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桜花賞(GⅠ)・各馬評価

大阪杯は堅かったですが、自分の予想通りに決まって安心しました。

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3枚目は何か紛れがあった場合の馬券でしたが、何のことはない、ヘタクソ馬券でした。。。

直前の10Rの難波Sもそうでしたが、今の阪神で高速馬場になれば、1,800~2,000mの中距離でもマイラーが幅を利かせる状態になります。

ちなみに、4着にカデナが飛んできましたが、これについて見解を書いておきます。

カデナの好走条件について

大阪杯の各馬評価で、カデナの好走条件には2つあると書きました。

①時計が掛かること
②11秒台前半を1Fだけ出して前を捕まえられる展開になること

4着を好走と捉えるならば、少なくとも①は当てはまらないので、ちょっと修正は必要ですね。ただし、今回のカデナの個別ラップは10.7-12.1-11.0(公式では33.5秒とありますが…もっと遅いはず)ですので、②はほぼ規定した条件通りではあります。

いや3F区間で10.7秒出してるじゃん、という話はありますが、これは、以下の画像を見ればわかります。

【大阪杯・3角】

図4

【大阪杯・4角】

図3

3角辺りでちょっと距離があったため、4角曲がるところで詰めるために脚を使っています。なので、3角~4角途中(3F区間)は10.7秒出しているわけです。

そして、4角曲がるところ~直線200m前(2F区間)では少しペースが緩み、200m~ゴール(1F区間)は上手く内が空いてもう一度スパートをかけている、という流れになっています。

仮に3F区画で他の馬と同じような脚で走り、残りの1Fに賭けたとすれば10秒台の脚は出せたかもしれませんが、それで前を捕まえられたかと言われると、馬のトップスピードには限界がありますから、10.8秒しか出せなくてもっと着順を落としていた可能性もあります。

※ちなみに、先頭にいたダノンキングリーのラップを測ると、レースラップ11.2秒にはならないんですよねこれ…参考までに、ダノンキングリーは【11.3-11.9-11.2】、ラッキーライラックは【11.1-11.9-10.9】が実測値ラップです。3着で危うく差されそうだったダノンキングリーですが、残り1Fでも0.2秒しか差がなかったので、どの道追いつくには難しかったわけです。

以上のことから、好走する(掲示板くらい?)だけなら①は必ずしも必要ないだろうと言えます。ただし、突き抜ける(勝つ)ためには①も必要と言えるのかなと考えています。

②は必須ですね。これは中山金杯での凡走を見れば分かります。

【中山金杯・3角】

図1

【中山金杯・4角】

図2

大阪杯の3角と比較すれば分かりますが、だいぶ先頭集団と距離がありますよね。大阪杯に比べるとやや縦長だったわけです。そして前も止まらない展開だった。

なので、①隊列が縦長になる、②前が止まらない、この展開になると確実に凡走するわけです。まぁこれはカデナに限らず、追い込む馬の宿命ですね。基本的に競馬で差し・追込み馬を狙うのは得策ではありません。ローカル開催の後半で明らかに差し馬場になっているような場合は積極的に狙いたいところですが。。


さて、いよいよクラシックが開幕です。まずは桜花賞から!

例年の傾向

図2

例年は前半が速くなるミドル~ハイペースですが、昨年は良馬場・前が止まらない高速馬場にも関わらず前半は流れず、後半の究極のスピード勝負になりました。

で、今年は?

