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【勤続20年元消防士が教える】消防官面接試験対策【現場からの生の声】


勤続約20年の元消防士が教える消防官面接対策必勝法!!

 早速ですが皆さんは、消防経験者にしっかり面接対策をしてもらった事はありますか?
 予備校の先生に模範解答ばかり教えてもらっていませんか?

 私は政令指定都市の消防本部で約20年勤務し、災害現場、訓練、人間関係などあらゆる事を経験しました。
 そんな元消防士だからこそ出来る面接試験対策についてお話しします。

 消防署のリアルな声を頻出質問と回答例と共にお話していきます。
 また最後には合格率を何倍にもあげる超優良な必殺技についてもご紹介していますので楽しみにしていてください。

 正直これほどの勤続年数のある消防士が、ここまで具体的に面接対策を発信しているものは見かけた事はありません。

 消防士らしい生々しい表現もあるかもしれませんが、この記事を読み終える頃には予備校や教科書では得られないものが確実に得られるはずです。

 今まで何人もの教え子たちが、念願の消防士の世界へと旅立って行きました。私の約20年の勤務経験と共に他の受験者と差別化を図りましょう!


なぜこの記事を書くのか?

 初めは知人からのご依頼で、お子様の面接対策を請け負った事がきっかけでこのような活動をするようになりました。

 おかげさまでその知人やお子様たちの口コミのおかげで、消防士を目指されている皆様やその保護者様からご依頼をよく頂くようになりました。

 事業でしている訳ではなく、本当に目指されている方たちの力になりたいという一心で、口コミの世界だけで活動しています。
 その結果合格への道筋が確立してきましたので、そのノウハウを是非ご紹介したいと思いこの記事を書くことにしました。

 ぜひ参考にして頂けると幸いです。


最後には必読の、、、

 この記事の最後には合格への確率を何倍にもあげる裏技ともいえる行動、文例について紹介します。
 これを実践してる人は多くはありません。ですが難しい事ではなく、やろうと思えば誰でも出来る事です。

 私の教え子たちもこの方法を実践してもらい合格をもぎ取っています。


この記事はこんな方に向いてます!

  • 消防士を目指しているが面接対策をしていない、又はやり方が分からない。

  • 他の受験者と差別化を図りたい。

  • 身近に消防経験者がいないので生の声を聞きたい。ベテランだとなおさら良い。

  • 面接対策をしているものの、添削者が実際の消防経験者ではないため信頼性に欠ける。

  • 親として息子、娘さんが消防士を目指しているので力になりたい。


残念ながら現状は…

  予備校や公務員の専門学校、ネットが充実してきたせいか、面接会場ではそれらで勉強した模範解答の応酬となっています。

 特に消防経験者ではない者が、公務員試験の一つとして添削している為、どこか熱量の足りないいかにもな正論を述べる回答が多くなっているのが現状です。


人事の採用担当から聞いた話によると. ..

 私は人事の採用担当に同期や知り合いがいるので、話す機会がよくあります。
 彼らがこぞって言うのは、専門学校や予備校出身の受験者たちは、みんな同じ様な事を言うので面白くない!つまりは差別化できない、とぼやいておりました。

 特に学校でしっかり予習してきた受験者ほどその傾向が多い様です。特に某О専門学校なんかは酷くその傾向にあるそうです。
 そうはならないように是非この記事で対策していきましょう。

その前に超重要ポイント!

まずはこれを押さえて!

 回答例に入る前にこれだけは抑えて下さい。消防の世界が求めている人材の条件は、どこの消防本部もある程度決まっています。

 それは絶対的な最低条件として、忍耐力、継続力、行動力、集団生活の適応力、に限ります!
 
 これらを土台としてアピールするべきです。皆様の持つ様々な長所はこの土台の上にある事を念頭に置いてください。 

 他にも判断力、決断力、使命感、責任感、コミュニーケーション能力等は当然必要になってきますが、それらは消防士になってからも養えるものです。
 面接の段階では背伸びする必要はありません。


6つの質問例から回答を考える!

 6つの質問例の中に消防職員としてのマインドを余す事なく落とし込みました。

 この記事を読み終えた頃には、他の質問の回答は応用して考えられる程、あなたは消防職員としての考え方が備わっているはずです。

 以下では単純に回答例を出すだけではなく、質問に隠された意図→回答例→ベテラン職員からのアドバイス

といったように、約20年勤務した先輩職員として感じた事を事例と絡めながらアドバイスしていきます。
 では始めましょう!


①志望動機は何ですか?

