NHKマイルカップ(GⅠ)・展望
(※5/8更新)眠気を抱えながら書いていたせいか、分かりづらい部分があったので、少し加筆・修正しています
コロナ騒動が始まってあれよあれよという間にとうとう3歳マイル王決定戦の日も近づいてきました。
先にぶっちゃけますと、私が苦手な3歳重賞の1つでもあります!
だって、、、マイルではダメだろ、前哨戦も展開が向いただけだろと思ってた馬が普通に対応してくるんですもの。
昨年激走したケイデンスコールとかカテドラルがその後どうなっているかを考えれば、結局自分の考えは間違っていないんだなと後から分かるので、そこで溜飲を下げる思いをしていますが(一度も強いと思ったことがないので、無印かせいぜい△しか印つけたことない)。
でも、結果は当日欲しいですよね。
変わる傾向、高速馬場化がもたらす影響
血統予想家の亀谷氏もここ2年は血統の傾向が変わってきていると話していますが、すべては馬場の高速化(トランポリン化)にあります。
あまりに馬場が速過ぎると何が起こるかと言うと、基礎スピードが多少低くてもトランポリン馬場でカバーされてしまうので、前半3Fが33秒台に突入しても割と平気で対応出来てしまう馬が多くなってしまうのです。
その結果、後ろから上がりの速さ、いわゆるトップスピードの高さで上位に食い込んでくる馬の存在が生まれます。
何が違うんだ?と思われる方もいらっしゃると思います。
そもそも、本来のマイル戦というのは、
というものです。一方、中距離戦というのは、
という具合です。すごく雑に言うと、200m走と1,500走くらい違うと考えれば分かりやすいでしょうか。1,500m走で最初から「ちょっとキツイな」と思うようなペースでなんか走らないですよね。ですが、200m走は最初からちょっとキツいと思うペースで走ります。
なので、本来は中距離が適性の馬がマイラーと走ると、「脚を削がれて、持ち前のトップスピードが出ない或いは、脚を温存させるために後方待機せざるをえなくなり、前に追いつかない」というのが普通なわけです。(この現象が起こったのが去年の天皇賞・秋であり、今年の大阪杯です)
ですが、高速馬場化により、「1F11~10秒台がずっと続く」ということが、ある程度の馬なら対応出来てしまう状況になっているわけです。例えるなら一時マラソン界を席巻したナイキの厚底シューズを皆が履いて走っているような状況と考えれば分かりやすいでしょうか。
こうなると、トップスピードはそこまででなく持続力で勝負する馬が相対的に不利になり、本来マイラーとしては通用しない馬が、「トップスピード」で上位に入ってきてしまうというわけです。
特に、差してきた馬に、後にマイラーとして通用しない(マイル重賞で勝てないorマイル条件戦止まり)馬が多い傾向にあります。ケイアイノーテック、ケイデンスコール、カテドラル、リエノテソーロ、アヴニールマルシェ…etc
これが、NHKマイルカップで上位入線しながら、後々マイル重賞で通用しない馬達が発生する理由というわけです。
例年の傾向
というわけで、前述の通りですが、1F12秒台のラップはほとんどの年でスタート直後と1箇所~2箇所程度で、ほとんどの区間で1F11秒台が続くスピード持続レースとなります。
脚質についてはバラバラ。昨年を除けばどの年も脚質が固まるということはほとんどありません。(1着馬も先行くらいの位置取りですが)
ですが、この2年で傾向が変わってきていることには留意しなくてはなりません。
で、今年は?
