ショートコメディ『雪まつりの影響?』
家に帰ると北海道にいる遠距離恋愛中の彼女から余寒見舞いのハガキとともに小包が送られてきていた。
「余寒見舞いか、随分風流だな」
余寒見舞いをもらったことは人生で初めてだった。雪まつりの大きな雪像の写真と共に余寒見舞いの文面が書いてある。
『余寒見舞い申し上げます。
まだまだ寒い日が続くけど元気にしてる?
もうすぐバレンタインだからチョコレート送るね(*´▽`*)
それでは体調に気を付けて
P.S.また春になったら会おうね!』
小包の方には品名チョコレートと書いてある。余寒見舞いとセットでバレンタインのチョコレートを贈るというのもなんだか珍しい気もするが、悪い気はしない。
小包を開けると密閉されたタッパーが入っていて、タッパー内には水が入っていた。
この水は一体何を意味するのかと、タッパーについている付箋を見てみる。
『雪まつりに感動してチョコレートを雪で作ったから送るね!』
せめてクール便で送れなかったのだろうかと水の入ったタッパーを眺めるしかなかった……。
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