展開予想は枠を見てから書こうと思いますが、今年は兎にも角にも「レシステンシア VS 17頭」という構図。前哨戦のチューリップ賞で3着に敗れましたが、前哨戦だしここで本気出さないでしょ、試走でしょ、と分かっている人も割と多かったはず。(これ、ブーブー文句言ってる方を見かけましたが、前哨戦で33秒とか本気で戦うはずないでしょう…)

これに似た構図は以前にもありましたね。

2016年の桜花賞。5戦4勝、単勝1.5倍の支持を集めたメジャーエンブレム。この時も打倒メジャーエンブレムという構図になり、いつもよりやや出遅れた上に、その隙を突いて1,200~1,400m転戦組が次から次に被せてきて、逃げるに逃げられず、自分のペースに持ち込めず4着に沈みました。

今年はその悪夢の再来があるのか、或いは悪い未来を払拭するのか、鞍上武豊の手腕が問われます。

各馬評価

【表の見方】

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なお、評価からは除外対象馬(900万以下組、優先出走権無し)は除きます。

インターミッション

図3

あんまり人気しないタイプの馬ですが3戦2勝。この馬の特長はとにかくスタミナの高さ。菜の花賞では先行勢が総崩れの中で唯一上位に粘った馬で、ここでスタミナの高さを示しました。

アネモネSではこれまでよりももう1列後ろの好位で競馬を進めましたが、残り200mまで脚を溜めて追い出しをギリギリまで待って好位差し。フィオリキアリの猛追を退けて勝ちました。

【桜花賞では?】この馬に限らず、今の3歳世代で大きな問題は「時計が掛かっている馬場を経験している馬が多い」というところ。10月~11月ととにかく京都は雨降りまくり、1月は京都がその秋開催の影響でダメージが残っていたし、中山も小倉も悪天候が続きました。

なので、この馬もそうですが、時計の速い持続力勝負・タイムアタックの経験がない馬が通用するかというと、未知数過ぎます。稍重で3F34.7秒は遅くはないですが、レシステンシアが3F33秒で逃げるので、2秒近くペースが上がってどこまで持ち堪えられるかというところでしょう。

ウーマンズハート

図8

この馬は、中団から強烈な1F10秒台前半のトップスピードを使って差し切る競馬が信条。ただイメージよりも瞬発力はそこまでありません。もちろんギアチェンジは得意な馬なのですが、デアリングタクトの方が瞬発力は上です。なので、究極のトップスピード戦になりやすい新潟が最も合っている馬と言えるかもしれません。(あと東京かな??)

新馬戦、新潟2歳Sと2連勝しましたが、阪神JF、チューリップ賞で頓挫。

勝った2戦とも前半3Fが36~37秒台とドスローでの競馬でしたので、流れる競馬で脚が削がれ、末脚が並レベルに落ちていると思われます。実際、チューリップ賞では差し競馬に徹したものの、自分よりも後ろの馬にまで差されてしまいました。某サイトの情報で「調子が上がってきた」というコメントが出ていたのですが、いくらなんでも格下にまで差されるのは言い訳出来ないのでは?と疑ってしまいます。

【桜花賞では?】持ち前の差し脚を使った競馬をすると思いますが、チューリップ賞とは全く別物のペースになります。これに対応できるかは不透明。ただ、阪神JFは思った以上に先行して粘ったようには思います。あのペースを差し競馬で戦った場合の上位入線可能性はまだ残っています。

エーポス

図5

上記の上がり3Fの推移を見て頂ければ一目瞭然なのですが、この馬はキツイ競馬で真価を発揮します。

凡走した白菊賞ではほとんどラップが変わっていないように、そもそもトップスピードがそこまで高くないため、スローペースかつ差し競馬でも11秒台後半でずっと推移しているわけです。

一方、流れるペースと判定されたエルフィンSやフィリーズレビューでは11秒後半~12秒台で推移していますが、このラップでは相対的に優位に立っています。スローでも流れるペースでもラップがほとんど変わらない馬は、キツイペースで浮上してくるというわけです。

【桜花賞では?】先行・差しどちらの競馬も出来るので、今回どう位置どるかは陣営の作戦を見ないといけませんが、フィリーズレビューの前半ラップは本番にも結び付きますので(あとは距離の問題ですが)、中団くらいで構えての差しを今回も選ぶ可能性が高いでしょう。今の馬場を考えると、岩田騎手なので、イン突き出来る枠であれば可能性は高く、大外になってしまうと厳しいかもしれません。

