と逐一テレビにツッコミながらも着地点は驚くほど腑に落ちてしまうのが死ぬほど悔しい。クソッ……!
アニメーションらしいテキパキとした話の運び方なのもすごく良い一方で、30分という尺の都合上ダイジェスト気味に進行するのが非常にもったいない。これ一話で映画一本つくれるやろ……と思いつつも、あのMCU原作群を観ておかないといけないという敷居の高さもあるので他のドラマシリーズ同様ファン向けの内容ではある。どうやら一話単発の作品ではなく、未知のアベンジャーズがアッセンブルしそうな気配があるので今後も目が離せない。
美少女戦士セーラームーンCrystal Season III(2016年製作のアニメ)
キャラデザが一新し、変身や必殺技バンクも手描き作画になって親しみやすくなった上、ギャグパートもかなりいい感じになりようやく「リメイク面白いぞ……!」となった新アニメ版。新セーラー戦士たちのキャスティングも文句なしに素晴らしい演技。ただ、はるかさんとみちるさんの関係が旧版に比べて控えめなのが残念だけど、その辺は原作尊重のストーリーラインだから仕方ないか……。
ウィッチーズ5もその話限りの退場には惜しい個性の強さで、たった1シーズンの放送なのが悔やまれる……が、流石にセーラー戦士が9人もいるとどうしてももたついて見えてしまう。特に最終局面は戦闘シーンはあっさりなのに延々と状況説明ばかりで映像としてのカタルシスはほとんどない。せっかく綺麗な作画なのに……。そのあたりは次回のEternalに期待したいですね。
OPのやくしまるえつことEDのウラヌスネプチューンのデュエットはめちゃくちゃ好きです。
旧アニメのセーラームーン無印から始まったマラソンも残すは劇場版のEternal前後編だけとなりましたが、新アニメ版はその人気の高さ故に、ファン層にお伺いを立てているようでちょっともったいないなぁという気持ちになってしまう。リブート作品の宿命のような感じではあるけど、この辺は原作漫画を読んでから考えたいですね。
スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)
豊かな大自然、散らかったゴミ、ありふれた絶望で自殺しようとした男、そしてダニエル・ラドクリフの死体。オナラ水上ジェットスキーの最高すぎるタイトルドーン!を過ぎると、その先にあるのはバカバカしくシュールな絵図がシュン…となってしまう人生、人生、人生の問答。ダニエルの万能工具っぷりが霞むほどに、男は思慮するゾンビと共に自身の思いを、人生を言葉に変えてゆく。憧れのあの人はファンタジーの住人ように美しく、夢の終わりと共に訪れる現実はあまりにも残酷で、それでも生きることをやめられない。幻想的な映像と共に流れるジュラシックパークのアカペラテーマ曲はマジでクレイジーで「一体どういうことなの!?」ってこっちが言いたいぜ!
正直、途中5回くらい「変!!!」ってでかい声が出ました。いや、変だよこの映画。てっきり哲学的ゾンビとの対話を通して男が人生を反芻し、生きる意味を再確認する……みたいな話だと早合点してウンウン頷いてたら途中でダニエル・ラドクリフが自我を確立して唯一無二の友情を築き始めたので「そういう映画か~~!」となりましたね。ゾンビが本当に思慮しないでほしい。
いずれにせよ、時間を持て余して何気なく再生ボタンを押さなかったら一生観ない映画だったので観れて良かったです。
(終わりです)