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「離す」こと

先日、参加したレッスンのオープニングトークで印象に残った内容をご紹介します。同じ内容でもその時の自分の機嫌や体調、状況などによって受け止め方が変わってきます。さらっと忘れてしまう日もあれば、今の自分に言われているような気がしていつまでも覚えていることもありますので、たまたまその時のわたしに当てはまったんだと思います。

その日の内容は「離す」でした。
ヨガをするのにスタジオに通う方がたくさんいらっしゃるのですが、実は家でもできます!でもお金と時間を使ってスタジオに通っています、わたしもそうです。家でもできるのですが、スタジオに着いてウエアに着替えてレッスンが始まるのを静かに待っていると、その日にあったいろいろなことから少し距離を置けるような感じがします。
心の中もそうですし、物質的にもそうなります。普段はスマホを常に手にしているので、思いついた先から何かを調べたりLINEしたり、必要があるのかないのかわからないことまでも、ついつい落ち着きなくいつまでも知ろうとしています。でも、マットの上に座っているときは、手には何も持っていませんし、何か思いついたとしてもわざわざ荷物の置いてある場所まで戻ってスマホを取り出して見る、ということはほとんどしません。大して重要ではないなら、まぁ、レッスン終わってからでもいいな、と諦めるというか、せっかく落ち着いた心をまた日常に戻すのはもったいないと思えてきます。いつでもつながっているのが当たり前になったので「離れている」時間は貴重に感じるようになりました。

スタジオに来るというのは、ざわざわした日常から一旦「離れる」という意味もありそうです。例えば仕事終わりにスタジオに着くと、職場の人間関係とは全然違った方と会うことができます。会話までいかなくても、スタッフの方やよく顔を合わせる方たちと挨拶を交わすだけで、昼間あった出来事が頭の中から消えているような気がします。さらに、レッスンが始まって呼吸法を練習したり、ポーズが始まればいつまでも何かにこだわって考えていられません。先生のガイドや自分の身体に集中するのでいつの間にかさっきまでのこだわりがどこかへ行ってしまいます。
無理にそうしているわけではなく自然にそうなるので、とてもいいことだと思います。忘れようとすると逆に何度も思い出してしまうので忘れられませんし、こだわりはなかなか取ることできませんので、いっそのこと他のことに集中した方が手っ取り早いです。

ヨガを例にしてご紹介しましたが、プールで泳いだり、音楽をきいたり映画を観たりして気分転換されている方もいらっしゃるかもしれません。時間はとまりませんので、前の瞬間と次の瞬間は同じ空間でずっと続いて流れているように感じます。そして流されているように感じる時もあります。そんな時は、意識的にその空間、人間関係、自分の感情から距離を置いてみるとまた新しく始めていけるような気がします。こりかたまっていた頭の中もすっきりして良いアイデアや解決策、または許せる気持ちになればラッキーです。
「離す」ということを上手く使って、機嫌よく過ごせる時間が増えるといいと思います。



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