クラヴァシュドール

図5

正直なところ、これと言って突出した武器があるわけではないのですが、とにかく総合力が高い馬です。基礎スピード、トップスピード、瞬発力どれをとっても平均以上。ただし、弱点は持続力。

阪神JFの記事ではこの馬を以下のように書いています。

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1戦目はいつものスロー新馬戦で、特に強調するところはありませんでしたが、2戦目のサウジアラビアRCでは世代上位と思われるサリオスを見ながら進み、一度はハナを取りそうになるも最後は1馬身突き離されて惜敗。牝馬ながら一線級の牡馬とやれる実力を示しました。

上がり3Fが同じにも関わらず、最後に1馬身離されたことを考えると、長い直線での持続力という点でサリオスに劣る(持続力がそこまで高くない)可能性がありますが、マイルでもスローが横行する中で前半3F35.1秒の流れで、上がり3F33.1秒は非常に優秀。上位条件でも対応できる素地を見せています。

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この時はまだ個別の上がり3Fは測っていませんでしたが、「持続力がそこまで高くない」と結論付けており、実際ラップでもそれが証明されています。

阪神JFこそ11.4-12.1-12.1という推移で維持はしていますが、位置取りはマルターズディオサより後ろで、差すかと思いきや抜けずに終わったように、やはり持続力がそこまで高くはないわけです。

【桜花賞では?】チューリップ賞ではちょっとイレ込み気味だっただけに、今回の仕上がりが気になるところです。権利取りマストな状況ではあっただけに、桜花賞で勝つためのお釣りがちゃんと残っているのかどうか…。また、再三書いているように、持続力がカギになる馬です。なので、阪神JF同様に中団くらい、前を射程圏に捉えながら競馬をする必要があります。これが後ろ過ぎると前を捕まえる前に自身が垂れる可能性が…。

サンクテュエール

図7

ラップを見ると、マイラーにしては上がりの脚が速く、アルテミスSでは10秒台の脚を使えています。スローで先行してギアチェンジ(瞬発力でサッととスピードを上げる)⇒トップスピードで後続を突き離す競馬がこの馬の得意な戦い方ではないかと思われます。

【桜花賞では?】今までで最も速いペースは前半3F35秒4とスローペースしか経験がないので、人気馬で最も危ないのはこの馬でしょう。クラシックを勝つにはとにかく経験が大事です。この馬のラップの踏み方はレシステンシアが刻むペースに耐えられるような構成とは思えませんし、何より厩舎が藤沢和厩舎…キツいレースには向かない厩舎です。

もちろん、キツイ競馬でもポテンシャルで粘れる脚がある可能性はあるので、この馬の可能性を信じる!という方は買ってみても良いと思います。

スマイルカナ

図8

新馬戦は前半3F35.3秒で逃げ、そのまま押し切る競馬。2着馬はその後まったく見せ場ない状態ですが、3着馬、5着馬は勝ち上がりました。

赤松賞では久々ということもあってか、テンションが高く中団からの競馬になってしまい、特に成す術なく沈みましたが、ひいらぎ賞では再び自らペースを握って勝利し、フェアリーSも同じ戦法で勝ちました。

チューリップ賞を見ても、上位レベルの上がりの脚はなく、スロー~やや流れるペースで逃げて11秒前半~後半で粘り込みを図りたいクチの馬で、主導権を握れないと辛いと思われます。

【桜花賞では?】チューリップ賞を踏まえて逃げるようですが、レシステンシアほどのテンの速さはないですし、これまで35秒を切るくらいのペースしか経験がないので、ガシガシ行けばレシステンシアの思うツボ。自滅する可能性の方が高いので、どの道かなり厳しい戦いを強いられるでしょう。

