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<No.23>SDGsの各ゴール解説⑬ 目標13:気候変動に具体的な対策を

SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の各ゴール(目標)の解説とアクションのヒントを国連開発計画(UNDP)、国連広報センター(UNIC)の資料を基に行います。SDGsのゴールを達成するためにも、SDGsの各ゴール詳細を知っておくことはアクションに繋げる上で重要になります。ぜひ最後までお付き合いください。
 今回は「目標13:気候変動に具体的な対策を」です。

UNDPでは「目標13:気候変動に具体的な対策を」を次の通り解説しています。(灰色部分は引用。)

気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る

気候変動の深刻な影響を目の当たりにしていない国はありません。温室効果ガス排出量は増加の一途をたどり、現在では1990年と比較して50%以上増えています。しかも、地球温暖化は私たちの気候システムに長期的な変化を及ぼしており、私たちが今すぐ対策を講じなければ、取り返しのつかない結果となる可能性があります。

地震や津波、台風、洪水による被害額は年平均で数千億ドルに上り、災害リスク管理への投資だけでも、毎年60億ドルの投資が必要となっています。この目標は、開発途上国の需要に取り組み、気候関連の災害の軽減に役立てるため、2020年までに年間1000億ドルの投資をすることを狙いとしています。

内陸国や島嶼国など、影響を受けやすい地域の強靭性と適応能力を強化する一方で、意識を高め、国の政策や戦略に気候対策を盛り込む取り組みも必要です。政治的な意志と幅広い技術を活用すれば、地球の平均気温上昇を産業革命以前の水準から2℃以内に抑えることができます。そのためには、早急に団結して行動を起こす必要があります。

気候変動への緊急対応は、持続可能な開発のための2030アジェンダを構成する17のグローバル目標の一つです。複数の目標を同時に達成するためには、包括的なアプローチが必要不可欠です。

http://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/sdg/post-2015-development-agenda/goal-13.html


また、UNICでは、このゴールがなぜ必要なのか、という視点で以下のように伝えています。

気候変動を放置すれば、何年もかけて達成されてきた開発の前進の多くが台無しになってしまいます。また、すでに見られているように、食料不足や水不足をはじめ、紛争の原因となりかねない現状の脅威もさらに悪化しかねません。
何もしなければ、私たちはすぐに対策を取った場合よりも多くのコストを被ることになります。私たちには、より多くの雇用、より大きな豊かさ、よりよい生活をすべての人にもたらしながら、温室効果ガス排出量を削減し、気候変動に対するレジリエンスを構築する行動を起こすチャンスがあります。  

詳細は以下のURL参照
http://www.unic.or.jp/files/d51327a3150306ca3a77a66ac7b26e4f-2.pdf

具体的なアクションを考えるためには、このゴールのターゲットについても知っておく必要があります。ゴール12に連なるターゲットは以下の5つです。

• 13.1 すべての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)及び適応の能力を強化する。
• 13.2 気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む。
• 13.3 気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。
• 13.a 重要な緩和行動の実施とその実施における透明性確保に関する開発途上国のニーズに対応するため、2020年までにあらゆる供給源から年間1,000億ドルを共同で動員するという、UNFCCCの先進締約国によるコミットメントを実施するとともに、可能な限り速やかに資本を投入して緑の気候基金を本格始動させる。
• 13.b 後発開発途上国及び小島嶼開発途上国において、女性や青年、地方及び社会的に疎外されたコミュニティに焦点を当てることを含め、気候変動関連の効果的な計画策定と管理のための能力を向上するメカニズムを推進する。

 例えば、ターゲット13.2「気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む。」で企業のアクションを考えた場合、環境省が定めた環境経営システム(エコアクション21)に取り組む方法などが考えられます。

 また、ターゲット13.3「気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。」への対応として、災害リスク管理をビジネスモデルと実践に統合し、ビジネスの強靭性を高め、サプライチェーン全体の生計や生産的資産を保護し、サービスの継続性を確保するためにBCP(事業継続計画)を確立するなどが考えられます。特に近年災害が多発する等、災害時の事業の継続性を確保することは企業経営としても重要になっています。

