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【台本】夏の暑い日に【VOICEROID劇場】
影演出、セミSE、太陽光
「お待たせしました、マスター、ご要望の品を買ってきました」
ペットボトル渡す
歩き出す、音ずらして二重
「それにしても今日は暑いですね」
「気象庁の予報では、昼間は気温が30度を下回ることはないそうですよ」
「現在の正確な気温を知りたいのであればお調べしますが」
「ええ知らない方がいいかもしれませんね」
「かく言う私も排熱処理が追いついてなくて、電子頭脳に若干の負荷がかかっています」
「その割には涼しそうな顔ですか?」
「それはまぁアンドロイドですから。汗をかくことはありませんし、気温が高いからといって苦悶に満ちた表情をする必要もありません」
「そう羨ましそうな目で見られても困ります」
「お望みであれば辛そうな表情に切り替えることもできますが」
「えぇ根本的な解決にはなりません」
「おっ、この先の信号を越えたらようやく目的地ですね」
交差点赤信号、ズームアウト
「あらら、タイミング悪く赤信号ですか」
数秒空けて進もうとする
「マスター、車が来てないとはいえ信号無視はいけませんよ」
「たしかにこんな暑い日は一刻も早く目的地に行きたいことでしょう」
「しかし残念なことにマスターの隣にはロボット三原則を搭載したアンドロイドがいます」
「第一条。ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない」
「もちろん信号無視は危険を看過することに該当します」
「もしかしてマスター、普段からやってたりしませんよね?」
信号機画面外へ
「自動運転車が主流になったとはいえ、未だに自分で運転する人や、自動運転機能が付いてない古いガソリン車に乗る変わった人だっているんですよ」
信号切り替え、SE追加
「あっ、マスター、話はまだ終わってませんよ~」
「はいどうぞ、マスター」
「ベリーベリーストロベリーにキャラメルリボンとクッキーアンドクリームのトリプルワッフルコーンですよ」
「それでわざわざ暑い中、歩いてきて食べるアイスクリームの味はいかがですか?」
「そんなにアイスが食べたいのでしたらドローン配達にでも任せれば、自宅でも食べられるでしょうに」
「これが乙なもの、って言われましても」
「どうせ食べるなら炎天下のもとよりも、エアコンが効いた部屋の方がいいと思いますが」
「うーん、アンドロイドの私にはそのような感性を理解するのは難しいですね」
「ちなみにマスター耳が痛い話だとは思いますが、このアイス一つで摂取カロリーがとんでもないことになっています」
「帰り道は大回りしつつ、スーパーで買い物に付き合ってもらいましょうか」
「せっかくですし、マスターにも荷物を持ってもらいましょうかね」