チェーンオブラブ

図7

この馬は、脚を溜めて瞬発力とトップスピードの高さで一気に前を捉えに行く競馬が得意と思われます。

赤松賞はスローペースで前が止まりづらい中を最後方から差してきており、3Fの推移は12.6-10.6-10.1と止まっていません。そして、フェアリーSではスマイルカナが引っ張るペースを中団から追走、最後の1Fで一気に先行勢を抜き去って2着を確保しました。

続くチューリップ賞では、これまでと同様に中団からの競馬となりましたが、11秒台を持続的に使う展開になったことで脚が削がれてしまったようです。フェアリーSも同じくらいのペースなのですが、コーナーで少しペースを緩めたことで、脚が温存された形。

【桜花賞では?】基本的にはスロー、或いはどこかで一息入れてスパートをかけるような展開の方が望ましく、かなりキツいペースが考えられる今回は苦戦するのではないかと思われます。

デアリングタクト

図6

エルフィンSでのパフォーマンスが評価され、上位評価が期待される馬。

この馬の持ち味はとにかく卓越した瞬発力にあります。新馬戦は最後の1Fしか力を出していません。残り1Fを切るまでは他馬のペースに付き合い、1F過ぎるとグンとギアチェンジをして一瞬の脚だけで突き抜けた形。※但し、相手が弱いから出来た芸当ですが…

続くエルフィンS、後方からの競馬になりましたが、3角⇒4角で徐々に位置を上げて、残り400mで一気にスパート。残り200mで先頭に立ち、そのまま後続を大きく突き離す圧巻の勝利でした。

ただし、これをそのまま鵜呑みにして良いか、というと、正直私は疑問符がつくと思っています。まず、京都が壊滅的な馬場が続いていたとは言え、この日は1週間近く雨が降らなかったことで、馬場差もマイナス方向に動いたタイミングです。なので、上がり34.0秒は決して破格の脚ではありません。また、先行勢がほとんど沈没しているように、差し・追込馬に展開が向いたことも確かです。

キャプチャ

だからこそ、エーポスは逆に先行総崩れの中で粘ったという評価が出来、フィリーズレビューで買えるんですよね。

また、このレースラップは加速ラップにはなっていますが、既に書いた通り、残り1Fの始まりはエーポスを抜くかどうかというタイミングでしたので、ラスト1Fのほとんどはデアリングタクトのラップなんですよね。故に、2F区間⇒1F区間でラップタイムが上がっているのは当たり前なわけです。

と、ここまで疑問を呈してはいますが、エルフィンSに一緒に出ていた他馬と比較しても上がりの脚はかなり優秀です。これは事実。

【桜花賞では?】インターミッションやサンクテュエール同様、この馬も前半33秒台のペースは一度も経験していません。また、新馬・エルフィンS共に京都ですので、最後の急坂も初めて。そんな初めて尽くしの中でこの馬の可能性をどこまで信じられるか、というところ。仮にこれらのハードルをすべてクリアしたとしたら、相当な器であることは間違いありません。

ナイントゥファイブ

図3

フィリーズレビューで12番人気の低評価を覆しての3着で優先出走権を獲得。2歳未勝利勝ち時のタイムはフィリーズレビューでも通用するタイムでした。

この馬の特長はエーポスに近く、スローよりも流れるペースが得意。特に、先行しての粘り込みはかなりのもので、未勝利勝ち時、フィリーズレビューどちらも2番手でかなりキツいにも関わらず、2F⇒1Fでほとんどラップが落ちていません。

また、未勝利戦では、牡馬のロードベイリーフ(先日、鞍上の出遅れによる騎乗ミスで凡走しましたが、実際は先行して強いです)相手に、流れるペースを先行してたたき合いを制している点も評価できます。

千両賞は、トップスピードがないこの馬にとっては不向きな展開だったので度外視して良いです。

【桜花賞では?】まずは何といっても距離延長が課題にはなります。1,400mを主戦としていたため、同じくらいの流れるペースで1,600mに延長した時に耐えられるか?というと、ちょっと怪しいところではあります。例年なら、フィリーズレビューよりは桜花賞の方がペースが落ちる可能性が高いのですが、如何せん今年はレシステンシアがいますからね…。

