京成杯(GⅢ)・各馬評価

(1/18追記)すみません、キングオブドラゴンだけ、コメントが何か別の馬と変わっていたようです。修正しております。

フェアリーS、またワイドだけ…。

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正直スマイルカナを楽に逃がしてしまった時点で各陣営勝負あったって感じですね。ラップ見れば分かりますが、ひいらぎ賞とほぼ同じラップ推移で、4角から直線に入る所で一気に加速して後ろを離す⇒そのまま押し切るという競馬をしています。

スロー逃げではないにしても、別段そこまでペースが速いわけでもありませんから、田辺も大野も何考えて乗っていたんですかね…。今に始まったことではないですが、ただでさえ関東の騎手は戸崎・三浦が脱落したりして人材が減っているのに、、、悲しくなります。

というわけで早速、怒りの京成杯の各馬評価です。

例年の傾向

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過去12年分を見ると、5F通過が60秒~63秒と平均からスローになりやすいレースです。ただ、相当なスローにならない限り、逃げ~先行よりも差し~追込みが優位で、これは後半に12秒台前半~11秒台のラップが3F以上続くことが多いため、先行勢は持続力、後続はサッと前を捉えるための瞬発力+持続力が問われるためです。

で、今年は?

出走馬が決定してからですが、テンが速いのはカップッチョ、ヒュッゲ。ロールオブサンダーはこの2頭よりはテンが遅いので逃げられないのでは?と思われます。無理に行こうとすれば、前半で消耗することも考えられますし。枠次第でしょう。

各馬評価


ウインカーネリアン

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言わずと知れた新馬ワーケア組の番頭格…ですが、その割にはあまり良い結果が得られていない気がします。まぁ先行勢ですからね、、この中では一番楽な競馬をしています。

勝った未勝利戦では3~4番手を先行し、1,000mを通過した辺りから徐々に押し上げていき、4角過ぎで先頭に立ちそのまま押し切りました。この時の個別ラップは11.7-12.3-11.8(実測値)。

芙蓉Sでは逃げの競馬を選択しましたが、オーソリティにあっさりと負けてしまいます。で、この時の個別ラップは11.4-11.2-12.0と、、逃げたとは言え、このドスローで11秒台を2F続けるだけで減速するのはちょっと微妙なところ。上記の通り、京成杯はとにかく持続力が問われます。

ヴィアメント

新馬戦から未勝利勝ちまでに3戦を要しましたが、脱出した4戦目は不良馬場でのもので、前にいないとお話にならない状態だったことを考えると微妙です。実際、接戦だった2着馬ヴィクターバローズは次走でゼノヴァースに1秒も負けてしまいます。

また、これまでに負かされた相手も微妙で、2戦目はともかく、初戦のレッドレビンやプモリテソーロは未勝利勝ちしていませんし、スペースシップも相手が弱化しての未勝利戦連続2着好走(エカテリンブルクも1勝クラス4着とだらしないですが、スロー瞬発力勝負で後方だったためなので、大目に見るとしても)。3戦目のラグビーボーイはホープフルS10着大敗。

これだけ上位が凡走しているレースでばかり好走しているのでは、ここで強い競馬が出来るかと言われれば疑問。

カップッチョ、キムケンドリーム、コスモスタック

昇級してから全く見せ場のない競馬が続いています。ここでも強調出来るような見せ場のあるレースもないですし、消し評価。

キングオブドラゴン

新馬で負かした3、4着馬はこれと言った実績はなく、未勝利戦で接戦だったトーセンワンダーも未勝利戦で善戦はするものの、イマイチパンチに欠ける。ペースは流れた判定だが、開幕週にも関わらず、時計が遅いのも気になるところ。買っても押さえまで。

クリスタルブラック

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新馬戦はスタート直後から13秒台が800mも続いた酷いドスローの極みです。。こんなレースして後にどうつながるんでしょうかね…。

12月後半の新馬戦ということもあり、相手関係から実力を測ることもしづらく、次走芝を使ったのは5着のネオマティリアルのみですが、案の定凡走しました。個別ラップは上がり34.7秒で11.8-12.3-10.6で推移していますが、ラップが酷すぎるので、何の参考にもならないです。

