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半年が経ちました。
半年ちょっと前、内示の日。
私に言い渡された新しい勤務地は今住んでいる場所から電車で30分ぐらいの場所だった。
遠すぎる。
一番にそう思った。
これまでは歩いて10分で職場に着いていたから。
朝もどんなに早くても8時30分に起きれば間に合うし
夜もどんなに遅くても21時には家に着ける。
新しい職場は、朝は早いときは7時には起きなければならないし、夜は22時になることもある。
田舎だからか、電車は2時間に3本。
無人駅もいくつか通りすぎる。
大好きな人たちとも離ればなれになってしまう、そんな異動が嫌で嫌でしかたなかった。
でも、初出勤の前、新しい勤務先にあいさつをしに行ったとき、行きの電車の中で海が見えた。
大好きな海。濃い深い青の冬の海だった。
風のない海には桜島が反射している。
あそこの海、時々イルカが泳いでるよ。
先輩が教えてくれた言葉が頭のなかで反芻される。
イルカには会えるだろうか。
そんな期待に胸を踊らせる。
あれから半年。
あんなに憂鬱に思っていた朝の時間は、海が見れる楽しみな時間に変わっていた。
ちなみにイルカにはまだ会えていない。
頑張るんだよ。そう言って送り出してくれた先輩たちに「頑張ってるよ」と胸を張って言えるだろうか。
半年前から少しはできることが増えているだろうか。
こかからまた半年。
大好きな海と、大好きな景色を見ながら後悔のないように。毎日を大切に。