フラワーC(GⅢ)・各馬評価

(2020年3月19日追記)すみません、トリンカデイラが抜けておりました。

2ヶ月ぶりの投稿となります。お久しぶりです。

この2ヶ月程、2月末までは仕事の方が忙しく、その後はコロナの一件で急に落ち着いてしまったのですが、それでもやることはあり、なかなか大変でした。

競馬は相変わらずですが、先週のフィリーズレビューはバッチリ的中。

画像1

軸はヤマカツマーメイドでしたが、ナイントゥファイブが舐められているなと思って、ナイントゥファイブからのワイドも炸裂。

カリオストロのレコードに隠れていましたが、ナイントゥファイブもフィリーズレビューで好走出来るタイムで阪神1,400mの未勝利戦を勝っていたんですよね。昨年3着だったジュランビルと比べてもらえば分かります(このnoteでもジュランビルはタイムが良いと評価をしていました)。

しかも未勝利戦で負かした相手は牡馬のロードベイリーフで、この馬も強いのとばっかり戦ってなかなか勝ち切れていなかっただけで、相応の実力の持ち主ですからね。

こういった厳しい競馬になることが必至のレースでは、とにかくキツイ競馬を経験しているかどうかというのがカギになります。キツイ競馬をしていない馬は問答無用で切りましたし、実際、印を回した10頭の中で11着以下だったのはソーユーフォリアのみで後はすべて切っていましたので、ほとんどが下位に終わっているわけです。

まぁでも難しかったです。今年は。。。

例年の傾向

というわけで3日間開催の初日を飾る重賞フラワーカップ。

このレースは傾向が分かりやすく、1,000m通過タイムが遅く、4角曲がり切る手前から急激にラップが上がる瞬発力勝負になります。前残り傾向が非常に強く、その時点で中団から前にいないとかなり厳しく、相当爆発的な末脚がないと、届きません。

図1

図2

あとはマイルからの転戦馬も多く、昨年のコントラチェックのようにスピードで押し切ってしまったり、或いはその前の年のトーセンブレスみたく差すのが難しいレースでもしっかりと差してきたりといったことが起こります。

で、今年は?

出走馬の中でテンが速いのは、アミークス、ショウナンハレルヤ、チェスナットドレスの3頭。クリスティも速い方ですが、逃げはなく先行したいタイプでしょう。

いずれも速いレースをしたいタイプではないですし、有力馬(レッドルレーヴ、ミアマンテ、シーズンズギフト)も控えるタイプなので、余程体内時計が壊れた騎手が逃げない限りは、スロー濃厚と見て良いでしょう。

各馬評価

表の見方(1月時よりも色々とアレンジしております)

図3

アブレイズ

図4

1戦1勝馬。馬場が重た過ぎる京都での超スロー。外差しバイアスで外差し。3Fの個別ラップを見ても特に瞬発力はなさそう。騎手はお世辞にも上手いとは言えない藤井勘一郎・・・何も拾える要素がありません。

こういう時は相手関係も見ますが、強い競馬をしたと言える4着のキャプテンドレイクが次走馬券内という程度。しかも年明けてからの未勝利戦は、ほとんどのレースが壊滅的にレベルが低いので(信頼できる軸馬がいないレースが多い)、そこでの好走もどこまで信頼して良いか…。

とは言え、1戦だけでは何も見えないので、一応残すかどうかというボーダーラインにいる馬ですね。

アミークス

図16

新馬戦はウーマンズハートとマルターズディオサの3着。未勝利戦は相手は大したことありませんでしたが、後ろから前の馬を一気に交しての快勝でした。

なので、クイーンカップは少し期待していましたが、ハイペースに巻き込まれて全く見せ場なく敗れましたね。上がり3Fの推移を見ても、残り200mで完全にバテているので、距離延長してスピードが緩んでどこまで通用するか…微妙ですね。

エンジョイ

芝で全く通用せず、ダートで未勝利脱出では戻ってきても通用しないでしょうね。

キングスタイル

新馬戦は全く通用せず、小倉で勝ち上がり。とは言え、雨が降って重馬場、しかも最終手前の週で馬場は壊滅状態。この時の2~4着馬は次走皆馬券外に飛んでいて、もはや何がなんだかというレベル。後半1,000mのラップもずっと12秒台後半というダート馬でも通用しそうなラップなので、スピードが問われる今回のレースでは到底通用しないでしょう。

