記録を残し始めるのに遅いってことは無い
歳をとってきたら不安なことが増えてきた。
例えば今年の春、出産のために入院した時だ。
鳥山明さんやTARAKOさんの訃報を知らせる連日のニュースを見て死について考え出したら不安で眠れなくなった。
成し遂げたい事があるわけではなく、死んだら身近な人々と会えない、話せない…「もうできない」ということが寂しく深夜一人でいたことも相まって不安な気持ちが膨れてしまった。
退院してから膨れた気持ちをどうにかするために、自分の周りの記録を残してみることを考えた。
というのも夫との付き合いは長いものの、思い出の写真や動画が極端に少ない。私自身が撮られるのが苦手だったのが原因だが、歳を重ねた今これがなんとも寂しいと感じるのだ。
これでもし明日にでも夫が死んだら思い出は自分の記憶にしかない。脳には限界がある。忘れたものを思い出すきっかけが必要だ。そう、写真とか動画とか日記とか。
そんなことを考えていると、ふと育休に入る前の仕事の引き継ぎを思い出した。進行中のプロジェクトデータを整理し引き継いだり、復職後にやることが分かるように自分用にデータをまとめたり…
全くもって死ぬほどではないが育休に入るにあたって「もうできない」という状況が、自分や誰かのために何かを残すというのはやる事が似ていると思ったのだ。
しかし残すのが難しい。
この現代はアナログ以外にデジタルデータもあって何を残し破棄するか考えないといけない。ネットで契約しているサービスのパスワードもそうだし、思い出のものなんて言ったら自分も楽しみたいから残せるものは残したい。
かといって何でもかんでも残すと追々管理が大変だ。
もはや終活につながるものがある。
話は少し変わるが、ここ数年でAIもどんどん発達している。
賛否はあるものの、声優の声を覚えさせて演技させたり、漫画家の既存作品を学習させて新しい作品を作ったり…といったことは既に試されている。
と考えると未来には鳥山明さんの新作コミックスが作成されてるかもしれないし、新作アニメのキャラクターにTARAKOさんの声があてられてるかも。
著名な人物の情報を残すことに比べたらちっぽけな話だが、願わくば自分がガチで終活する頃には残すシステムがもっと発達し一般化されていてほしいと思ったりする。
話は脱線したが今からでも遅くない。
手の届く範囲で良いから自分のために大切なものを残したい。
そう、写真とか動画とか日記とか。
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