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映画『HiGH&LOW THE WORST』を観て血沸き肉躍るアクションを目撃しろ

よく来たな。おれはazitarouだ。こんにちは。

お前たちは『HiGH&LOW THE WORST』を観たか?それは血沸き肉躍る真の男のためのアクションエンターテイメント不良ムービーのことだ。おれはこの映画を観て血液が沸騰し、全身が震えるほどのカタルシスを得た。だからその時の感動を記録するためにここに書き記すことにする。


お前に『HiGH&LOW THE WORST』がいかに素晴らしい映画か語る前に、まず『HiGH&LOW』シリーズ『クローズ』『WORST』について説明しよう。『HiGH&LOW』シリーズとは、男たちの友情と熱き闘いを描く不良アクション映画であり、LDHグループが財の限りをつぎ込み、日本中から最強の演出家、アクション監督、顔のいい俳優軍団、アクションスタントを結集させた史上最高のエンターテイメントコンテンツだ。そのまるで漫画から抜け落ちて来たかのような荒唐無稽なキャラ造形、舞台設定、アクションの数々を、信じられないほどマッチしたキャスト、衣装、美術で完璧に実写化させた恐るべき作品だ。

そして『クローズ』『WORST』だが、実は一切知らない。おれは今まで不良ヤンキー漫画とは全く無縁の人生を送ってきた。この手の話は『HiGH&LOW』が初めての経験であり、おれはそういった不良ヤンキー漫画が実はめちゃくちゃ面白いということが理解できるようになり、映画『クローズZERO』ではあの小栗旬と山田孝之が殴り合っていたと知りながらもついにそれを目にすることはなかった。だがそれでも全く問題ない。そして『HiGH&LOW THE WORST』を観るにあたって『HiGH&LOW』シリーズすら、お前は観る必要がない。


漫画から抜け落ちてきたかのような恐るべき実写作品

おまえはスキンヘッドの集団が電車からゾロゾロ出てくるのを目にした時、果たして平静を装えるか?おれは無理だった。たった一人でさえ凄まじい威圧感を発するスキンヘッドが何十人、いや何百人と駅のホームに降り立つ。おれはさっき集団と言ったが違った。スキンヘッドの軍団だ。こいつらはファッションや粋がるために頭を丸めているのではない。何か明確なルールに則りスキンヘッドにしているのだ。しかし、その中でも剃髪していない連中がわずかにいる。圧倒的存在感を誇るはずのスキンヘッドが没個性的に見えるほどの異常な軍団の中において、普通の人間と同じように、いや、明らかに異様な雰囲気をまとっているヤバい連中だ。その光景を目にした瞬間、お前は全身の毛穴が開き汗が流れ出し始め、異常な状況を必死に理解するため時間感覚が鈍化し、体温が急激に上昇する。こんなにも冷房が効いた劇場にいるのにだ。もはやエグゼクティブシートで快適に過ごすお前は一瞬でいなくなり、駅のホームでスキンヘッド集団に取り囲まれた自分を見出すことだろう。

漫画作品の実写化と言えば、原作のいいところだけを切り取ったダイジェストなストーリーとか話題性重視で演技がいまいちなキャストとか背景美術とかCGが安っぽいとか役者の衣装がコスプレにしか見えないとかコンテンツの扱い方では海外での映画化のがリスペクトされているとか散々言われているが、『HiGH&LOW THE WORST』にはそういった評価が生まれる余地が一切存在しない。完璧に役と合一したキャスト、現代日本であることを忘れる異常な作りこみの美術やセット、演者自身がアクションする本物の躍動感などは恐るべき領域に到達している。『HiGH&LOW』シリーズは完全オリジナル作品だが、どんなにバカバカしい演出や設定でもソー・シリアスであり、まるで存在しない原作にリスペクトを払っているかのようだ。そしてそれは『クローズ』『WORST』に対しても惜しみのないリスペクトを向けていることは十分すぎるほど感じられる。この映画にはフィクションの垣根を超越した真のリアルさに満ち溢れている。


