【総論19 通則法の遡及適用について】


後輩 「法例が改正され通則法になったと思いますが、遡及適用はされるのですか」

通則法は、平成19年1月1日に施行されましたが、それ以前に生じた事項も、いくつかの例外を除き、原則として通則法を適用するものとしています。 戸籍事務に関係する親族・相続関係は、原則遡及適用されます。
ところで、 平成元年に法例は改正され、 同改正法は、 その附則において、「この法律の施行前に生じた事項については、なお従前の例による。」 とされています (平成元年法律第27号附則2項本文)。
法例の通則法への全面改正に伴い、上記附則は改廃されていないため、現在も生きていることになります。 そのため、上記附則本文から、 通則法の遡及適用は、改正法例施行日である平成2年1月1日までの範囲に留まり、 それ以前に生じた事項は、平成元年改正前の法例の規定が適用されますので注意が必要です。

【参考文献】
設題解説渉外戸籍実務の処理 Ⅰ 総論 通則編 57頁

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