あいつもきっと遠い場所で頑張ってる
スマホの通知が鳴って、見ていたPCの画面からスマホへと視線をおとす。
画面に表示されたのは、懐かしい名前。
時々を連絡をとるものの、グループメッセージだから個人で連絡が来て思わず「どうした?」と返信してしまった。
「電話しよ?」
数か月に一回、こうやって連絡をくれるあいつ。
タイに来てから、初めて連絡がきた。
一度こちらから電話をしたらなぜか切られる。
これもいつも通り。全く変わっていないあいつに思わず笑ってしまう。
時間を置かずに折り返り電話が鳴る。
「もしもし。」
電話の向こうから聞こえる声はいつもと変わらないあいつの声だった。
何を話すというわけでもないけれども、「元気?」から始まった話は気づいたら20分もたっていた。
たった20分だけれども、私のいい部分も欠点もきっと全部知っているあいつとの電話はなぜか落ち着く。
あいつの方が年下だけれども。きっと兄や姉がいたらこんな感じなのかもしれない。
ただただとりとめもない話をしながら、笑っている時間。
まだ何物でもなかった私の出発点に一緒にいた人の存在は、私の中ですごく大きかったらしい。
「応援しているよ。」
この言葉ってこんなにも心にしみる言葉だったっけか。
こんなにもエネルギーをもらえる言葉だっけか。
遠い場所で頑張っているあいつ。
目標としている場所は違うけれども、お互いに目指す場所に向かって歩いているあいつ。
「定期的に声ききたくなるんだよね。」
なんて言ってくれるもんだから、次に電話するときまでにもっと前に進んでいられるように頑張ろうなんて思ってしまう。
本当に声だけ聴いて、さくっと電話を切ってしまうところもあいつらしくて、電話を切った後に思わずくすりと笑ってしまった。
何かあったときにふらっと飲みに行ける友達も、しんどいことがあったときにすぐに連絡が取れる友達も、
どっちも必要だし大切だけれども。
たまにしか連絡を取らないけれども、遠い場所で頑張ってるかなぁと想いを馳せることができる友達の大切さに気づけた、そんな夜。
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