週末雨予報もありましたが、徐々に雨の降水確率が下がっています。東京だけ。降れよ(超高速馬場反対)。
なので、土曜日の馬場を見てですが、先週の傾向を見る限り、32秒台が出てもおかしくないような馬場になるのではないでしょうか。
今回の出走馬でテンが速いのは、レシステンシア、ラウダシオン、ハーモニーマゼランの3頭です。ただ、ラウダシオンは出遅れ率の高いデムーロ騎乗で是が非でも逃げたいタイプでもない。ハーモニーマゼランもレシステンシアにケンカを売ってまでガンガン前に行くかというと怪しいところ(ちなみにどっちもHペースに非常に強いダイワメジャー×サドラー牝系)。
と考えれば、ルメールがメジャーエンブレムよろしく自信を持って逃げにかかるでしょう。桜花賞の雪辱を晴らすべく、ここはもう全力で逃げにかかるハズ。あとは、レシステンシアが刻むラップに各馬がどれだけ耐えられるか、究極のスピード勝負となりそう。今回は超高速馬場VSレシステンシアではないかなと思います。
各馬評価
ウイングレイテストの評価の前に・・・
ウイングレイテストを評価する前に、前走のニュージーランドトロフィー(以降NZT)について検証しておく必要があります。まず、結論から言うと、3~4角での捲りによる差し決着レースというのがNZTの本質だと考えています。
正直、この馬マイルは短いと思ってるんですよね…確かにマイルでも馬券内には来ていますが、デイリー杯2歳Sは前潰れによる展開利がありましたし、逆に朝日杯FSやファルコンSのような直線が長い、スピードの真っ向勝負になると崩れています。
なので、NZTの決着に違和感を覚えたわけです。しかも、上位3頭皆差し馬。どう考えてもバイアスがかかっているとしか思えません。そこで色んなレースと比較したのですが、最も参考になったのがジュニアカップでした。
【検証】NZTとはどんなレースだったのか
ラップ推移はNZTが11秒台を持続させるレース、ジュニアカップは3~4角地点で1F12秒台の少し緩んだ瞬間がありました。そういう意味では前者は先行勢にとって多少厳しいラップ構成になっていると言えます。
ただ、各地点でのレースラップを見ると、そこまで劇的に違うわけではないんですよね。また、どちらのレースにもハーモニーマゼランが出ていますが、
ハーモニーマゼランの上がりを比較してみましょう。ジュニアカップでは上がり3F35.9秒、NZTでは上がり3F35.8秒と、ほとんど変わっていないんですよね。馬場差があるとは言え、緩いのはジュニアカップのはずなのに、NZTの方が上がりは速い。
次に、上がり3Fが上位の3頭を見てみましょう。「上がり3Fのタイム」だけならほとんど一緒なんですよね。なのに、片や6~8着、片や1~3着。一体何が違うのだろうか?という疑問が浮かびます。
で、レースを実際見てみたのですが、決定的な違いが4角過ぎにありました。
この2レース、差し勢の上がり上位3頭の位置取りが違うというのが分かりますでしょうか。NZTはかなり横に広がってはいるのですが、馬群が凝縮しているのに対して、ジュニアカップはカメラが引いて全体を映しているように馬群が縦長になっているのです。(カメラが引いているか寄っているかでも、馬群がどうなっているか想像できますよね)
何故この違いが起きているかと言うと、NZTは3~4角のタイミングでかなり前を意識して捲りにいっているんですよね。一方のジュニアカップは後ろに構えています。
前がキツいペースで、3~4角で捲ってきたことで差し勢と先頭との差が近くなっている(=セーフティーリードが少ない)状態では、当然ながら差し勢に優位になります。
捲りにより差し勢に有利になったレース、これがNZTというレースの本質だと考えられます。
というわけで長くなりましたが、ウイングレイテストも展開利が働いたと言えます。
ウイングレイテスト
以上を踏まえて、NHKマイルCでどうかという点ですが、まずこの馬にとってマイルは「そこそこ対応はできるものの、展開利が働かないと厳しい」と考えています。
個別ラップ推移を見れば分かりますが、朝日杯FSにしてもファルコンSにしても最後はバテているんですよね。つまり、持続力が問われた途端に脆く崩れてしまう。一方、後ろで構えて前が潰れる展開になれば、スッと差してこられるという具合。
前走で4角不利があったことは確かなのですが、それ以前に「展開が向いていた」という前提がある以上、「NZTで不利がなければ着順が上がった」可能性はあっても、「不利があったから強い」ということにはつながらないですし、「不利があったからNHKマイルカップで上位に入線する」ということになるわけでもありません。
今回はマイルGⅠでこの馬よりテンが速い馬がうじゃうじゃ。位置取りが悪く後方からの競馬になりそうですし、そこまでトップスピードに長けた馬ではないことを考えるとどうか。
ギルデッドミラー
