第68回 ラジオNIKKEI賞(GⅢ)・展望

東京・阪神開催が終わり、いよいよ本格的な夏競馬の到来です。

まずは福島夏の風物詩、3歳限定重賞戦、別名「残念ダービー」とも言われるラジオNIKKEI賞。まだまだ春に把握していた相手関係や馬の特徴が有効な今のうちに、ここでボロ儲けしたいところです。

例年の傾向

開幕週で全体的に時計が速く、1,000m通過60秒台前半~59秒台で推移。それでも開幕週で馬場が良いこともあり、先行勢が強い。

過去10年(2008~2018年 ※中山開催となった2011年除く)で馬券内30頭中11頭が先行、次いで差しが9頭、逃げ3頭、追込7頭という比率。積極的に先行勢を狙っていきたいところ。

またハンデ戦ではあるが、昨年メイショウテッコンが斤量56.0kgで2kg軽いフィエールマンに先着(騎手のヘグリにも助けられたが)しており、実力通りに決まりやすい。ただし、逃げ・先行馬ほど軽斤量の恩恵を受ける傾向にはある。

で、今年は?

21頭が登録し、1勝クラス(500万下)の5頭が除外対象に。2勝クラス以上の全馬が出られる。

今回もランスオブプラーナがハナを切り、それをダディーズマインド、ヒシイグアス、サヴォワールエメ、ブレイブメジャー、ディキシーナイト、レッドアネモスら先行勢が追いかける形(というか先行勢多すぎ)。

ダディーズマインドはダービーの話で記載した通り、目茶苦茶スタートが速いので、枠が外でない限りはすんなりと良い位置がとれそう。

松山騎手としては前走でランスオブプラーナの限界を知ったはずなので、あまりガンガン行きたくはないハズ。ただ、先行勢が多いのでせっつかれて行かざるを得ないでしょう。特にダディーズマインドはランスオブプラーナよりはるかに高いハイペース適性を持っているので、宮崎騎手は自信を持って行って欲しい。

各馬評価

今週厄介なのが雨予報。開幕週とは言え、どれだけ降るかによってちょっと予想を柔軟にカスタマイズしていかないといけないところでしょう。

アドマイヤスコール  斤量54.0 評価:消

初戦でレーヴドカナロアに負けたように、この馬ははっきり言って強くない。セントポーリア賞はずっとレベルが低いと言っていてその通りだったし、水仙賞は前が潰れて後ろが有利になった展開利の恩恵を受けただけ。だからこそ青葉賞は余裕のぶった切り。

今回は青葉賞で先行して負けたことから恐らく後ろからいくと思うが、これまでスローかハイペースで前が潰れた時しか来ていないので、強い先行勢がいるレースでは差せずに終わる可能性が高いと見る。

インテンスライト 斤量54.0kg 評価:△~消

この馬は表を作っていません。低レベルレース、セントポーリア賞ではドスローで展開が向いたにも関わらず、後続にキレ負け。レベルがかなり落ちた500万下でクソスローマイル戦で先行前残り1着。プリンシパルはトップスピード戦となり、先行したエングレーバーとわずか0.1秒差とキレ負け。

とまぁ、印は打てど、相手関係に恵まれ過ぎて勝ち上がったので、特に強いとも思ったことがない。

ただ、個人的な話で恐縮ですが、最近菊沢に変な馬を馬券内に持ってこられて馬券が外れることが多いので、一応押さえようかと。

ウインゼノビア 斤量 53.0kg 評価:△~消

アルテミスSで先行して4着に粘ったので、まあまあ強いかと評価していたが以降がてんでダメ。フローラSもオークスも展開利が働く位置にいながら負けており、何とも。。

スクリーンヒーロー産駒なので、基礎スピードよりもバテバテの展開で前で粘れるタイプ(但し距離に限界あり)ということかもしれない。

ただ、夏馬の可能性も残っており、調子を上げてきていて松岡騎手がこれは良いと評価していれば押さえる・・・かも。

ギルマ 斤量 53.0kg 評価:△

相手が強くても弱くてもそれなりの順位にくる善戦マン。えてしてこういうタイプは一気に相手が強化されると沈没する。

ただ、この馬が特筆すべきはミドル~ハイペースの経験豊富さ。ミドル、ハイペースの中で先行して上位に残っており、この経験は侮れない。軽量恩恵にあやかって上位に食い込む可能性があり要警戒。

ゴータイミング 斤量 53.0kg 評価:消

この馬も表を作っていません。先日、人の軸をわけ分からん騎乗で飛ばしやがった武豊が乗るというのもあるのですが、そもそも強いの?という印象。

初戦こそサトノルークスやマイネルウィルトスに競り勝ってはいるが、東スポ杯はボロ負け、シンザン記念ではミヤケに先着される、勝った500万下はド本命馬が競争除外になったおかげで勝てたようなもの。

