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妖怪図鑑2:ケチツキ

気がつくと、誰かの悪口を言っていることはないだろうか。

友達やクラスメート、テレビの芸能人やアイドルに、いちいちケチをつける。

批判したがる。評論したがる。言わずにはいられない。


妖怪ケチツキは、自分が満たされていない心にとりつく。

そして、いろんなものにケチをつけて、その価値を下げようとする。

相手の価値が下がれば、相対的に自分の価値は高まる。

そして、満たされない心は、満たされる。


しかし、あくまでも勝手にケチをつけて満たされた心。

すぐに空虚に包まれ、そこから逃げ出そうと、またまたケチをつける。

「あいつ、自慢話ばかりするよな」

「あんな音楽が好きだなんて、かっこわるい」

そして、かりそめの玉座に身をゆだね、ホッと安堵のため息をつく。

気がついたときには、もう遅い。

ケチツキの生み出した呪縛にとらえられ、抜け出せなくなってしまうのだ。


たとえば、顔や身体がキレイな人がいれば、性格や能力にケチをつける。

お金持ちや有名人には、「本当の幸せ」「自由」とやらでケチをつける。

能力や技術の高い人に対しては、身体的特徴や趣味を笑ってみる。

どんなにすごい人がいても、性格やセンス、持ち物、身体的特徴など、ありとあらゆる場所からケチをつけようとする。

自分自身からは目をそらしつづけて。


それがケチツキの吐く毒が、猛毒だと語り継がれる理由でもある。

ただし、その毒は、自身の成長を妨げる害毒なのだ。


ケチツキの正体。

それは、自分の姿が、まるで鏡のように他者に投影されたものなのだ。



■退治方法

・他人の弱点に見えることが、実は自分の弱点の裏返しだと知る。

・他人の話題は、口にしないように意識する。



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タナコフスキー
拙い文章ではありますが、お読みいただき感謝いたします。 僅かでもなにかお持ち帰りいただけたら嬉しく思います。