【JRA GⅠ参戦海外馬分析②】ゴリアット
②~④はジャパンカップに出演するゴリアット、オーギュストロダン、ファンタスティックムーンを取り上げていきます。
まずは、ゴリアットから。
①戦績分析
戦績から分かること
ゴリアットは戦績10戦6勝。
特に今年のキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスSでは、凱旋門賞を勝ったブルーストッキング、ドバイシーマクラシックとBCターフを勝ったレベルスロマンスらを負かしました。
これにより、ゴリアット自身のレーティングも上昇しているようです。
そのせいでしょうか、馬主がやたらと強気発言をしています。
今の日本に強い馬はいないとか、クールモアに俺はジャパンカップに勝つぞ、と煽りに煽りまくり。ガチのBreaking Downファンですかね?
さらに何故かTシャツも売り出します。
さて・・・それはそれとして、
この馬の能力を判断する上で、キャリアに非常に重要なポイントがあります。それは、「マイル以下のレースを経験していない」ということです。
これはチャリンのところでも述べましたが、中長距離を走るトップレベルの欧州馬の戦績を見ると、彼ら彼女らはマイルからキャリアをスタートさせ、そこで勝ち鞍をあげつつ、徐々に距離を延ばしています。
例えば・・・
とまぁ、枚挙に暇がありません。
もちろん、エースインパクトのように、マイル未経験でも恐ろしいラップをたたき出せる馬もいるにはいますが、非常に稀です。
例えば、欧州のディープ産駒として有名だったスノーフォールなんかは、デビュー戦の1,400mこそ勝ちますが、その後の1,400m~1,600m戦では3着内すらなく、距離延長してようやく出世したところから、そこまでスピードがないのでは?と以前に指摘しました。
で、実際、欧州の一線級相手だと通じない結果になっていました。
このように、どの距離でどのように勝ち、キャリアを積み上げてきたか、というのは欧州馬の能力を判定する上で結構ポイントになります。
そういった意味では、最初から2,400mでキャリアを始めている点をかなり疑った方が良いと思います。これは、この後のラップ分析からも合点がいきます。
②ラップ分析
いやー真っ赤っか。ここまで真っ赤なラップが多い馬も珍しいです。
それでは、ラップから馬の特性を探っていきましょう・・・と言っても、ほとんどのレースが道中13~14秒台が続くスローのレースばかりで、15~16秒台のレースまであります。
しかもそのレースですら差しが多いのですから、スピード能力については色々と察する部分があります。
さて、ここからピックアップするレースは、その中で数少ないペースが速いレースについて。
③総括
以上をまとめると、これまでのレースでのパフォーマンスを見る限りは以下のような特徴を持っていると思われます。
・非常に遅いペースでのレース経験がほとんどで、キャリアも2,400mから始まっており、追走スピードにだいぶ疑問
・時計が掛かるレースへの対応力は高いが、上がりが速いレースでは負けていることが多い
・位置取りは恐らく差し~追込
馬主の強気とは裏腹に、netkeibaでは8人気(11/11時点)となっているので、割と冷静に「どうなの?」と思われているようですが、ドボドボの不良馬場でもなければ厳しいだろうなとは思っています。