調教師の談話で「いくらスローとはいえ、阪神で上がり3F32秒台は簡単に出せるものではない」とありますが、「いくらスローとはいえ、マイルで1,000m通過1分2秒とか2,400mでも走っているんですか?そんなスローで1600mしか走らないんだからそりゃ32秒台出せるわ」と言い返したい。

差し馬を追えない武豊騎乗で後ろから、開幕週、到底展開が向くとは思えない。

サヴォワールエメ 斤量 51.0kg 評価:消

前々走は逃げる馬もいないし、後ろからではなかなか差せない馬場の恩恵。前走は展開利が向くも先行勢にまとめて先着される。未勝利勝ちの馬にすら抜かれ、ヒルノダカールにも先着されては、あまり評価出来ない。ダイワメジャーだし、時計が速いとダメなタイプかも。

ダディーズマインド 斤量 54.0kg 評価:◎候補

皐月賞後、どこにいくのかと思っていたらラジオNIKKEI賞に行くとの報を受けて以来、ず~~~~~~~~~~~~~~っと本命と考えていた馬。

皐月賞でこの馬は以下のように評価。

この馬の特徴は叩いて良くなることと、タフなレースが得意なこと。
6月に未勝利を勝った後、約2ヶ月ぶりとなった札幌2歳Sは9着、紫菊賞で4着とパッとしなかったが、現3歳世代のハイレベルレースの1つ、きんもくせい特別では先行して3着に粘っている。
年明け初戦も+28kgと大変なおデブになって帰ってきたが、水仙賞は2,200mという距離ながら1,000m59.5秒とかなりのハイラップ。これで先行しながら1着とは0.5秒差なのだから立派(相手が弱いっちゃ弱いんだけど)だし、次走でスローに落とし込んで1着になるのも納得。

皐月賞ではちょっとだけ買いましたが、4角抜けて一瞬先頭に出た時はちょっとドキドキするくらい見せ場があった。1着馬との着差は1.1秒だが、アドマイヤマーズとは0.7秒差。最後方待機で展開が最も向いたタガノディアマンテとは0.3秒差。ハイペースで先行して追込馬とわずかこの差なら、相当に強い。テンも速いし、枠に関わらず確実に先行出来るだろう。

ちなみに皐月賞見て「強い」と思った方もいるようですが、きんもくせい特別から目をつけてたし、水仙賞のラップ見れば見抜けますから!!!!!!(マウント取りたい古参ファン的コメント・・・)

残る心配は、叩き良化型なだけに、水仙賞のようにおデブになっていないかだけ。。。

ディキシーナイト 斤量 56.0kg 評価:◎候補

スプリングSで目線をくれた彼が帰って来る!登録があった時はうれしくなりましたね。というわけで、ダディーズマインドとのダブル◎でいこうかと画策中。

スプリングSの展望では以下のように評価していました。

この馬の面白いところは中距離からマイルの速いペースまであらゆる状況に対応している点。

高レベルレースのきんもくせい特別では、ダノンチェイサーやダディーズマインドと共に先行して4着に粘っているし、ジュニアカップではオトナノジジョウによるタイトなペースの逃げにも対応して先行して3着。クロッカスSではルガールカルムをやドゴールら素質馬を抑えての1着。

スローだとかなり速い上がりが使えることから、ペースが流れるよりはスローの方が良いと思われる。ただし、粘り強さはかなりのもの。

スプリングSでは粘り強さを評価しての◎でしたが、その期待通りに先行して3着に粘ってくれました。今回斤量は他の馬よりも少し背負わされますが、ランスオブプラーナよりはマシだし、軽斤量でもそこまで警戒するような実力馬はおらず、中山よりも坂が平坦気味な福島ならより粘りも増すハズ。上位人気にはなるでしょうが、致し方なし。

ヒシイグアス 斤量 54.0kg 評価:△

前走スプリングSでは危険な人気馬指名で馬券外吹っ飛び。ただ、思ったよりは粘ったなという印象。もっと大凡走すると思ったので、スプリングSを受けて多少評価を見直す馬。

この馬はスプリングS前に以下のように評価。

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新馬戦から若竹賞まで、すべてスローペース前残りで上位に。相手もそこまで強くない中での恵まれた好走。

初戦はラストドラフトの2着とは言え、ラストドラフトは前走でメッキが剥がれたように、京成杯スロー前残り恩恵を受けた馬で大した実力はない。若竹賞は特段強い馬もいないし、半分は牝馬の一線級でもない馬が出走。レースレベルは未勝利戦に毛が生えたようなもの。