クリスティ

図6

出遅れない限り、最も馬券内が堅そうな馬です。本命候補。

新馬戦では小倉2歳S優勝馬マイネルグリットと争い、アイビーSではワーケアの2着と強い相手にも善戦出来ている点が魅力。また、未勝利戦は加速ラップの中を差し切っています。
阪神JFは流石にペースがキツく、8着と着順は悪いですが、4~5番手先行して、差してきたヤマカツマーメイドとは0.4秒差、同じ位置にいたボンボヤージと1秒もの着差をつけていることを考えると決して弱いハズはありません。ヤマカツマーメイドはフィリーズレビューで2着に入ったわけですからね。それから中2週で1勝クラスをしっかり勝ち切り、1~3月までしっかりと休養を挟んでリフレッシュ出来ているのも○。

この馬の魅力は好位で競馬が出来ること。個別ラップの推移を見ても、スローであれば確実に最後まで加速が出来るので、好位で抜け出して押し切るパターンの勝ち馬が多いこのレース向きと言えるでしょう。

ショウナンハレルヤ

図8

新馬は全く評価出来ないのですが、アルテミスSは出遅れ⇒上がっていこうとして不利食らって後退⇒また上がるというチグハグな競馬、セントポーリア賞は今関東で最も買えない騎手の1人、内田騎手が鞍上で目茶苦茶&最後の直線は伸びない内を選択、と2戦が不利ありまくりのレースでした。

なので、セントポーリア賞では全く人気無し。それでも1着激走。正直これは仕方ないかなと思っていますし、私も見抜けていませんでした。敢えて言えば距離延長での変わり身という要素は残っていたので、そこさえ考えていればと悔いが残るレースでしたが…。

今回も先行すると思われるので、前残りには注意したい馬です。ただ、前回は末脚勝負に徹する馬が多すぎたという展開利がありますし、あまりこれと言った強みも見えないので、押さえかなというところ。

シーズンズギフト

図9

新馬戦は前半5Fが63.5秒のドスロー。4角で捲って横に並ぶと、直線で抜け出して2着のキングオブドラゴンとのたたき合いになりました。この時の個別ラップは11.9-11.9-10.9で、大外を回りながらしっかりと勝ち切りました。2着のキングオブドラゴンが京成杯で前潰れの中で先行して5着に入っているので、侮れないと言えば侮れません。

また、若竹賞ではマイネルデステリョのつくるスローペースを好位から進め、コーナーで先頭集団に取り付くと直線で差して勝利しました。

この馬で注目すべきはコーナーリング。個別ラップの推移を見ると、新馬戦も若竹賞もコーナーで減速していないんですよね。なので、コーナーでの加速が上手いと思われます。

個別に3Fのラップ推移を測ると分かりますが、道中にコーナーがあると、ペースに関係なく大抵の馬は減速します。ですので、中山や福島、小倉のような小回りコースでは、こういう馬が後続を出し抜きやすいんですよね。ヒュッゲなんかもこのタイプですよね。ヒュッゲの場合は逃げ馬なので、余計に厄介だったりします。

チェスナットドレス

図13

最初の2戦はスローからの瞬発力勝負で凡走。後半3戦が馬場が重くなった京都でのややタフなレースで好走しています。

上がり3Fの推移を見れば分かるのですが、キレる脚はないものの、著しく落ちることはありません。つまり、脚は遅いけどバテないというわけです。

実は同じくフラワーCに登録されていたエヴァーガーデンも、全く同じタイプです。こういうタイプは馬場が重くなったり、葉牡丹賞のように全馬バテバテの展開になったり、距離が延びたりとタフな能力が求められ、相対的にスピード能力が必要なくなると浮上します。

こういった馬は後ろからになるとまず勝ち目がなくなるので、今回も前に行きたいと思われますが・・・さすがに対ファルコニア戦の時のようにはいかないでしょう。マイルからの転戦馬が何頭もいるので、競り勝って位置をとるのはそう容易くはないと思われます。また、クリスティやショウナンハレルヤなんかは先行して10秒台の脚も使えるので、勝負所で置かれそうな気がしてなりません。あまり舞台が向いていないかもしれません…。

トリンカデイラ

少々評価が難しい馬。お父さんのロペデヴェガという種牡馬もよく分からないというか…。新馬戦はスローペースを先行して、最後の200mくらいまで前がなかなか開かない状態でしたが、イカットが抜けるとその後を追って進出し、差しました。

この時の上がり3F推移は12.2-12.3-10.9と前が塞がった分、脚が溜まった形。ただ、稍重とは言え全体時計で2分5秒もかかっているので、その恩恵もあったと考えられますので、なかなか判断がしづらいところです。

ナリノクリスティー

前走のデイジー賞で発見したお宝馬。戦績チェックしていて「あれ?」と思い、デイジー賞前日にはこのようにツイートも(と言ってもアカウント名隠してるので自分だって証明しようがないのですが)。

図10

で、9頭中5番人気で2着なら見解としては良しですね。縦目で外れたけど・・・泣。

図11

新馬戦が優秀。東京とは言え、稍重であることを考えればまあまあ流れた方で、マイルで逃げて(レースラップは減速していますが)本馬は加速ラップで走っており、それなりのスピード能力とタフさを備えていると言えます。