分からないので押さえる、という程度でしょうか。

スカイグルーヴ

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ルーツドール、アヌラーダブラと評判が高かった馬たちが先週悉く飛びましたので、流石に疑う人が増えそうですね。まぁ2頭とも京都・中山の馬場状態に泣かされた感が否めませんが。。。

スカイグルーヴはエアグルーヴ一族の1頭。新馬戦は押し出されるような形で逃げましたが、1分2秒のスローとは言え、上がり3Fを11.8-11.2-11.1と加速ラップでまとめ、2着以下に0.9秒差で圧勝しました。

ストライドが大きいので、マイルよりは中距離向きだと思いますが、どうせ出るならスプリングSみたく、持続力とスピードが問われるレースにすればよかったのに、よりにもよって、何で持続力がものすごく問われる京成杯にしたの?という印象。

ゼノヴァース

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ホープフルSに登録がありましたが、回避しての参戦。もしかしたら通用したかもなという逸材なんですけどね。

新馬戦も未勝利戦も平凡で、それなりに速い上がりは出せるものの、新馬であればトウケイタンホイザ、2戦目はソフトフルートの方が前で競馬して速い上がりが出せています。ここから考えるに、あまり控えて良い馬でないことが窺えます。

で、一変するのが3戦目。流れるペースの中、これまでとは違い先行しての競馬をしたところ、上がり最速で押し切りました。
後半4Fの個別ラップは11.9-11.5-12.3-11.7で、コーナーで一度息を入れて(割と大外回ったので、膨らんでのロスもあり)、再び11秒台で加速したという構成です。

5回中山開催の5日目で馬場が傷み始めた頃ではありますが、まだ時計は良い方。ただ、それを加味してもこの時計なら京成杯勝てるというレベルです。(先行馬ですから、もちろん時計は信頼出来ますし)

懸念点としては、コーナーでのラップの緩み方。出来れば内枠に入ってタイトに回りたいところですね。
(後述しますが、ヒュッゲはコーナーでの加速が上手いので、逃げられると厄介です)

チュウワジョーダン

相手関係から消し対象です。新馬戦で負かされた相手は次走以降全く通用していませんし、未勝利戦も2着のシングンバズーカでようやく未勝利脱出レベル。その中でこの馬だけ重賞を勝てるレベルかと言われると…

ディアスティマ

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新馬戦では珍しく1,000m通過1分のミドルペースで流れたレースながら、残り600m地点で12秒台から11秒台前半へと一気のギアチェンジ能力も問われるレースになりました。
これを逃げながらやってのけたのが朝日杯FSで人気薄大激走したグランレイ。そして2番手からこれに対応し、なおかつ上がり3Fで0.6秒差をつけたのがディアスティマで、この馬のポテンシャルは高いと推測されます。

この時の2着馬も年明けに未勝利を脱出していて、新馬戦の上位のレースレベルの高さがうかがえます。

エリカ賞はあわや馬券外になりそうなところを何とか最後に加速して凌いだ形になりましたが、レースを見る限りこの馬はコーナーでの加速が苦手な可能性があります。

新馬戦ではそれ程加速せず、12秒台でコーナーを曲がったので特に気にはなりませんでしたが、エリカ賞では逃げたヒュッゲが11秒台でそのままコーナーに入って減速せずに曲がっているので、追いかけるパンサラッサ以外の後続がコーナー進入前よりも置かれる形になりました。

もちろん、鞍上がゆっくりコーナーを曲がろうとしたという判断ミスの可能性もありますが、追ってはいますからね。今回は北村友一が騎乗停止なので、誰になるかなと思ったら…え、シュタルケ?
…しっかり乗って欲しいですね。

ヒュッゲ

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未勝利、エリカ賞と連戦連勝。1戦目はスローに付き合った上に、上がりの脚も大して使えないために、後方で成す術なく崩れた形でした。