この質問の意図とは…

 さてこの質問の意図は、当然ですがどれだけ消防士を志望しているかの熱量を見ています。
 というのも警察官の滑り止めや安定した公務員の一部として受験する人が少なくないからです。組織は本当に心の底から消防士を目指している人を採用したい訳です。
 さらには採用しても、そもそも志が低いせいか、すぐに辞職してしまう人も少なくありません。これらの受験者を弾きたいという意図が隠れています。

 つまりは、消防士を志すに至るきっかけや過程、そして消防士になりたいと思った強い気持ちを表す必要があります。即ちそれが採用担当者が求める熱量です。

回答例
 小学生の時からTVドラマや特集を見て、漠然と消防士ってかっこいいなと憧れがありました。
 さらには地域で火災や救急出場で人を助けるために懸命に活動する姿に感銘を受けた事を覚えています。その時から将来は消防士をなりたいと志すようになりました。
 そこで東日本大震災では何か役に立ちたいと思いボランティア活動に参加させて頂き、家の瓦礫の撤去を手伝いました。
 亡くなったご家族の写真や思い出の品を見ながらも気丈に振る舞うご家族を見て、命の尊さを感じ、人助けをしたいという気持ちがますます強くなりました。
 また私が家の中の瓦礫を撤去した事で、涙を流しありがとうと感謝された事は一生忘れません。感謝される喜びをとても感じました。
 そういった経験を経て、人助けをして人々に感謝して貰えるような消防士になりたいと強く思いました。

ベテラン消防職員からのアドバイス!

 きっかけや動機、そして行動、その時の感情が強い志望動機に繋がっているとても良い例です。そして難しい言葉は何も使わずして熱量も感じます。

 ここで大事なのは、実際に行動して何を感じて消防士になりたいと思ったかです。
 最初のきっかけがミーハーである事を嫌う予備校の先生等がいるようですが、大した問題ではありません。TVドラマを見て漠然とカッコいいと思った事が始まりであれば、本当の事を隠す必要はありません。

 現に私も消防士が映るTVを見た事がきっかけであると面接で話し合格しています。その後どんな行動をして何を感じたかの方がよっぽど重要です。
 大体、「家族が助けてもらって…」「昔から、かっこいいと憧れがあって…」と定番ですが、それがきっかけならばそれでも構いません。
 その後「何を行動をして何を感じたか」に人間性と熱量にオリジナリティが出ます。 
 
 またこの志望動機のストーリーには、行動力や決断力、人を思いやる心、など志望動機に加えてこの受験者の人間力もアピール出来ています。
 こいつと一緒に仕事したいな!と思わせてくれる素晴らしい人間性が垣間見えます。

 志望動機は必ず初心に立ち返って自分の素直な言葉で話してください。
「だから消防士になりたいんだ!」という強い動機と、行動した時の感情を上手くまとめてください。本心から出た言葉は必ず伝わるはずです。
 消防職員はどこかから引用した言葉を話す方より、話が下手でも熱量を感じる人間が好きなのです。

②消防士になったら何をしたいか。

この質問の意図とは…

 この質問の意図は、ズバリ実際に働くイメージが出来ているか、消防の仕事を理解しているかです。ここでの働くイメージが低いようでは仕事が合わずすぐ辞めてしまうのではないかと心配されます。

 実際に理想と現実のギャップに耐えられず、こんなはずではなかったと1年経たずとも辞職してしまう職員は少なくありません。
 そんなリスクを採用担当者や組織は恐れています。

回答例
 私は昔から憧れであった最前線で人命救助を行う救助隊となって、災害から市民の命を救いたいです。
 消防出初式や訓練を拝見させて頂いた時に、救助隊員のとてもスピーディーな所作と強靭な体力にとても感銘を受けました。
 救助隊の厳しい環境の中に身を置いて、消防職員として自身を成長させたいです。

ベテラン消防士からのアドバイス!

 やりたい事と共に、昔からの志、実際に拝見したという行動力と説得力、自己成長への意欲が上手くアピール出来ています。

 ここでは他の受験者と差別化を図りたいからと言って余りにも王道から外れたものは控えた方がいいでしょう。
 それは例えば、マニアックな資機材を使ってみたい、マニアックな車両を運転してみたい、或いは日勤業務である火災予防業務や建物の査察業務、庶務業務などです。

 なぜならばどこの消防本部もたいてい最初は、現場の経験を積ませるため、又消防の基礎を学ぶために、消防隊や救助隊に配属されるからです。
 中には「事務仕事を希望している奴に消防が務まる訳が無い!」と考える体育会的な雰囲気は少ならずあります。 

