#文舵練習問題 練習問題その①ー1 文はうきうきと


  生まれたばかりの娘がゆりかごを軋ませるリズムが徐々に間延びしていく。娘の額の上で回っているモービルには虹色の鳥が停まっている。世界の真ん中で大きな鳥が卵を産むとき、世界中のカラスの羽が白く染まる。夕暮れのヴェールを鳥たちがついばんで穴あきにしてしまう。日が落ちてから女神がヴェールを繕う。ふくろうが爛々と輝く目元で女神の手元を照らす。可愛い赤ん坊はもう眠りにつくところだろう。日差しが彼女の寝床を照らすころ、暁の女神が彼女の巻き毛を柔らかく撫でる。

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阿瀬みち
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