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スローペース前残りでしか戦ってきていないことを考えれば、スプリングSは意外な好走というところだが、皐月賞で大敗するクリノガウディーが6着に粘っていることを考えれば、タフさではダディーズマインドの方が上。押さえまで。

ヒルノダカール 斤量 53.0kg  評価:消

勝ち上がった500万下戦は現世代の中でも屈指の低レベルレース。

白百合もレッドアネモスとモズベッロ以外は大したことがないレベルで4着。「前が詰まって…」というのが敗因とは言え、まともに走ったとしても交わせたとすればせいぜい3着馬くらいだろう。今回はもっと強い相手がゴロゴロいるわけで、流石にこの中で上位に入るのは難しい。

ブレイキングドーン 斤量 55.0kg 評価:消

出走馬の中ではランスオブプラーナに次いで重賞経験が豊富な馬だが、何でこう向かなさそうなレース選択するのかなという印象。

この馬は京都新聞杯で以下のように評価。

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京都2歳S、ホープフルS、弥生賞の3戦でこの馬の基礎スピードのなさが浮き彫りになったように、とかくこの馬はスピードがない。

このレースではテンの速さがあまり求められないので、追走には苦労しないと思われるが、それでもここで本命に出来る程鉄板の実力があるとは思えないし、人気なら逆に嫌いたい。

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今回先行勢にスピードの速い馬が多いし、そう簡単には垂れないと思われるので、後ろから捲るのも一苦労しそうで、人気なら嫌いたいレベル。

ブレイブメジャー 斤量 54.0kg  評価:△

これまで3戦して2勝をあげているが、ろくなレベルの馬と戦っておらず、どれだけやれるかは未知数。

前走はある程度ペースが流れた中で勝ったが、東京の前行かないとダメな詐欺みたいな馬場だったので参考にならない。押さえまで。

ポルーニン 斤量 53.0kg 評価:△

未勝利戦の戦いっぷりを見ると、ペースが流れれば後方待機、ペースがスローなら前で、と展開によって位置取りを変えてレースをしないとダメなタイプ。流れたペースで位置を取りに行くと崩れているのがその証左。

前走はユナカイトやサトノフォース、ヘイワノツカイら有力馬をまとめて差し切っての勝利は鮮やかだったので、一応押さえ。

マイネルサーパス 斤量 54.0kg 評価:▲

ようやく適性のある小回りに登場。ただ開幕週でどれだけ捲っていけるかがカギ。強敵相手に戦ってきた経験が活きるか。

ダービーでは以下のように評価。

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レッドアネモス新馬組で、スイープセレリタスやヴィッテルスバッハ、サトノエルドールらとも戦っており、素質はそれなりに高い。

きんもくせい特別でダノンチェイサーやダディーズマインドを差し切ったように、本来中山や福島といった小回りコースが得意で、逆に東京コースは不向きな馬。

前走でせめて鞍上が先行策をとるなど、ダービー、いや今後を見据えた騎乗をしてくれればまた話は変わっただろうが、何の工夫もない中団からの差しでは狙えない。

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松岡正海とかもう少し積極的に動ける騎手に変わって欲しいところだが、今回は柴田。この騎手も馬鹿の一つ覚え的な戦法が多いので、果たしてどう乗って来るやら…でも、小回り適性の高さは確かなので、評価は高め。

ランスオブプラーナ 斤量 57.0kg 評価:△△

前走は皐月賞で大敗。元々マイルの馬だっただけに、これまでより1,000m通過1秒以上速いペースで逃げればそりゃ沈没する。

今回は開幕週で馬場も良いだろうから、前回よりもう少し緩いペースで逃げられるとは思うが、先行勢が非常に多いので後ろからせっつかれた場合にどうなるか分からないし、斤量も最も背負わされるのは逃げ馬にとってはマイナス材料。重視はするが本命にはできない…。

レッドアネモス 斤量 54.0kg 評価:☆

このnoteでは何度も取り上げている新馬戦ハイレベルだった馬ですが、阪神JF以降の走りで基礎スピードのなさが露呈。にも関わらず何度も短距離戦に出走させるアホ陣営。。

フィリーズR後、スイートピーSに出走してようやく待望の距離延長。ただ溜め逃げし過ぎてギアチェンジ&トップスピード戦に。次走の白百合Sでようやく念願のOP入りを果たす。

サヴォワールエメやヒルノダカールの評価で書いたように、白百合Sのレベルは低い。ただ、地力はあるので、ランスオブプラーナを逃がしつつ、3~5番手辺りで先行すれば白百合Sの再現もあり得るかも。特に雨ともなればそこまでスピードもあがらないので、この馬にとっては恵みの雨となるかも。

人気も5番目とそこまで高くなり過ぎない適度な位置なので、押さえておいて損はないだろう。

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