札幌市 トモエ幼稚園訪問 木村仁園長先生にお話を聞いてきました。
2/24 札幌にあるトモエ幼稚園を訪問した。「多世代で協力しながら暮らす野田村を実現したい」事について大学の授業で発表した際に、担当教授から参考になる施設を2つ教えてもらった中の1つだ。
担当教授は、勧めてくれた理由は詳しく言っていなかったが、幼稚園児だけじゃなくて、親、園児の兄弟姉妹(赤ちゃん含む)、祖父母も行っていい場所であり、みんなで子供を育てているところが、野田村でやりたい姿に似ていると思い訪問する事にした。
結論1(野田村関係)
園長先生のトモエ幼稚園の目的は「全てのお母さんと子供にノーベル賞を捧げたい」というのが目的だと教えてくれた。私が野田村を作りたいと思っているのは、まだまだ手段である事がわかった。私が野田村で何をしたいのかもっと掘り下げたい。
私が野田村を考えるにあたって必要なのは、トモエ幼稚園でも行なわれている「人間探究」
先生に教えてもらった本や映像を読み、知識をつけたい。
園長先生が行っているように自分自身と向き合いたい。まずは毎朝洗面台に立つときに自分の顔を見ながら自分に元気かどうか確認するところから。
結論2(自分自身について)
自己肯定感が低く、ずっと生きにくさを感じていたが、自分の自己肯定感がなぜ低いかがよく理解できた気がする。
それは、私個人とは無縁の「収入」「学歴」軸で自分のありたい姿やあるべき姿を決めていたからだ。それは親の教育でもあったんだが、親元を離れてからもしぶとく根付いているのは、トモエ幼稚園で言う「胎児から6歳までの環境がその後もずっとついて回る」所にあったのであり、私が決して大人になりきれていない子供の思想のままというわけでは無さそうだ。
また、「好きなこと、やりたい事」が見つからないのも「個」を無視し続けて生きてきたらかだと思う。人の価値観でしか生きていないから「今、無いものはない」と、清々しい気持ちになれた。
また、私には絶縁している兄がいる。2人しかいない家族なのに絶縁するぐらい兄も私も信頼関係を築けない人なのだが、理由は、お互い、大人になりきれていない家族に育てられたからだと思った。兄と復縁することを勧められる事は多いが、「たった2人の兄弟だから」などと言って無理に修復する必要が無いと思えて楽になった。
そんな兄と私を育てた親たちを憎みたい気持ちも芽生えたが、彼らもまた大人になりきれていない親に育てられれたからそうなったのであり、しょうがなかったのかと思う。彼らの私に与えた言動に囚われて彼らに罰を与える事を考えるよりも、彼らとは独立した関係を築き(亡くなっているが、残念ながら心理的に囚われているのだ)、それよりも信頼関係を築ける他者との時間を大事にすることに注力するのが良いと思った。これが、私が野田村で実現したい「擬似家族」の原型だと思う。
トモエ幼稚園の好きなところ
好きな時間に行って帰れるところ。親も忙しい。決められた時間に間に合わせるために、子供を怒ったりしなくてもいい。
子供だけじゃなく、親、兄弟、祖父母も来て良い環境。園長先生の机のそばにベビーベットが並んでいて、赤ちゃんもいる事ができる
5感を使って楽しむ自然豊かな施設(あいにく雪ばかりでしたが、滑り台付きのカマクラなど見たことないものが沢山あった)
親と幼稚園の二項対立でなく、親も一緒になって、子供を育てているところ。私が行った時も休園日なのに、卒園生とその親御さんが、今年の卒園式の準備を手伝いに来られていた。
先生との会話で印象的だった事
沢山あるが、特にトモエ幼稚園の特徴でもある下記数点
子供が心地よい環境、自分の好きな事をとことん楽しむワクワクしたいと思える環境。壁がない、クラスもない、担任の先生もない。
階段の上から、窓枠から飛び降りる。大人は何も言わずに見守っている。