 又は「そんなマニアックな仕事したいって言うけどそこに配属されなかったらどうするの?」と疑問を抱かれることもあるでしょう。※それらの業務が重要ではないと言っている訳ではありません。

 もし心の底から予防業務やマニアックな業務に就きたいと思い受験しているのならば、 
 「予防業務を希望していますが、まずは消防士の本来の仕事である災害現場に出て経験を積みたい。その上で…」
と伝えた方が印象が遥かに良くなります。

 数年消防隊や救助隊で勤務した後に、話が上手く対外的なコミュニケーションが得意となれば火災予防や広報業務、コツコツ地道な作業やPC作業が苦にならないのであれば庶務業務など、その各々の適性によって希望し、推薦されます。

 この質問では、「〜したい。」だけではなく、なぜあなたがその仕事をしたいのかも説得力のある内容で話しましょう。


③学生時代に何か頑張ったことはありますか。

この質問の意図とは…

 この質問の意図は、あなたが消防士に適した人材かどうかです。すなわちそれは、消防の世界で生き抜いていく力があるか、特に忍耐力、継続力又は集団生活の適応力があるか否かを見られています。

 なので突発的に頑張ったことではなく、長い期間を経て何かを成し遂げたエピソードがいいでしょう。

 また消防職員は基本的に学生時代部活に力を入れてきた方ばかりです。集団生活の適正があるかどうかの判断も含めて、部活の話をした方が共感を得られるでしょう。
 ただ本当に頑張った事が、部活以外であればこの限りではありません。

回答例
 私はサッカー部に属していましたが、レギュラーになる為に、朝練のランニングと食事管理を3年間毎日怠らず行いました。
 2軍で試合に出れず悔しかった私は、自分に足りないものは何かと考え、試合を最後まで走り切る体力と、当たり負けしてしまう体格の貧弱さだと分かりました。
 誰よりも早く学校に行き毎日ランニング10kmを欠かさず行いました。また母の協力も得て、体重を増やす為カロリー計算と食事を必ず記録して、お菓子や間食は避けて必要な食事をしっかり摂るようにしました。
 そして体力と体格がみるみる変わりレギュラーを取ることができました。

ベテラン消防士からのアドバイス!

 こちらは消防職員に必要な、課題解決に向けて考え、そして忍耐力、継続力を上手く表現できています。
 キャプテンとなってリーダーシップを発揮した等、集団生活に関わる能力がある方はそれを加えても良いでしょう。

 ただしここでは、民間の就活でよく使うような、凄いことを成し遂げた、キャプテンやリーダーとなってみんなを牽引した等のキラキラした事は必ずしも必要ではありません。

 成し遂げたものが地味であっても、課題を解決する力、忍耐力、継続力、行動力、集団生活の適応こそが消防士に求められている事です。それを絡めつつエピソードを考える事が大切です。

 実際に何か目立った事を成し遂げたり、大会で素晴らしい結果を残していたとしても、その結果に至るまでの努力をメインに伝える事を忘れないでください。


④あなたの長所と短所を教えてください。

この質問の意図とは…

 この質問の意図は、しっかりと自己分析が出来ているか。そしてそれが消防士に適した性格か。もっと言えば組織の中で使える奴かどうかを見ています。

 例えばよくあるコミュニケーション能力やプレゼン能力などは消防士としてどう生かすのかと疑問が湧いてしまいます。コミュニケーションは必要ではありますが…。

 もちろんそれらが活かされる部署はあります。ですが先ほど話したように、まずは消防隊配置となり厳しい訓練や災害現場、そして理不尽な人間関係を乗り越えなければなりません。 

 消防士に求められる忍耐力や継続力、行動力、集団生活の適応力を売りにするのが無難です。

回答例
 私の長所は逆境に強い精神力です。また短所は1つの事に没頭しすぎてあまり周りが見れなくなってしまう時がある事です。
 サッカー部でレギュラーになれなかった時にその悔しさが力になって、目標を達成するまで朝練や食事管理など努力をコツコツを継続して自分を成長させる事が出来ました。
 そしてレギュラーを取ることができました。
 私は逆境に立った時ほど成長するチャンスだと思い頑張ることができます。
 短所は1つの事に集中しすぎてしまう事があることです。もう少し物事に対して余裕を持って行動する事を心掛けたいです。

ベテラン消防士からのアドバイス!