なお、テンの速さはレシステンシアと引けをとらないので、敢えて挑戦状をたたきつけるのか、それとも控えて虎視眈々とちょい差しを狙うか、ペースのカギを握る1頭でもあります。

ヒルノマリブ

図9

距離延長組の中では唯一の1,200m出身。新馬で勝った後、紅梅Sで勝利して賞金を積み上げました。

この馬については、特徴云々の前に単純に力が足りないなと思っています。。

ファンタジーSで5着という実績はありますが、これはキツいペースを後方から差してきた形。展開が向いた割に、先行したヤマカツマーメイドを抜けていません。

また、勝った紅梅Sのレースレベルは非常に怪しく、同じように先行して2着だったコンバットマーチはその後2戦ともに惨敗しています(そもそも実力自体怪しかったので全く評価しませんでしたが)。

【桜花賞では?】1勝した後、結果が出ている2戦はスローで先行して瞬発力の高さを生かして押し切るという競馬で結果が出ています。今回はその2戦とは全く逆のペースになるので、後方待機して末脚で一発を狙う方向になると思いますが…。

フィオリキアリ

図8

後方からの差し追込み競馬を戦法とする馬で、赤松賞~春菜賞では上位入線が出来ませんでしたが、その後の1勝クラスとアネモネSで好走を続けています。

究極のトップスピード戦になった赤松賞以外は、上がり3Fすべて1or2位という馬。しかも不思議なのが、時計が掛かっても上がり35秒台が出せているところ。ストップウォッチで測ると、アネモネSの最後の1Fは10秒台を出していますからね…。ほぼ最後方くらいで競馬をしていることが多いので、当たり前っちゃ当たり前なんですが。

東京でキレ負け⇒上がりが掛かった馬場で好走、というところから、トップスピード勝負には向かないでしょうが、馬場が渋って時計が掛かったりすると(あまり脚が削がれないなどの理由で)相対的に浮上するタイプなのかもしれません。

【桜花賞では?】これまで通り、後方からの競馬に徹すると思われますが、今の阪神はスピード勝負優位な馬場なので、この馬にはマイナスな可能性がありそうです。

マジックキャッスル

図9

関東馬ですが、2歳秋には輸送競馬を経験・クリアし、クイーンCで一叩き。とにかくローテが桜花賞を狙いすましている点がなかなかに曲者

しかもサフラン賞ではマルターズディオサ相手に競り合い、ファンタジーSでは3F通過33.7秒とこの時期にしてはえげつないペースを経験済。しかもレシステンシアやヤマカツマーメイドとも戦っています。

余裕をもったローテが主流になっている近年の競馬において、ハイペース経験・輸送経験・相手関係、すべてをクリアしているのは珍しいですね。

この馬の持ち味は、基礎スピードと瞬発力の高さ。基礎スピードが高いのでハイペースでも脚があまり削がれず、脚を溜めて瞬発力で11秒前半~10秒台の脚が繰り出す⇒後方からでも前に届く、というわけです。

【桜花賞では?】これまでと同様に差し競馬をしてくると思われます。突き抜けるかどうかまでは分かりませんが、後方でも必ずと言って良いほど差してこれるだけの脚力の持ち主ですし、何よりレシステンシアの好走パターンのペースを経験しているのは未経験馬に比べると強みです。

マルターズディオサ

図10

ラップ推移からはこれといった特長がそこまで見えませんが、先行も差し追込競馬も出来る器用な馬で、クラヴァシュドール同様、総合力が高いです。

また、阪神JFで示した通り、2~3番手で先行し、差してきたクラヴァシュドールを最後まで抜かせなかったように、持続力も高いです。なので、クラヴァシュドールよりも力は上と考えられます。

