東京探索記 5 北区平塚神社
旧古河庭園の秋バラ&紅葉を観た同じ日にすぐ近くの平塚神社、そして西ヶ原あたりも歩いてきたのでそのときの様子を紹介します。
平塚神社
JR京浜東北線上中里駅から蝉坂(せみざか)をのぼったところに建つ平塚神社。戦国時代には豊島氏の平塚城があったとされる場所です。蝉坂の名の由来に「攻め坂」から転訛したという説もあるので、城が存在したころからあった坂なのでしょう。その平塚城は日暮里崖線の海食崖の上に建ち、崖下の東からの攻撃に対しては守りやすく、本郷通りのある尾根道にはにらみを利かすことができ、城(または砦)をおくには適した立地だったのでしょう。
銀杏の黄葉のさかりはすぎましたが、それでも境内にはたくさんの黄色い葉で絨毯ができていました。お手伝いの子どもたちが落ち葉を集めていました。
平塚亭
和菓子の平塚亭は平塚神社の境内脇にあります。ここに寄った理由は2時間サスペンスドラマのロケ地としてよく見るので。この日は初めて和菓子を買ってみました(と言っても買ったのは同行の家内ですが)。
店内にはいってみると、ロケの時と思われる写真が張り出されています。これは浅見光彦シリーズですね。中村俊介さんと野際陽子さんの写真が数枚。原作者内田康夫さんのサイン色紙もありました。どのシリーズの時にここでロケしたのでしょうね?実は目当ては伊東四朗主演、羽田美智子共演の「おかしな刑事」シリーズの写真とかないのかなって。毎回、店の裏の神社境内にテーブルを出して、伊東四朗扮する老刑事と羽田美智子扮する警察庁のエリートがそこにすわておいしそうに団子(みたらしだったかな?)を食べながら勝手に捜査会議しているんですよね。
でも写真はなかったです、代わりにサイン色紙はありました。
熊野坂
熊野坂とは東京では珍しい坂名です。熊野神社があるから熊野坂、でも今はその熊野神社はないそうです。名づけられたのはきっとまだ神社があった江戸の昔なのでしょう。
坂途中に境界石がありました。境界石、土地の所有の境界点を表す印です。いまは金属の杭みたいなものがアスファルト地面に打ち込まれているのをよく見かけますが、昔は石を切り出して境界石という四角柱状の形にして地面に打ち込んでいたのですね。
さて近づき、アップで。。。表面に文字かマークはあるのですが、読み取りにくい。なんとなく、フジサンケイグループの一つ目のまわりにまつ毛がいっぱいついているような形に見えます。そうだとすれば、東京市電氣局の土地だったことになります。でもこの細い坂道を路面電車(東京市電、戦後都電)が走っていたとは思えない。ここで昔の地図を見ると、坂を上りきったところの本郷通りには路面電車が走っていました。これがなにか関係しているのでは?
さらに昔の地図だとこの境界石のある背後は大きな空き地になっています。でも戦前の微妙な時期。地図が国家レベルの機密情報だった時代。敵国に重要施設(インフラ設備、軍事施設など)の情報を見せないため地図に表現しない時代だったから、ここに市電に電力を供給する変電所のような施設があった可能性はありますね。。。
とりあえず推察はここまで、先を急ぎましょう。
七社神社
熊野坂を上りきり、本郷通りを渡るとその先に七社神社が見えてきます。表通りからすぐのところに大きなコンクリート製の鳥居があります。地元でも大きな神社のようです。大鳥居をくぐるともう表通りの喧騒は聞こえてこず、門前の住宅地になります。
さて境内前の鳥居に近づくともう茅の輪がしつらえられています。早いんですね。
名前の由来は伊勢、春日、八幡他4明神、合計7社を祭っていることから七社と名付けられたとか。さらに境内には菅原、三峯、稲荷、熊野、疱瘡の各末社もあり、まさに神社の百貨店。ここを訪れればたいがいの願いはきいてもらえるというありがたい社でした。昔の人にとっても1ヶ所の訪問でいろいろなご利益をもらえるのでうれしいですよね。。。もちろんその分お賽銭も多額となったことでしょう。
冬の日は短く、七社神社を出るころにはもう日暮れの気配。
さて、このあとは飛鳥山を横断して王子駅へ。