しかもこの時の相手は、セントポーリア賞2着のアオイクレアトール、未勝利クラスでは上位のコトブキテティス、未勝利脱出済のクロノメーター。クロノメーターはひいらぎ賞3着のメリディアンローグとも戦っています。

前走はスローで先行したので、恵まれているっちゃ恵まれているんですが、マイルを経験している馬のスローペース先行は怖いです(ショウナンハレルヤが良い例)し、何より力があることは既に新馬戦で証明済みで、嫌う必要はありません。前走もフロック視されるでしょうし、ここも狙ってみたいところ。

フラワリングナイト

図12

未勝利戦では、残り800~600m区間が12.3-12.1と落ち着いているタイミングを見計らって早々に進出。4角では先頭集団の一員となっており、この時の3F推移は実測値12.1-12.1-11.4で、スローペースで前に取り付けたというのが大きいです。これはデイジー賞も同じで、特に頭数がもっと少なくなったので取り付きやすかったでしょう。

デムーロお得意の道中から捲っていく競馬で好走を続けていますが、フラワーカップが前走、前々走と違うのは、スピード能力の高いマイルからの転戦馬が何頭もいる点。そして彼らは先行します。捲るタイミングを逸したり、捲ろうとして先に仕掛けられると思わぬスタミナのロスにもつながります。

仮に捲っていけたとしても、相手はさらに上のスピードでスパートをかけてくる可能性があります。勝負所で置かれる可能性もあり、押さえはするものの、人気するならあまり積極的には狙いたくないですね。

ポレンティア

図14

新馬戦はまあまあなスローで、ちゃんと走っているのはフェアリーSが初めてといった具合で、この2戦のラップだけでは正直あまりこれと言った能力は見出せません。

ただ、フェアリーSは、内枠を上手く利用して時間をかけてじわじわと進出。直線で真ん中に出すと、シャインガーネットを差しての3着となりました。

シャインガーネットは先週ファルコンSを勝っているように、弱い馬ではありませんし、フェアリーSはマーフィーの勇み足(早仕掛け)が敗因と思われます。内枠と仕掛けを遅らせた分の差と言えるので、実力そのものは拮抗していると言えるかもしれません。

今回は距離延長で追走も楽になるので、もう少し位置をとってくる可能性がありますし、軽視は禁物でしょう。

ミアマンテ

去年のシェーングランツもそうなんですけど、藤沢調教師の馬ってこういうタイプ多いですね。展開が向いただけなのに人気するっていうやつ。

まず新馬戦もベゴニア賞も重馬場、さらに重馬場にも関わらず、2戦とも後方からの競馬。新馬戦はかなり馬場が渋っている中で最後に10秒台の脚を使ってはいますが、そもそも戦った相手が弱過ぎます。

トップスピードはあっても、1,000m1分程度のレースでも後方からの競馬を余儀なくされていますので、良馬場になって状況が好転するとは思えません。重馬場で他の馬のスピードが削がれてようやく後方に位置取りできる、ということも十分考えられます。これで2~3番人気になるなら、本当に押さえの押さえという程度にしたいですね。。。

レッドルレーヴ

図15

新馬戦は、共同通信杯3着のフィリオアレグロ、弥生賞を勝ったサトノフラッグと重賞馬券内に入る牡馬が同時に出走するメンツレベルの高いレースでした。その中でスローペースを先行して2着。

未勝利戦は、前半1,000mが1分を切る、流れるペースの中で中団から徐々に進出を開始し、馬群を捌きながら4角では先頭集団にまで取りついていました。上がりはかなりかかったものの、新馬戦とは全く違う競馬で結果を出しており、レースセンスは高いと言えます。

ただ、この馬の不安点は2つ。

1つは他の馬との比較でどれだけ速い脚が使えるかという点。

新馬戦は重馬場ですが、同日にクリスティはアイビーSに出ていて、ペースはややアイビーSの方が速い中で上がり33.9秒を出しています(もちろん200m距離が短いということはありますが)。新馬の勝ち馬フィリオアレグロは上がり34.4秒でしたが、この馬も共同通信杯を見る限り、そこまでキレる脚が使えるタイプではなさそうですからね(ダーリントンホールより遅いって…)。

2つ目は騎手がこの馬の強みを生かせるかという点。

ペースが速くなっても好位を取れるのは未勝利戦で証明済み。この能力はフラワーCでは強みになりますが、ヒューイットソンがこの強みを生かせる騎手かというと、まだ少々疑問が残るところ。陣営がどんな作戦でくるか分かりませんが、サトノフラッグのような大味な捲り競馬では、1つ目の不安点と相まって直線の勝負所で伸びない・・・なんてことも。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?