この監禁報告型感想記事がすごい!2020年版 #あいさつ代わりのnoteベスト5
こんにちは、azitarouと申します。
noteで活動を始めて早2年、素人ながら色んな文章を好き放題に書いてきました。そして、ありがたいことに色んな人に記事を読んでいただき(その節は大変お世話になっております)、自分のコンテンツに対するスタンスというか、スタイルが鮮明になってきました。
監禁報告型感想記事です。監禁報告型感想記事とは、コンテンツに狂わされた様を自ら書き起こし読者にその醜態をさらけ出す、今最も熱い感想記事スタイルです。またの名を発狂怪文書とも言います。今日はこの新たな感想記事の定型について解説したいと思います。
azitarou:発狂型コンテンツレビュアー。エンターテイメントを血肉に変えてクオリティオブライフを高める活動をしています。
時は令和。掃いては捨てるほどエンタメが堆積しているこの時代、読者視聴者の心を射止める作品にはある種の共通点が挙げられます。具体的に言うと、キャラクター間の高純度の感情や関係性をコンテンツ受給者に叩きつけることでニューロンに極度負荷を与えて爆発させ、以て発狂させる鬼畜めいた所業は、ここ数年で随分と普及してきました。
(良質なコンテンツに触れた時、オタクは床をのたうち回ったり奇声を上げたりオンオン涙を流したり、末期には通販サイトのサーバーを落としながら「何か買えた」と狂喜するなど異常行動をとることが知られています)
監禁報告型感想記事は、この爆発四散後に残されたダイイング・メッセージと言ってもいいでしょう。
監禁報告型感想、その特異性
オタクがコンテンツに狂わされる景色はネット上ではもうありふれたものとなっている昨今ですが、監禁報告型感想はさらに一歩進んで、事の顛末から全ての始まりを思い起こす形で執筆されます。もう取り返しのつかない段階から話がスタートするので絶望度合いがトップスピードです。既にSAN値もゴリゴリ削れています。
基本的にコンテンツが主(監禁する側)、私が従(監禁される側)となります。これはコンテンツを絶対的な存在として妄信するということではなく、地震とか台風とかゴジラとかエイリアンやプレデターによって人が何もできずにただゴミのように死んでいく様に似ており、言わばディザスター映画の一般人視点に近い。つまり我々にできることは何もなく、ただただ災厄が過ぎ去っていくのを祈るしかないのだ。もしくは全てを諦めて死ぬしかない。
(これは言わば「はめつのたて」を常時装備した状態でボスに戦いを挑むのと同等の行為で、大抵ダメージを抑えきれずにゲームオーバーとなった結果、リスポーン地点である地下の牢屋で感想を執筆しているために精神的に不安定かつ、すぐ傍に命の危険性を感じられるとてもエキサイティングな内容となります)
その特殊な文体の都合上、「コンテンツのことを知らなくても人の狂っていく様を見るのが面白い」と新たな読者層を開拓することに成功し、レビュー記事の一形態にもかかわらず、単体でもひとつのエンタメとして成立しているのが特徴と言えます。また、その異様な熱量には確かな人間的感情が巡っていることと、論理は狂っているが倫理は守る奥ゆかしさ(ネタバレに配慮し他作品を吊るしあげたりしない)という点で「狂っているけど信頼感がある」「言葉による意思疎通はとれないが仕事は確か」と評価する声もあります(独自調査)。
一方で、情報サイトのレビュー・紹介記事のように、コンテンツを読者に分かりやすく説明することを放棄しているため純粋なレビューを求める人間からは真っ先に除外されることと、あまりにも発狂度合いが高すぎるとマジモンの怪文書となり、現状では十分な市民権を得たとは言い難い。そもそも発狂した人の傍にいたいと思いますか?私なら目を伏せながら大きく間を取ってすれ違います。
しかし、あなたには覚えていてもらいたい。人は誰しも心の奥底に狂気を飼っているのだ・・・もちろんこれを読んでいるお前の中にもな・・・。
監禁報告型感想、その一例
この世で初めて生を受けた監禁報告型感想にしてオールタイムベスト記事です。放送終了から3年後に執筆された辺りから「何かとんでもないことが始まって、そして全てが終わった後」というアトモスフィアを感じてほしい。それはそれとしてシヨンはメタクソに面白いので観てほしい。ニンジャスレイヤーも読め。
田舎を飛び出した少年、リーグを勝ち上がる中で出会った少女、そして都会の芸能ゴシップにぶち当たり儚く崩れ去る恋心……。少年の心の浮き沈みを描写した内向的監獄回帰記事です。それはそれとしてポケモン剣盾は普通に面白いのでやろう。薄明の翼の2話も観ろ。
今現在、人類が最も狂わされている中学生カップル(カップルではない)ラブコメだ。冒頭から自ら油を引っ被っているあらすじは正直自分でもどうかしてると思う。全人類僕ヤバを読め。それはそれとして単行本を読んだだけで俺に並んだと思ったら大きな間違いだ。ツイヤバを読んで発狂するところから出直してこい。いいな。
コズミックSFホラーだ。俺は国民的ロールプレイングゲームを遊んでいたと思ったらそれは誤りだった。いや、過ちと言った方が正しいかもしれない。もはやこの記憶が誰のものかも分からない。ああ、てんくうのベルの音が聞こえる……行かなければ……息子たちが待っているあの世界へ……。
「訳の分からない巨人が人間を襲って食うダークファンタジー」はただの上っ面の皮でしかない。監獄を脱したと思ったら、より大きな檻に閉じ込められていただけだった。真の自由とは。争いのない世界とは。迫りくる終末時計のカウントダウン。「35分前に実行したよ」投下されるサイコイカ爆弾。俺たちが主人公だと思っていたやつは、実はロールシャッハとオジマンディアスとドクターマンハッタンを足した化け物だった。ご期待ください。
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ボロボロの蓙の上で、男が両手を縛られ膝立ちで座らされている。首に提げた板には「この記事は私の独自調査や個人的見解に基づいており、内容の信憑性・正確性に一切の保証はありませんのでご注意ください」の文字。橋の上から河川敷を見下ろす人々の目は懐疑的で穏やかならぬ噂を立て、嘲りや恐怖の顔も立ち並ぶ。公然に晒されている男は泣き笑いの表情を浮かべるも、その顔は被せられた麻袋の奥に秘されるばかりであったーー。
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(真面目なやつも書いているのでご安心ください)
(終わりです)