『押入れ』
締切から逃れるようにして訪れた旅館だった。他は満室だからと通されたのは純和風の品のいい部屋。一通りの説明を受け、ここなら落ち着いて執筆できそうだと気を良くしていると、最後に仲居が「あの、そちらの押入れだけは絶対に使わないでくださいね」と告げ、そそくさと退散していった。
締切から逃れるようにして訪れた旅館だった。他は満室だからと通されたのは純和風の品のいい部屋。一通りの説明を受け、ここなら落ち着いて執筆できそうだと気を良くしていると、最後に仲居が「あの、そちらの押入れだけは絶対に使わないでくださいね」と告げ、そそくさと退散していった。
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