後ろからの競馬になりがちで、前が潰れれば勝つところまでいけますが、相手が強化されると差し損ねが目立ちます。これはトップスピードが突き抜ける程高くはないためでしょう。新馬戦や相手が弱化した1勝クラスでは勝てる一方、サフラン賞では上位2頭を交わせずに終わったことがそれを物語っています。
また、先行するとどうかと言えば誰かにやられるという状況で、マイルの上位条件では通用してもGⅠで通用するかと言われると疑問符がつきます。
アーリントンカップも、キツいペースで2番手先行したプリンスリターンを差すのがやっとという状況で、そこまで地力があるわけではないのでは?と考えています。
スピードにちょっとでも秀でたタイプがいると、やられてしまう万能型タイプと言えるでしょう。
サクセッション
やや成績にムラがありますが、デイリー杯は鞍上が800m地点から早仕掛けスパートをかけてしまったことによるもので、ここで潰れたコルテジアがきさらぎ賞を勝つなど、むしろ前にいた馬が強いと言え、ノーカウントで良いと思います。
ジュニアカップは前述の通り、後方待機馬は前が届かなかったレース。ペースを読んで控え、勝負所を読んで早めに捲っていったことで勝利を掴みます。これは騎手の好判断・好騎乗と言えるでしょう。
ん~しかし、如何せん中山・京都で控えて捲る競馬ばかりしてきているので、東京マイルのような正攻法での戦いにどう対応出来るかが一切読めません。新馬戦で東京は走っていますが、相手も大したことないし、重馬場、ペースもスローと何もつながらないお手上げ状態です。
馬のリズムを大事にする横山典が騎乗というのも手が合わないのでは?という印象で、3戦続けて控えて捲る競馬をしてしまっている以上、馬も控えることを覚えてしまっている可能性があり、恐らく前に行くことはないんですよね。
ラップからは差し競馬がどこまで通用するかは何とも言えません。可能性に賭けるかどうかというところでしょう。
サトノインプレッサ
マイルを2戦こなしているとはいえ、3戦とも渋った馬場で、11秒台が続くNHKマイルとは真逆のレースしか経験がないのが最大の不安点。
この馬の特長はトップスピードの高さで、早仕掛けでしくじったとは言え、アルジャンナにも勝っています(まぁ逆に言えば同じくらいの位置取りならアルジャンナ勝ってるんですけどね)。
なので、超高速馬場でどこまで脚を削がれずについていけるかがポイントでしょう。逆に言えば、ついていければここ2年の傾向にハマる可能性のある馬でもあります。
シャインガーネット
流れるペースを先行押し切り(新馬戦、ファルコンS)、スローの流れを後ろから差す(赤松賞)、と全く違う戦い方が出来る器用な馬です。
フェアリーSはかなりの早仕掛けにより、後方からの馬2頭に差されてしまいましたが、次走のファルコンSでは、フェアリーS以上に前半ラップが厳しい中、好位から抜け出して勝利。重馬場で比較は厳しいですが、1F短縮のスピードにもしっかりと対応出来た点は評価できます。
マイラーにしては珍しく高いトップスピードも持ち合わせており、ラップで1F10秒台の脚が繰り出せます。赤松賞の実績からも、高速馬場は歓迎なクチでしょう。あとは11秒台のラップが続くレースへの対応さえ出来ればレシステンシアを逆転する可能性もあるように思います。
シャチ
未勝利戦では善戦していましたが、NZTで大きく崩れているように、時計の速い決着(速いラップの持続レース)が合いません。テンが遅いので、マイルでもゆったりと走って脚を温存し、トップスピードに賭けるという感じ。
今回は、さらにレースラップは速くなるので、とても後ろからぶっこ抜くだけの脚力があるとも思えず…。
ストーンリッジ
前走毎日杯が思った通りの凡走。新馬戦で接戦を演じた2着馬が次走掲示板、次々走で大敗と情けない結果になっていますし、新馬・きさらぎ賞は前半3F、5F共に遅すぎました。2戦ともスローで恵まれた感が否めず、毎日杯で初めて前半1,000m60秒を切ったレースで凡走している以上、さらにキツイペースのNHKマイルカップが合うとは思えません。
ソウルトレイン
未勝利勝ち後の2戦で凡走し、人気が落ちた後の千両賞⇒白梅賞での2戦連続好走。正直、千両賞も白梅賞もマイルにしてはかなりのスローレースでしたので、ただのスロー巧者と考えていました。
NZTでは差し優位になった中で、5番手先行して耐えていることに驚きました・・・が、位置取りは差し勢の中の先頭、好位なので、差しが優位になったことを考えれば結果的に5着と言うのはなくもないかなと。
ただ、上がり3F35.4秒では、NHKマイルCで逆転の目があるとはあまり思えないですね。。
タイセイビジョン
朝日杯FSの予想でこの馬に対しては以下のように評価していました。
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戦績を見直して、「あ、こいつ強いな」と思った馬。