BCP(事業継続計画)とは-中小企業庁
http://www.chusho.meti.go.jp/bcp/contents/level_c/bcpgl_01_1.html
企業防災のページ-内閣府防災担当
http://www.bousai.go.jp/kyoiku/kigyou/index.html
http://www.bousai.go.jp/kyoiku/kigyou/bousai/sk.html

また、防災は個人としての備えも重要です。下記参考資料を一緒に挙げておきます。

わたしの備え。いつものもしも。七日間を生き延びよう。-無印良品
https://www.muji.net/pdf/store/campaign/itsumo_moshimo.pdf
「東京防災」-東京都
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2015/08/20p8l300.htm


 最後に、2018年12月24日時点の国連本部のウェブページ(About the Sustainable Development Goals)に掲載されている17の目標ごとの「事実と数字(Facts and Figures)」のうち、ゴール13に関するものを挙げます。一見、自分自身に直接関係ないようなことであっても、新たな気づきやビジネスの機会になることがありますのでぜひ押さえておいていただきたい数値です。

• 2018年4月現在、175カ国がパリ協定を批准し、168カ国は国連気候変動枠組条約事務局に初回の自国が決定する貢献を伝えています。
• 2018年4月現在、開発途上10カ国は、気候変動対策のための第1次国内適応計画 を完成、提出しています。
• 先進締約国は引き続き、緩和対策のために2020年までに年間1,000億ドルを共同で動員するという目標の達成に向けて前進しています。
• 気候変動に関する政府間パネルの活動により、以下が明らかになっています。
• 1880年から2012年にかけ、地球の平均気温は摂氏0.85度上昇しました。大局的に見ると、平均気温が1度上昇するごとに、穀物の収量は約5%ずつ低下します。1981年から2002年にかけ、トウモロコシや小麦その他の主要作物の収量は全世界で毎年4,000万トンと、大幅な減少を示しています。
• 海水温が上昇し、雪氷の量が減少した結果、海面が上昇しています。1901から2010年にかけて、温暖化で海洋が広がり、氷が融けることで、世界の平均海水面は19センチメートル上昇しました。北極の海氷面積は1979年以来、どの10年間を取っても縮小を続けており、各10年間の縮小幅の平均は107万平方キロメートルに及んでいます。
• 現状における温室効果ガスの濃度と排出の継続を勘案した場合、1850年から1900年の期間を基準とする地球の平均気温上昇は、一つを除くすべてのシナリオで、今世紀末までに摂氏1.5度を上回ると見られています。世界中で海洋の海水温の上昇と氷の融解が続きます。平均海面上昇は2065年までに24~30センチメートル、2100年までに40~63センチメートルに達すると予測されます。排出量の増大が止まったとしても、気候変動のほとんどの影響は、数世紀にわたり持続することになります。
• 全世界の二酸化炭素(CO2)排出量は1990年以来、50%近く増大しています。
• 2000年から2010年にかけての排出量は、直前の30年のどの10年間よりも大幅に増えています。
• 幅広い技術的措置を講じ、行動を変えれば、地球の平均気温上昇を産業革命以前との比較で摂氏2度に抑えることはまだ可能です。
• 大幅な制度的、技術的変革が起きれば、地球温暖化がこの水準を超えない可能性は50%以上に高まります。

 事業規模や企業か個人かによってできることも異なりますが、SDGsの各ゴールやターゲット、現状の数値を知って、そこから具体的なアクションを考えることがSDGsのゴールを達成する上で重要な活動の一つになります。

 みなさんもぜひ自分のできるアクションを考えてみましょう。


資料:
UNDP SDGs
http://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/sustainable-development-goals.html
国連広報センター SDGs を17の目標ごとにわかりやすく紹介したチラシ、SDGs シリーズ「なぜ大切か」
http://www.unic.or.jp/news_press/info/24453/
国連広報センター 持続可能な開発目標(SDGs)ー 事実と数字
http://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/31591/


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