【桜花賞では?】大外とか最内といった極端な枠でなく、かつ鞍上がへぐらない限り、もしかすると、一番馬券内に来そうなのはこの馬かもしれません。レシステンシアのものすごいペースにも耐えられますし、スローでも問題ないことは前走で証明済みです。

今回は勝ちにいく競馬をすると思いますが、鞍上は極端な競馬の方が得意なので、レシステンシアをマークするか、腹くくって最後方待機…なんてこともありやなしや。。

ミヤマザクラ

図11

この馬の取捨を考える上で重要なのはクイーンCでの好走をどう考えるか、でしょう。まずはレースラップを見てみましょう。

レースラップ      12.1-11.0-11.2-11.4-12.0
前半3F34.3/前半5F57.7

ミヤマザクラ個別ラップ 12.4-11.4-11.6-11.2-12.4
前半3F35.4/前半5F59.0


3F、5F共に1秒以上違います。通常、インザムービーくらい極端に離して逃げるのは例外的なので、仮に正常なレース(逃げ馬が番手から2馬身くらい前にいる)としたら、前半3Fは35.0秒、前半5F58.6秒くらいのレースと考えるのが妥当です。

つまり、クイーンCはレースラップだけを見るとかなり流れていますが、インザムービーを無視すればそこまでハイペースだとは言えません。しかも東京の馬場ですからね…実際、ミヤマザクラだけを見れば、35.4-34.3でスロー判定となります。

そう考えると、クイーンCの結果を以てミヤマザクラがマイルに対応出来たとするには早計と言えるでしょう。ただ、過去3走よりも速いペースには順応していることは確かです。

一方、新馬戦・未勝利戦のラップ推移を見ると、スローからの瞬発力勝負には対応出来ています。

また、京都2歳Sは上がりのかかるレースで先行して4角で先頭に並びかけてそのまま押し切ろうとしたところを、マイラプソディに差されてしまっています。この時の個別3Fは12.0-12.7-12.0で、先行したことで瞬発力が削がれてしまっていますが、重い馬場で速いペースを先行してバテ切っていないところはこの血筋のなせる業というところでしょう。

こう考えると、この馬の特長は、瞬発力勝負・キツイペースどちらにも対応出来る点と言えるでしょう。ただし、基礎スピードという面ではクイーンCの結果を以てマイルに対応したとは必ずしも言えず、桜花賞で真価が発揮されます。

【桜花賞では?】クイーンCと同じく先行することが考えられますので、あとはもうどれだけレシステンシアの刻むラップに対応できるかだけでしょう。

ヤマカツマーメイド

図12

ファンタジーS、阪神JF、フィリーズレビュー…と重賞で惜しい競馬を続けていますが、今一歩足りないためか、勝ち切れません。相手が悪いというのもありますが、どうしても一線級相手では分が悪い感が否めません。

この馬の特長は持続力の高さ。りんどう賞以降、前半3F34秒~33秒台のキツイペースでの競馬が続いていますが、いずれも2F⇒1Fのラップ推移は落ちていません。

【桜花賞では?】先行しても差しても一歩足りないという状況なので、善戦はするものの、馬券内まではどうかという具合です。どの競馬をするにしても展開に恵まれる必要は出てきます。

リアアメリア

図13

この馬については、阪神JF時に以下のように書きました。

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正直、新馬戦からずっとこの馬には懐疑的で、今回も懐疑的です。新馬戦からもアルテミスSからも、特に強さは見出せないんですよね。

最後方から差し切ったアルテミスSにしても、スロー前残りをなんとか捉えたという感じで、似たようなケースで考えれば2勝馬のマルターズディオサをあっさり抜き去ったウーマンズハートの方がパフォーマンスは高いです。

ビッククインバイオにしてもサンクテュエールにしても、マイルにしてはかなりスローの中で逃げ・先行しています。しかも少頭数。前者はちょっと調子を崩せば、サフラン賞でギルデッドミラーにすら先着を許す程度で、一線級と戦えるだけのパフォーマンスは見せていません。先行馬で言えば、後述のレシステンシアの方がはるかに強いと思われます。