信じられないほど最高なアクションの数々

はっきり言って『HiGH&LOW』シリーズのアクションシーンは現代の邦画では最高クラスであり、ある部分ではハリウッド映画にすら届くほどのレベルだ。劇場版1作目である『HiGH&LOW THE MOVIE』の時点でキーの役者がスタント並みに体を張り最高オブ最高なアクションをし、500人とかいう頭おかしい人数のスタントを集めその全員を暴れさせる画を撮るという暴挙に出ていたが、『HiGH&LOW THE WORST』でもそれは健在だ。

この映画の最高のハイライトの一つである鬼邪高校対鳳仙学園のシーンはありえないほどエキサイティングで、お互いが睨み合う幕から始まり、両者が駆け出し、鬨の声をあげ、鬼邪高校と鳳仙学園、黒と白、肉と肉、血と血がぶつかり合う瞬間は、もはや戦争映画や時代劇の合戦もかくやの凄まじい気迫に満ちている。何百人が拳をぶつけ合う集団戦もそれぞれが戦い方のスタンスが異なることが理解できるほど、各役者でアクションや立ち回りが非常に洗練されており、まるでダンスや演舞を観ているかのように錯覚するヤバヤバのヤバなカットが延々と続く。

極めつけはクライマックスの絶望団地攻城戦だ。投石攻撃から身を守るパレット大盾や破城槌ならぬ破城三角脚立など、人同士の殴り合いがメインになっていたハイローアクションにおいて、この攻城戦がルードボーイズのパルクールアクションに匹敵する新たなアクションシーンとしてブレイクスルーを果たしたのは特筆に値するだろう。はっきり言って何を言っているか分からないと思うが、劇場で観ろとしか言えない。お前の知らない真の興奮がそこにある。


完全にシンプルなストーリー

映画のメインの進行役を務める幼なじみ6人組を始めとして、鬼邪高校の各派閥、鳳仙学園の面々など、冗談と思えるほどの登場人物の多さに比べその物語は非常にシンプルだ。校内でのいざこざ、学校同士の対立、そして黒幕との対峙と段階を経てスケールアップする対立構造によって普通の作品なら収拾がつかなくなるほどの登場人物の多さは、究極的に「敵か、それとも味方か」の二つに一つに集約されるのは非常に分かりやすくシンプルだ。

そして今作の主人公、花岡楓士雄の目的はたった2つ。鬼邪高校の頭になること、そして薬の売買に手を出したダチを救う。たったこれだけのことでS.W.O.R.D.の一角、殺し屋鳳仙、そして闇組織を揺るがすのはめちゃくちゃ痛快だ。「曲がったキュウリ、まっすぐなキュウリ」に例えられる寓話や「夢を見るのが子供、その夢を叶えるのが大人」といった瞬間瞬間の台詞の感傷度合は過去のシリーズを遥かに凌駕し、あくまで今作が学生たち(子供)(はっきりってそうは見えないが)が主役であることにクローズアップしており、『WORST』とのクロスオーバーにも大きな説得力を与えている。


いいから観ろ

めちゃくちゃ褒めたい点はいくらでもあるし、特に完璧に「分かっている」キャラ造形は鬼気迫るところが多々あり、特に轟周辺のドラマはヤバい。鳳仙四天王もすげえ。大事なのは映っている尺ではなく、わずかな台詞の一端にでも、一瞬のカットの表情にでも、引きのカメラで見切れたアクションシーンにでも、役に「魂」が宿っているかどうかということを思い知らされる。はっきり言って『HiGH&LOW THE WORST』の魅力はここには書ききれない。いいから観ろ。今すぐ劇場へ駆け込め。そして伝説を目撃しろ。



(鳳仙学園テーマソングの『Top Down』が信じられないくらいチョーカッコいい)

(終わりです)


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