新馬戦は道中ゆるみのないラップで3~4角から押し上げてそのまま押し切る強い競馬。函館2歳Sでは出遅れて後方からの競馬になるも、上がり2位とは0.6秒差のかなり速い上がりを繰りだして2着に入りました。
この2戦で最初と最後以外12秒台がほぼない速いラップを経験しているため、ハイペースへの適性はかなりのもの。この経験が活きたか、京王杯2歳Sでは、高速馬場とは言え道中12秒台のない厳しいラップを中団から上がり3F33.5秒の最速で差して勝利しています。
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上記の通り、この馬については高評価しています。が、1点だけ気になるのは朝日杯FSでの最後のラップの落ち方。0.2秒なのでそこまで懸念する程のことではないのですが、サリオスを抜きそうな勢いだったのにピタッと止まるんですよね。個人的にあれが気になって仕方ありません。
この理由は個別上がり3Fの内、最初の1Fが最速になっているように、位置取りが後ろになるので、前に追いつくためにどうしても早めにスパートをかけないといけないからでしょう。同じ東京が舞台の京王杯2歳Sは少頭数で、ある程度位置取りもとれたことで、残り600m地点で射程圏に捉えられていましたが、今回は多頭数ということもあり、なかなか簡単にはいかないと思われます。
位置取り・仕掛け所が難しく、これを誤ると前に追いつく前に沈んでしまいますし、捌く技術も必要。結構やることが多い。タワーオブロンドンみたく色々不利食らってジエンド、なんてことも。軸にするにはそれ相応の覚悟が必要な馬だと思います。
ニシノストーム
一度も一線級と戦ったことがないですし、初マイルでいきなりGⅠというのは流石に厳しいでしょう。
ハーモニーマゼラン
推し馬です。
レシステンシアと同じく、ダイワメジャー×サドラー牝系でハイペース適性がかなり高い馬です。実際、NZTとかなり近いタイムだったジュニアカップでは、後ろから捲ってきたサクセッション相手に最後まで抵抗していました。
雨でも降れば一発あった馬なのですが、東京の超高速馬場では、好位~中団からもかなりのトップスピードを繰り出してくる馬が多いため、最後につかまってしまう可能性があるように思います。
東京コースはクロッカスSでの好走があるものの、NHKマイルカップとは全く別質のレースになってしまっているので、あまり参考にはならないと思われます。
プリンスリターン
鞍上が鞍上だけに、あまり人気しないタイプ。ですが、1,200mをこなすスピードの高さ、11秒台のラップが続くペースを2度(ききょうS、朝日杯FS)も経験済、前走は前が潰れるようなキツイペースを先行して3着に粘る等、食指が動く要素をかなり持ち合わせています。
新馬戦は特にこれといったものはありませんでしたが、函館2歳Sはビアンフェについていく形で先行して3着に粘る好走。4着のパフェムリとは上がり3F0.3秒差なので、スピード能力は高いです。
ききょうSはスローペース判定で、先行押し切りも当然と言えますが、12秒台は出だしと400~600m区間のみで、野芝であることを加味しても33.6秒の上がりはなかなかのものと言えます。1,600mが問題ないというのも、既に証明済みです。
ボンオムトゥック
個別ラップ推移見ればよく分かりますが、上がりの脚が最後まで落ちていることが少なく、なかなかバテにくいタイプです。
馬場や展開によって、33秒台から37秒台まで自在に上がりの脚を繰り出しますが、厳しい1,600mよりも、先行して相対的に速い足が使える1,800mの方が合っているように感じますし、戦績を見てもそう思われます。
前走アーリントンカップでようやくまともに速いラップを経験してはいますが、プリンスリターンを最後まで抜けなかったこと、そしてテンの速さを考慮すると、厳しい可能性が高いように思います。今回も位置取りは中団から後ろになりそうで、前走以上に速いペースでの持続力、トップスピードが求められる中ではなかなか厳しいのでは。
メイショウチタン
この馬は、スプリント程ではないけれども、1,400~1,600mなら十分対応できるだけのスピードがあり、とにかく安定した先行力と、厳しいペースでも粘れるだけのスタミナが武器です。
ただ、良績が1,400mにかなり偏っていること、オーマイダーリンが勝った時のマイル戦で4着と粘ってはいますが、12秒台が何度もあるラップでのレース。これ以上に厳しいペース、強化される相手を考えると、流石に厳しいのではないかと思います。
ラインベック
この馬は皐月賞で以下のように評価。
