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妖怪図鑑3:剛鬼

名前だけみると、猛々しい巨大な鬼の姿を想像させるが、小さな原猿類のような妖怪。いつのまにか、臆病な人間の心にとりついている。

とりつかれた人間は、以下のような状態になる。

① 乱暴な言動で、周囲を威圧しようとする。

② 怒りにより、周囲を支配しようとする。

③ 暴力や武術、武器、軍事など、力の象徴を好む。


剛鬼の原動力は、とりついた人間の劣等感である。

他人と比べて劣っていると思うから、優位に立とうと、暴力に頼ろうとする。

本来、最終手段である暴力に頼ることで、一気に逆転を図ろうとするのだ。


しかし、周囲の人々にとっても、最終手段は暴力である。

剛鬼による覇権は、周囲の人が最終手段に訴えるまでのあいだの、他人の優しさに甘えた覇権でしかない。

猛々しい名前の妖怪が、実は、貧相で弱々しいちっぽけな存在であることを知った時、初めて一人で生きる強さを得たといえるのかもしれない。


■退治方法

①自分が憑りつかれた場合

・「私は、この言動でなにを得ようとしているのか?」と目的論で振り返ってみる。

・暴力は、人間相互の約束事を勝手に破っている反則(=弱さ)だと自覚する。

・弱い人間ほど、力に憧れ、強がることを自覚する。


②憑りつかれた人を相手にする場合

・あえて負けてみる。同じ土俵に乗る必要がないことを思い出す。

・弱い人間ほど、力に憧れ、強がることを思い出す。

・「その言動は、なにを得ようとしているのか?」と目的論で推測する。

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タナコフスキー
拙い文章ではありますが、お読みいただき感謝いたします。 僅かでもなにかお持ち帰りいただけたら嬉しく思います。