かんなみ新地(跡地)レポ
先日、関西に帰っていました。
私が在籍していた時に
ずっとお世話になっていたママと
会う約束をしていたのですが
ママの体調が良くなく、
コロナ感染の心配もあり
再開は延期となりました。
(本当に会いたかった…涙)
いつも実家に帰ると必ず行っている
かんなみ新地(今は跡地)に行ってきました。
営業していた時は、夜に女性は通れないので
(通ったら女の子が嫌な気分になるため)
昼間にいつも来ていました。
春頃に取り壊しの話も出ているようで
今回は2日に分けて、
昼と夜に来てしまいました。
(私個人は、取り壊ししてほしくない思いです。)
閉業してからは、初めて来たのですが
私が一番最初にここに来た時、
"人の匂い"が充満していました。
おそらく、身体のいろんな部位から出る
体液のにおいかと思うのですが
良い匂いでもなければ
悪い匂いでもなくて
"人としての最初のにおい"
という印象の匂いでした。
閉業した今、その当時の匂いは、
もうほとんどしませんでした。
空気が冷たくて、
信じられないくらい静かで、
誰も、なにも存在しませんでした。
出勤する前にいつも通っていた道を歩いたり
自分の在籍していた店の前に立ち止まったり
飲食店として経営しているお店に
たくさん人が入っていて賑わっているところを
お店の外から眺めたり
1番最初に上がった部屋の窓を
ぼーっと見たりして
「ここに来た日から
今の自分が存在することが
決まっていたんだな」
「もうここでは働けないんだな」
「もう若さを売れないんだな」
「今となれば
夢だったのかなと思ってしまうけど
私は、ここに確かにいたんだよな」
など自分の思想を巡らせて、
かんなみ新地一体をぐるぐると歩いていると
表通りの元引き子さん(ママ)が
「ここに、なにか御用ですか?」と
可愛らしい声で、話かけてくれました。
かんなみに住み着いている猫に
エサやりをしにきていたそうです。
「あ。…実は数年間でしたが
ここで働かせていただいたことがありまして。」
元ママさんは、
最初驚いたような顔をしましたが
すぐに笑顔で「そうやったんかぁ〜」と
柔らかく返事をしてくれました。
「あの。
私、ここですごく大切にしてもらえて。
可愛がってもらっていたんです。
当時の私からすると、
かんなみは心が落ち着く居場所でした。
ここで働けたこと
すごく幸せだったんです。」
今まで一回も話した事もない
他所の店のママに
自分の気持ちを思わず
バーッと言っていました。
「そう言ってくれる子がいるなんて嬉しいなぁ」
初めて、自分の強い思いが
誰かに喜んでもらえた瞬間でした。
風俗店を大切な場所と言った時多くの人は
「へぇー」「おー…」「変わってるねー」
「そう思えるのすごいね…」と言う返事が多く
距離感を感じることがほとんどです。
返事が悪いとかは一切思ってはないし
"認めてほしい"とかそんな気持ち云々ではなく、
コミュニケーションの中で距離感を感じるのは
疎外感や空虚感まではいかないですが
寂しさという感情は感じてしまうものでした。
自分の思いを伝えて
相手から喜んでもらえた時
とても心は明るくなっている自分がいて
この瞬間まで気づきませんでしたが
私は、自分の中にある
風俗嬢として働けたことにについての
嬉しい思いに共感してくれる人を
求めていたんだなぁ…
と気づきました。
そこから、コロナ禍から閉業までことを
表通りのママがたくさんお話ししてくれました。
もし、コロナ禍から閉業の時に
実際、自分も在籍していたらと考えると
不納得さや不安を感じるお話でした。
知り合いのママさんの話や
閉業後の女の子の話など
在籍してたからこそできる話もしました。
そこから話題は変わり
「今は何件か飲食店やってるんや」
と言う話になり、
「入りたいなぁと思っていたんです。
けどお店の中、人がいっぱいで
入れそうな雰囲気じゃなくて…。
どこかオススメありますか?」と聞くと
一軒のお店を指さしてくれました。
「この店が絶対いい。
ここのお店は、料理もおいしいしな。
元々引き子さんやってた
人当たりがいいママがおるわ。
いい思い出話ができると思う。
楽しんでおいで。」
教えてくれて
とてもありがたかったです。
ママも女の子と同じで
いろんな事情があって
かんなみに来た方も多く、
気分の浮き沈みの激しいママだったり
ママと合わなかったら
除け者扱いされている(干されている)ような
女の子もいたよなぁ…
ママによってお店の居心地の良よさや
お客さんの付きも多少なりとも
影響していたなぁ…と
当時の記憶を
ぼんやりと思い出していました。
表通りの元ママと別れ、
お店ののれんを開けて、覗きました。
お店の中には
元引き子さんをしていたであろう女性ひとり
お客様として女性ひとり。
表通りの元ママと同じように
「???」という顔をされていました。
若い(20歳とかの若さじゃないですが)女性は
日頃から来ることはないんだろうなと
感じるリアクションでした。
「あ、いきなりすみません。
(席)空いていますか…?」
「あぁ!空いてるよ!ここ座りぃ!」
ご飯を食べに来た人だとわかり
2人の女性は快くお店に入れてくれました。
※以下、有料記事となります。
在籍していたからこそ
書くことができた内容です。
ママと女性客と私の会話を元に
かんなみの特徴や風俗嬢の心情を綴っています。
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