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ラップ推移を見ると、この馬、2,000mは距離長いんじゃないですかね…。とにかくラップ推移が面白いように左右対称で、残り2F地点で加速するんですが、持続できずに200mで垂れてしまい、加速前と同じラップになってしまいます。それでも粘ろうとするんですが、流石に加速前と同じラップでは、追い込み勢は凌げても、好位差し勢に抗うのは厳しいところです。
元々新馬・中京2歳S共にマイル路線で勝ってきていますし(両方少頭数でレベルも著しく酷いですが)、クラシックを見据えての距離延長だったんだと思いますが、ホープフルSや若駒Sのメンツでこれではちょっと逆転の目を狙うのはムリがあります。
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ここまでで既に3戦の中距離を経験し、マイル2戦もスローで11秒台を経験したことがない、というのはかなり致命的。中距離路線では相対的にテンが速く先行出来ましたが、このメンツ相手では位置取りを悪くする可能性が高く、なかなか勝ちポイントが見えづらいですね…。
ラウダシオン
ラウダシオンは朝日杯FSで以下のように評価。
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申し訳ないのですが、イマイチパッとしないというか・・・何とも判定しづらい馬です。というのも、ペースと上がり3Fの脚、位置取り、相手関係、どれをとっても、まぁだいたいそのくらいだよね、というレベルで、突出したものがないのです。つまりどこをとっても平均的な能力を持っているイメージ。
新馬戦は相手が弱すぎるので参考外、とはいうものの圧勝しているわけでも、上がりが突出しているわけでもない。先行して上がり2位は立派なんですが、この程度の相手ならもう少し突き離せるパフォーマンスが欲しいところ。
2戦目の小倉2歳Sではトリプルエースとほぼ同じ位置取りで、トリプルエースが馬場の真ん中あたりを、この馬は大外を進路として選び3着。上がり3Fは同じですが、着差としてはその進路取りが多かれ少なかれ影響していると考えられます。
3戦目は中団から差し切っての勝利。2着のロータスランドが阪神JFで2番手先行してコテンパンにやられてしまったので、強さという点でやや疑問符がつく内容。
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上記の通り何とも評価しづらい馬でしたが、もみじS1着、クロッカスS1着、ファルコンS2着というところから、恐らく1,400mが適距離なんだろうなという結論に至りました。
クロッカスSだけだとスロー前残りか?というラップだったのですが、ファルコンSはハイペースを先行して粘った形で立派。
ただ、ファルコンSの個別のラスト3F推移を見ると、12.0-11.1-11.6秒と最後の1Fがグッと落ちます。馬場が全く違うことを考慮する必要はありますが、ファルコンSと同じようなラップになるのがNHKマイルであることを考えると、最後の200mで後方勢に差されそうなラップです。
ルフトシュトローム
NZTはともかく、新馬と1勝クラスはそこまでのパフォーマンスを見せてないため、まだこの3戦のラップだけでは実力を測りかねます。特にNZTは前述の通りで、後方勢に有利になったことを考えると疑問視したくなるところ。
ただし、馬場差などを考えても、NZTは1勝クラスよりもキツいレースラップになったにも関わらず、NZTの方が上がりの脚が速いことは興味深いところ。トップスピードも上位勢の中では高いので、何らか厚めの印は回さなくてはいけないでしょう。
レシステンシア
個人的にはレーヌミノルのような過ち(無理矢理な距離延長による高いスピードの持続力の低下)が起こらず、ホッとしております。
桜花賞では、以下のように評価。とは言え、もう誰もが知っている事実ですが。。
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この馬の特長はもう説明不要でしょう。前半33秒台で飛ばして後続に脚を使わせる競馬では右に出る馬はいません。しかもテンの速さも優秀で、ファンタジーSでは、1,200mを主戦としてきたエレナアヴァンティがガシガシに追う中、労せずに番手につけられていました。
逆にチューリップ賞で露呈したように、トップスピードはそこまで高くないので、スローペースに落とし込んでしまうと脆い面があります。
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今回はルメールが鞍上ということで、やることはたった一つ「大逃げ」だと思われます。このタイムアタックにどれだけの馬が耐えられるか、高速馬場を味方に基礎スピードを補い、トップスピードでジャイアントキリングをする馬が現れるのか、その見極めが重要となります。