アカデミー賞予想ごっこ2023 完結編
終わってしまいましたねえ、今年もアカデミー賞が!!
今年はそれほど大きな波乱もなく、シンプルに嬉しい場面が多い授賞式になったのではないでしょうか。『エブエブ』の快挙もあり、アジア系が目立つ祭典でもありました。
さてさて、毎年予想ごっこをして遊んでいるアカデミー賞です。
前日どうにか書き上げたバカ長い記事で今年の賞レースの話はだいたい済ませました。それを踏まえて、今年の結果がどうだったか!
第95回アカデミー賞結果
【作品賞】『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
【監督賞】ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
【主演男優賞】ブレンダン・フレイザー『ザ・ホエール』
【主演女優賞】ミシェル・ヨー『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
【助演男優賞】キー・ホイ・クァン『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
【助演女優賞】ジェイミー・リー・カーティス『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
【脚本賞】『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
【脚色賞】『ウーマン・トーキング 私たちの選択』
【撮影賞】『西部戦線異状なし』
【編集賞】『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
【音響賞】『トップガン マーヴェリック』
【美術賞】『西部戦線異状なし』
【衣装デザイン賞】『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』
【メイクアップ&ヘアスタイリング賞】『ザ・ホエール』
【視覚効果賞】『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
【作曲賞】『西部戦線異状なし』
【歌曲賞】「Naatu Naatu」『RRR』
【長編アニメ賞】『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』
【短編アニメ賞】『ぼく モグラ キツネ 馬』
【国際長編映画賞】『西部戦線異状なし』
【短編映画賞】『An Irish Goodbye』
【長編ドキュメンタリー賞】『ナワリヌイ』
【短編ドキュメンタリー賞】『エレファント・ウィスパラー:聖なる象との絆』
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が最多で7部門受賞。ドイツ映画の『西部戦線異状なし』は大健闘の4部門受賞。『ザ・ホエール』が2部門受賞。
最近はわりと分け合う感じで、そんなに1作品に集中しにくかったんですが。とにかく作品賞を取った『エブエブ』が久し振りに強い!
作品賞受賞作品が7部門も取るのは2009年の第81回アカデミー賞以来(『スラムドッグ$ミリオネア』)。演技部門もノミネートしたとこは全部持っていきましたからね。本当に勢いがあって、映画人からも愛された作品になったと思います。
で、私の予想結果。
23部門中16部門的中。当たってると言うほど当たってもないし、外したと言うほど外してもない。普通! って感じの結果になりました。
予想という点では、外した7部門のうち美術賞と作曲賞は今年の私では無理です! まず絶対に選びませんでした。それだけここは『バビロン』が強かったし、『西部戦線』の勢いを見誤りました。
ただ他は反省点で、どれも2択・3択で迷ったとこだったり、直前で変えて外したとこだったり……。「直前で予想を変えた結果外す」は前にもやったことがあって、本当に良くないんですよ! あと見誤ったという意味では『エルヴィス』にもっと勢いがあると感じていたのでそこは残念ながら賞にまでは届きませんでしたね。撮影賞は取って欲しかったなあ。
ともあれ、全ての受賞者の皆さんおめでとうございます。今後も素晴らしい作品を楽しみにしています。
エブエブ7部門受賞!
やっぱりねえ、今年はこれが何よりも快挙で……。2020年に『パラサイト 半地下の家族』が韓国映画ながらアカデミー賞を制した、それもやはりとんでもないことでした。でも『エブエブ』はハリウッド映画なんです。これもまた違ったスゴさではあって、ここ何年かのハリウッドにおけるアジア系の映画人の活動が実を結んで、ハリウッドの中からこういうスゴい映画が生まれて、愛されて、歴史に残る足跡を刻むことが出来た。それがいいんですよ。外側ではなく、ハリウッドの内側からこれが生まれるのはスゴいんです。
『エブエブ』は幾つもの挫折を経て、数多の自分の可能性を幻視して、その上で今、現実の自分自身を最強にする物語。今を選んだ自分だからこその強さ、だからこそ手に入れた幸せを知るお話です。バカなSFカンフーコメディと言うだけでなく、現代を生きる中でとても大切な温かさをくれる映画なのです。だから、ちょっとくらいケツとか大人の玩具とか出ててもいいじゃあないですか。ダニエルズの映画だよ?
ミシェル・ヨーはアジア系で初の主演女優賞獲得。それも60歳ですよ。60歳でバリバリにカンフーをキメて手に入れたオスカーです。
ジェイミー・リー・カーティスも低俗なジャンル映画から女優を始めて、初のオスカーを手に入れました。浮いてましたね、喜びで。そりゃ浮けますよジェイミー・リー・カーティスなんだから。今でもその低俗なジャンル映画で大活躍して、より面白い映画にしようとしていますからね。本当にスゴい人です。
そしてキー・ホイ・クァンも、主演男優賞のブレンダン・フレイザーと同じくカムバックしてのオスカー受賞。フレイザーとはまた事情は違いますが、今この映画がこれだけ賞賛を受けられているのもクァンが映画業界に残って支えてきたからですよ。やっぱり今年のハイライトはプレゼンターのハリソン・フォードと万感の思いで抱き合うキー・ホイ・クァンですよね。それを見守るスピルバーグ。何年前の幻想を見せられてるんだ、と戸惑いつつ、今年はハリソン・フォードも若返ってインディ・ジョーンズをやりますからね。ワケが分かりませんが。こんなことならキー・ホイ・クァンもちょっと出してあげて欲しいな!
アカデミー賞授賞式で生披露されるナートゥ!
メチャクチャよかった……。
いやー、本当に生でできるもんなんですね。すごいぜ。パフォーマンスのフリで「Do you know "Naatu" ?( "ナートゥ" をご存じか?)」って言ってくれてるのも嬉しい。マリア宮殿の背景まで作っちゃって……。
「Naatu Naatu」はインド映画で初めてアカデミー賞にノミネート。そのままオスカーを受賞する素晴らしい結果を残しました。今度は会場のみんなで踊ろうな。
コカイン・ベア、アカデミー賞授賞式に立つ
いろいろな感動とか嬉しい出来事の余韻を持っていくインパクトを勝手に残したのが、視覚効果賞のプレゼンターとして登場したエリザベス・バンクスと彼女が監督を務める大人気映画『コカイン・ベア』の熊。何で!?
『コカイン・ベア』は大量のコカインを吸ってハイになって人を殺して回るクマが主人公の実話に基づいた動物映画です。紅白歌合戦にタローマンが出てるようなもんと言うか、レッドマンが出てるようなもんと言うか。大ハッスルしてて嬉しくなっちゃう。
ここのバンクスとの掛け合いも良くて、ジェスチャーでノミネート作品を表現するコカイン・ベアに「視覚効果だからアバターもバットマンも本物じゃないのよ、でもトム・クルーズが空を飛んだのは本当。そして、ワカンダも本当にありまぁす!!!!」って言って大喝采を受けていました。そう、ワカンダは本当にあるんです!
そんな楽しいシーンもいっぱいの今年のアカデミー賞でした。コカイン・ベアもいつかオスカーもらえるといいな!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?