それを受けて2戦目では陣営の指示により逃げを打ちましたが、これが見事にハマり、逃げながら上がり1位の脚で2着以下を1.1秒離す快勝でした。初戦を見る限り上がりの脚が全くないので、タイトなペースに持ち込んで、後ろの脚を削ぐ戦法が武器のようです。

また、エリカ賞ではドスロー逃げ切りになりましたが、特筆すべきはコーナーリングの上手さで、ラップを見る限りほぼ減速していません。これが、4角で3番手以下を突き離す形になりました。中山も当然コーナーリングが重要になってきますから、逃げると怖い1頭と言えます。

ビターエンダー

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新馬戦は巷で噂のフローズンスタイル組。後方からの競馬でスローの瞬発力勝負になりましたが、それでも後方から追い込んでの3着と健闘しました。

未勝利戦は、前半1,000mのペースはそこまで速くありませんが、後半は12秒台前半~11秒台後半をずっと推移するロングスパート型のレースで、残り800mで12.6-12.4-11.2-11.2というラップ推移で走っています。最後まで止まっていないのが、最後に突き離した理由で、時計がかかる今の中山でどうかも、まともなら京成杯でも通用しそう。

余談になりますが、ハイレベルレースだからってなんでもかんでも狙う人を見ると、流石にそれは・・・って思います。フローズンスタイルなんて、速いラップが続く、持続力が問われるレースではダメっていうのを露呈してしまいましたからね…皐月賞とか絶対狙えない。ハイレベルレースの話については、どこかでコラム書きたいなと思っています。

フルフラット、リメンバーメモリー

フルフラットはローテーションに意志が感じられないというか、とりあえず出しとけ感が酷い。結果も出ていない。リメンバーメモリーはエリカ賞でディアスティマより後ろにいて、ディアスティマとほぼ上がりの脚が変わらない時点で、ここでの通用はなさそうです。

ロールオブサンダー

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ここまで3戦2勝、重賞でも3着に入り、逃げてしぶとい競馬で頭角を現しています。

ただ、これまで一線級とは戦っていないし(京都2歳Sの上位2頭の実力にも疑問が残るので)、紫菊賞は稍重とは言え1,000m通過63秒前後のペースでは前が残っても不思議ではない状況でした。

初めてまともなタイムで逃げた京都2歳Sでは、直線に入ってすぐ並ばれてなす術なく崩れており、実績程の信頼には足らない印象。ちなみに京都2歳Sの個別ラップは、12.0-12.8-12.5という推移。2F目はコーナーを曲がっていた分もあっての減速ですが、いずれにしても完全にバテています。

京成杯ではさらに最後に急坂が待っていますし、よっぽどのスローに落とし込まない限り(逃げ先行馬多いので、厳しそうですが)、ちょっと厳しそうな気もします。一応の実績から押さえまでかなという評価です。

ワスカランテソーロ

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ドナキアーロ新馬組。ワーケア、ショコラブリアン、フローズンスタイル組に比べるとあまり注目されていませんが、この新馬組も優秀で2、5、6着馬が未勝利脱出済。その内2頭は昇級しても好走、特にヴァルナは京王杯2歳S3着に入っています。

で、ワスカランテソーロですが、その後の未勝利戦でも、やや勝ち切れない面はあるものの、上位馬はどれも未勝利クラスでは上位だった馬ばかりですし、何よりこの馬にとって展開が向いていない(スローペースで大外ぶん回しての差し、ミドル・ハイペースで先行)中でも、好走し続け、勝ち切った点は特筆すべき点です。勝ち切れない馬というのは、展開が向いてもなお勝てないことが多いので。。

この馬も上がりの脚はそこまで速くはなく、どちらかというと持続力タイプ。勝った未勝利戦の個別ラップは3Fを12.8-12.3-12.0で推移しており、キツイペースの中で加速ラップで走り切っています。※新潟コースなので、ストップウォッチでの手動計測にやや難あり、、とは言え、中盤ちょっと緩んでることもあり、極端な減速もないので、バテてはいなかったと言えます。

人気薄でも先行すれば怖い1頭と言えます。

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