3ワード小説「海、幽霊、ソーダ」
「今年はどこに行こっかー」
茹だるような夏の日差しを一身に受け止めてくれるテラス席のパラソルはジリジリと音を立てるかの如く下にいる僕らのアイスコーヒーの氷を溶かしていた。
記録的猛暑が続き毎日天気予報が赤く日本を染めていて、外でスマホをいじろうものならすぐに熱暴走で操作不能になるような夏。
ガラスの向こうの涼しいテーブルを羨ましげに眺めながら彼女の計画にうんうんと相槌を打っていた。
こんな暑さなのだ、山に行こうが海に行こうが暑いのは変わらないので僕としてはクーラーの効いたとこ