【雑記】インプットあれこれ 2021/8/31

　5年前に友人に組んでもらったPCの調子が悪くなり、先日ついに起動すらままならなくなったためPCショップに点検に出したところ、なんとハードディスクが破損していて保存データがオシャカになっていたことが発覚しました。十数年間収集し続けてた音楽データとかガラケー時代からの写真とか保存してたんですけど……。　え？　全部パー？　嘘でしょ……。

　破損状況としては重度の物理障害らしく、ショップでのデータ復旧は不可能。専門の業者に委託しても復元は絶望的とのこと……。ハードディスク寿命はせいぜい5年くらいと聞いていたけど、まさかそんな突然来るとは思わなかったのでバックアップをとる機会すらありませんでした。もう墓場まで電子データを持っていくつもりでいたのに完全に見通しが甘かった。既に膨大な量のデータがあったためクラウド移行もめんどくさがって雀の涙ほどしかデータは残っていません。うわ～～～詰んだ。写真を見返して「あんなこともあったなあ」と思いを巡らせることも不可能になっちまった……。
　その一方で、不思議とさっぱりした気分になっている自分もいたりして、自分が大事にしていたものがごっそり消えてしまっても人間死ぬわけではないんだ……と思ったりもします。病気や怪我のような生命の危機とは違う訳なので当然と言えば当然なんですが。これにへこたれずに一から歩んでいきたい。

　でもやっぱ、つれぇわ……。

最近のインプットあれこれ

オッドタクシー（2021年製作のアニメ）
　周囲の評判がめちゃくちゃ高いので、はたらくどうぶつの森ぐらいの気持ちで観始めたんですが完全に面白くてビビる傑作アニメ。一話ごとの引きがTVアニメというよりドラマや映画の場面転換みたいな緊張の連続。というか動物の擬人化で一見マイルドに見えるけどその実態はバリバリのクライムサスペンスもので、クライムサスペンスなので当然暴力もあるし人が死ぬ。この絵柄で？
　気難しいタクシードライバーを中心にバズり志望の学生、アイドルオタク、お笑い芸人、裏のあるアイドルマネージャー、半グレヤクザ、廃課金サイコ野郎などなどバラエティ豊かなヤバい連中が続々と登場し、その全員に人生があり、ドラマがあり、そして抱えている闇がある。一見バラバラなそれらが小戸川を中心に回りだし、ケツに火が付き、怒涛の勢いで全ての点が繋がるクライマックスへと突入する流れが美しすぎる。
　コント、ラジオ、ラップのような声ネタも豊富でいちいち会話が小気味良いのも素晴らしい。お笑い芸人も声優で参加しているそうだけど全然違和感ないどころか作品に完全に馴染んでいる。特にホモサピエンスのラジオがめちゃくちゃ雰囲気良いです。芸人のラジオ番組ってちゃんと聞いたことがないんですけど、なるほど深夜帯ならではのぶっちゃけたトーク内容は「こういう面白さがあるのか～！」という、新しい文化への気づきがあって楽しい。
　マンガワンで漫画版が無料配信していたのでそちらも読んでみると、あの独特のキャラ造形と会話劇を見事に漫画に落とし込んでいてこちらも素晴らしい出来。というか作画がスーパー凝っていて、リアルとフィクションの交じり度合いで言うとよつばと！に近い質感がある。アルパカの白川さんの凄みは漫画の方がすごいですね。狂ってしまう……。
　必要以上に陰湿にならず、なぜ動物モチーフなのか？という点も作中で明かされ清々しい気分で観終えられる……と思いきや、思わずうわーーーっと言いたくなるゾワッとするようなラストはかなりズルい。超オススメです。

寄生獣 / 岩明均
　マガジンのアプリで無料配信されているものをボチボチ読むのが日課になってるんですが、さすが名作と言われるだけあって思わず前のめりになるほど引き込まれてしまう。宇宙から飛来したパラサイトと呼ばれる寄生生物が人間に擬態し、社会を混乱に陥れる……という筋書きで、もっと無慈悲に人狩りゲームが進行するかと思ったら異様に人間社会に馴染み人間という種を学習していくパラサイトたちが不気味すぎる。主人公新一と脳に寄生しそこなったミギーとの奇妙な関係は独特で、一つの肉体に共存することで両者の境界が薄まり、新一が徐々に変質していく流れはゾッとする。グロ描写も盛り沢山だが野生動物の捕食のような力の上下関係による淡々とした殺害シーンは悪趣味さはないのでご安心だ。この辺はチェンソーマンに近いかも。
　パニックホラーと思いきや、パラサイトたちとのサスペンスのような駆け引き、超常の力によるバトルなど、ジャンルを横断する展開は進撃の巨人やゴールデンカムイを思わせて本当にすごい。こんな作品が20年以上前に存在していたなんて……。

怪異と乙女と神隠し / ぬじま
　こちらもマンガワンの無料配信で読んだもので、この28歳書店員兼小説書きのおっぱいとケツがすごい2021受賞の怪異漫画。28歳書店員兼小説書きのおっぱいとケツがすごくおっきい。しかも驚いたことにこの28歳書店員兼小説書き、幼女から女子高生まで自在に肉体を若返らせる力があるのが、やっぱり28歳書店員兼小説書きの状態のおっぱいとケツの破壊力が一番すごい。　とにかくフェティッシュで、見た目は少年だが明らかに年齢不相応の老成さを漂わせるおねショタのショタみたいな男とその妹をメイン人物にいちいち癖に刺さる女性がいっぱい出てくるぞ。
　怪異についても妖怪から海外の言い伝え、都市伝説、現代怪談まで手広く、伝聞による怪異の変質などなかなか捻ったストーリーテリングだけど28歳書店員兼小説書きのおっぱいとケツがすごくておっきいので全然話が頭に入ってこないのが難点。すいません難点ではないですもっと欲しいです。怪異題材であるけどおどろおどろしさは控えめで健康的なエロスが楽しめる……って書くとアイドルを起用した低予算ホラー映画みたいな宣伝になっちゃうな。良い漫画です。

（終わりです）