“普通”だったら、明日も生きたいと思えるのだろうか 映画『正欲』を観て
「私は欠陥なんだろうね」
映画『正欲』を観て、真っ先に思い浮かんだのは、二週間前に会った友人のこの言葉だった。
私は現在30歳の女であり、この友人も同い年の女性である。出会ってから10年くらい経ち、特別すごく仲が良いわけではないが、私の親友と彼女が仲が良かったり地元のコミュニティーが同じだったりすることもあって、地味に長く友人としての関係が続いていた。こんな風に書いて字面だけ見ると、随分ドライな関係だなと思われるかもしれないが、私は彼女に特別な親近感を抱いている。というより