仮想敵、あるいはサンドバッグとしての「おっさん」概念を憂いる
ネット上において最も軽視される属性とは何か。人によって思い浮かぶ答えは異なるでしょうが、俺としては「おっさん」ではないかと思っています。
社会問題を語る上での仮想敵であったり、「気持ち悪い」から「叩いていい」、いわば体のいいサンドバッグとしての存在であったり。
(これは人々を善なる『若者』と悪しき『老害』に分断する構図にも通じるでしょう)
俺は「おっさん」あるいは「『おっさん世代』の人々」を社会問題における諸悪の根源、打倒すべき対象のように見なす考え方には賛同できません。
そうした考え方こそが世代間の分断や、若年男性が「おっさん」になることへの恐怖を生み出してしまっているのではないかと思います。
また所謂バ美肉ブームはおっさん属性のネガティブ性を払拭しうるものではありますが、それらも結局のところ「おっさん」の姿を見たくない(『おっさん』のままよりは美少女のほうがいいに決まっている)というある種の大衆心理に由来すると思うと暗澹たる心情があります。
若年男性が「おっさん」になることを恐れなくてよい、「おっさん」である・「おっさん」になるということが否定的な目で受け止められない社会というのは夢物語でしかないのかもしれませんが、それでもそのような時代が訪れることを願うばかりです。
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