また2戦とも前半がかなりスローですので、流れた時に追走で脚を削がれる可能性もありますし、ウーマンズハートやクラヴァシュドールの方がリアアメリアより前に位置取り、速い上がりを繰り出すことだって考えられます。netkeibaでは1倍台の1番人気が予想されていますが、果たしてそこまで強いか?疑問が残ります。

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自分としては、断然1倍台の人気馬に敢えて挑戦状を叩きつけた形ですが、結局飛びましたね。

で、何故飛んだのか、そして「スロー前残りをなんとか差した」のは何故だったのか、個別ラップ推移を見るとハッキリしていました。

この馬は、12秒台から一気に10秒台までラップを上げられるように、瞬発力が非常に高いです。しかし、その一方で、ペースに関わらず温存⇒加速⇒減速というラップ推移を辿っています。最後方から差し切ったアルテミスSにしても、スロー前残りをなんとか捉えたという印象で、実際に最後の1Fでスピードが落ちています。つまり、持続力が低いわけです。

持続力が低いとどうなるかが、アルテミスSで何とか差した理由、阪神JFで飛んだ理由、につながります。

まずアルテミスSですが、サンクテュエールと上がり3Fのラップ推移を比較すると以下のようになります。

サンクテュエール 11.9-11.0-10.6 3F33.5
リアアメリア   12.2-10.1-10.6 3F32.9

最後の1Fが10.6秒で脚色がほぼ同じ。位置どりを考えると勝ちすら危うかったことが伺えます。

また、阪神JFですが、レシステンシアとの比較で以下のようになります。

レシステンシア  11.2-11.5-12.5 3F35.2
リアアメリア   12.9-11.2-11.5 3F35.6

最後の2Fはリアアメリアの方が速いものの、合計はレシステンシアの方が速いという結果になっています。11.2秒から(理論上は)さらに加速出来るはずですが、それが出来ていないということはそれ以上の余力は残っていなかった(持続力が限界)わけです。

位置取りの問題もありますが、仮にもう少し前で競馬していたとしても、脚が削がれていた可能性があり、レシステンシアとは真逆の適性だと言えます。

また、ギアチェンジ戦が得意とは言え、川田騎手のこれまでの教育騎乗はマズいと思います。3戦ともに後方待機ですが、結局持続力がそこまでない以上、前に追いつかないことの方が増えてしまうわけですね。

【桜花賞では?】陣営は敢えて前哨戦を使わず、ぶっつけ。なので、陣営が敗因をどう考えているかで位置取りが変わってきそうです。あとはどこまで成長しているか。欠点である持続力がどこまで補われているか、でしょう。

レシステンシア

図14

阪神JFのパフォーマンスをすれば、文句なしに勝ちに近い立場にいます。

この馬の特長はもう説明不要でしょう。前半33秒台で飛ばして後続に脚を使わせる競馬では右に出る馬はいません。しかもテンの速さも優秀で、ファンタジーSでは、1,200mを主戦としてきたエレナアヴァンティがガシガシに追う中、労せずに番手につけられていました。

逆にチューリップ賞で露呈したように、トップスピードはそこまで高くないので、スローペースに落とし込んでしまうと脆い面があります。

前段で書きましたが、チューリップ賞の競馬はスローにしたらどうなるか、という試走であったことは間違いありません。鞍上が武豊騎手に替わったのは元々決まっていたようなので、北村友一騎手は指示通り乗っているハズです。恐らく、Aプランはスマイルカナに逃げさせて番手で競馬、(誰も逃げない場合)Bプランは自分で逃げてスローに落とす、というものだったと想像されます。

【桜花賞では?】もうガシガシに逃げる、一択でしょう。本命にするかは分かりませんが、メジャーエンブレムのように、タイミングを逸して逃げられない状況にだけはならないで欲しいなと個人的に思います。

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