個を大事にされているので卒園生からすると、自己肯定感という言葉「何それ?」って言われる。ここでは遊びを邪魔しないし、上から目線で命令しないし、「こう思うんだけどな」っていう言い方をする。子供が対等の人間として扱われている。絶対的な主体、比較できない主体を自分が持っているとしているので、自己肯定というのは当然の事となっている。
世界で一番誰が大切?ってお母さんが子供に聞かれたら母親は「あなたよ」って言う「違うでしょ、それは」「お母さんが自分を大切にしなきゃダメでしょ」ってトモエ幼稚園の3歳の女の子が言い始めている。
壁の無い広々とした空間。卒園式には花吹雪が舞っていた。
この広々とした空間は、自己肯定感という言葉とは無縁の自由で楽しいが詰まった時間の流れを感じさせてくれた。
野田村を作るにあたって、園長先生からいただいたコメント
・どういう人間を持って受け入れるか、自分が良心と語り合いながら、
どういうふうに、人間を理解していくか考える。人ではなく自分。
・自分でやってみて、自分で答えを出す事。
・人間が持っている可能性は無限大。
帰り道に送っていただいたスタッフるみさんに教えてもらった事
娘さんをトモエ幼稚園で育てられたという事で、感想など色々教えていただいた
自分からパテシェになりたいと言って、札幌でも有名なお店で働いている。
トモエ幼稚園で育った自分と、そうでない友達との仲で悩む事はあったように思う。
失敗、学びは、子供が自分でする。
自分でやって自分で気づくことが学び
読書リスト
NHK サイエンススペシャル「脅威の小宇宙人体 生命誕生」
NHK サイエンススペシャル「脳と心」人はなぜ愛するか
NHKスペシャル「神秘の巨大ネットワーク 人体」
講談社の動く図鑑「人体のふしぎ」
アインシュタインロマン エンデの文明砂漠」
アレキシス・カレル「人間 この未知なるもの」
木村仁「人が好きになる子育て」
木村仁「お母さんが輝く子育てのすすめ」
木村仁「創造の森の仲間たち」
ポール・トゥルニエの本沢山
黒柳徹子「窓際のトットちゃん」
佐野和彦「小林宗作抄伝」
訪問先リスト
トモエ幼稚園を訪問した方が経営されている東京の幼稚園
木村仁園長先生の子供の頃過ごした雑司ヶ谷
最後に
トモエ幼稚園の動画やレポートを読むとなぜか胸が苦しくなる、涙が出てくる。園長先生との会話の録音は、常に鼻声だった。この苦しさの理由はよくわからないが原因をもっと知りたいと思っている。(園長先生にこの話をしたら笑っていたw 冒頭の結論2と関係あるかもですが。
行く前に行ったこと
園長先生の貴重な時間を無駄にしないように事前に質問をまとめようとした。しかし、調べれば調べるほど、トモエ幼稚園の存在が私が知っている幼稚園を超えすぎているのか、質問が全く本質でない、本当に聞きたい事でない気がしたので、質問をあきらめ、事前に読んだレポートの感想をお伝えしながら、トモエ幼稚園について感じ取ろうと思った。
事前参考資料:
・札幌人図鑑 木村仁さん
この中で紹介されていた、ポール・トゥルニエさんの言葉が印象的だった
「人を理解する事について。理解しようとしていたら、もうすでに理解することを失っている。理解するなんて、自分を理解する事すら難しいのに、理解するために思い違いをすると、自分の考えを押し付けてしまう。違いを理解しながらどう感じるか。」
・トモエ幼稚園について
・トモエ幼稚園訪問者2名のレポート(担当教授に共有頂いた物)
お礼
トモエ幼稚園園長先生、スタッフの正人さん(メールをプリントして園長先生に渡していただいたほか、行き道で雪道を歩いている私を見つけて車に乗せてくださった)、お忙しい中、札幌まで車で送ってくださったるみさん。
トモエ幼稚園を紹介してくださった須子先生。札幌行きのチケットと、犬のホテル代を出してくれた理解ある夫に感謝です。
本当にありがとうございました。
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