 長所に関しては、厳しい訓練や災害現場、理不尽な人間関係等、消防の世界を耐え抜いていく素質を存分に表現できています。

 くれぐれも「体力に自信がある。」を自分の長所にする事は避けましょう。何故なら消防士を目指している以上体力に自信がある事は当然だからです。

 その上で、何か秀でたものはないかな、と人間性を見られています。消防も時を経て、昔のとにかく強靭な体力があればいい、というイメージから変わりつつあります。

 言葉は悪いですが、体力だけのおバカさんは必要ありません。しっかりと今まで培った人間性をアピールしてください。

 ここで大事な所は、短所も実は長所として見る事ができるという点です。
 この「一つのことに集中しすぎてしまう。」とありますが、何か1つの事を集中して取り組む事が出来ると解釈する事が出来ます。
 訓練や資機材の取り扱いなどで求められる立派な能力です。

 また「もう少し物事に対して余裕を持って行動する事を心掛けたい。」と繋げて、余裕を持って周りを見ながら活動する事の大事さをしっかり理解しています。
 現場でのチームワークや安全管理という面でとても大事な能力です。

 必ずしも短所は本当の短所となる事を言う必要はありません。


⑤趣味はありますか。

この質問の意図とは…

 休みの日は何をしていますか。などとも聞かれます。
 この質問の意図は、ずばりストレス発散する術を身に付けているか。健全な友人や人間関係が築けているか。普段から健康的な生活を送っているか。を見られています。

 そしてさらにこの質問の裏には、不祥事を起こす様な奴ではないよな?といった意図も隠れています。
 よってその3点をアピールする必要があります。

回答例
趣味はサーフィンをする事です。
 高校や大学の友人とよくサーフトリップに出かけます。自然と一体になることでとてもリフレッシュ出来ています。
 後は料理です。体重や体調管理をしたいと思ったのがきっかけで始めたのですが、今では大抵の物は作れるようになりました。

ベテラン消防士からのアドバイス!

 この質問の意図であるストレス発散について、健全な人間関係の構築、健康的な生活について話す事が出来ています。 

 採用担当者や組織としての最大のリスクは、採用した者が犯罪やパワハラなどの非人道的なこと、即ち不祥事を起こしてしまう事です。それは組織として市民からの信頼を損なう大ダメージとなります。

 残念ながら職員の不祥事は私の周りでも何度も見てきました。その度職員に処分を下し、市民に説明責任を問われます。
 一人の職員を失う事、そして信頼してくれていた市民を裏切る行為が及ぼす組織の損失は図りしれません。
 採用担当者の最大の心配を取り除いてあげてください。


⑥なぜうちの消防本部なのか。

この質問の意図とは…

 この質問は市外に住む方や地方から受験される方によくされる質問です。
 特に地方から出てくる方はこの質問は難しいと思うかもしれませんが、全く心配はありません。
 何故ならその土地に縁があろうがなかろうが、組織は優秀な人材を取りたいからです。 

 現に私は政令指定都市で約20年勤務しましたが、感覚的には半分以上の職員が市外、又は地方から出てきています。むしろその土地で生まれ育った人の方が少ないのではないかと思うくらいです。
 土地に縁がある人に関しては、生まれ育った街としてその愛を伝えてください。

回答例 
 私はこの土地には友人が多く何度も遊びに来ているのですが、自然が豊かでかつ繁華街は活気もあり、とても魅力的な環境だと思っています。
 また住まわれてる方々も若い方からお年寄りまでとても温かさを感じます。そんな素晴らしい街で勤務し、この街の安全に貢献したいと思うようになりました。
 またこちらの消防本部の出初式や訓練を拝見した時に、皆様の活発に躍動している姿にとても感銘を受けました。
 ほかの消防本部にはない部隊や車両が多く、先進的な訓練も多くしていると聞きました。あらゆる面で高いで意識で市民に貢献する他の消防本部にはない魅力を感じ、こちらを受験しました。

ベテラン消防士からのアドバイス!

 前半部分ではその街の印象から正直な本心を伝え、後半部分では消防本部に足を運び、魅力を感じたことを伝えています。

 回答例の消防本部の特徴に関しては、皆さんに伝わる様に簡単に書きましたが、しっかりとHPや知人から情報収集したり、イベントや消防本部など実際に現地に出向いて研究してください。

 実際に出向く事なんて、試験に落ちてもう一年勉強する事に比べたら簡単ですよね!
 さらにそれは足を運び勉強しに来たことで、「こいつやる気あるな!」という説得力のあるネタとなります。

 ですが消防本部の特徴を志望動機にするならばハリボテの知識にならないように注意しましょう。面接で喋るためだけに勉強した言葉はすぐにメッキが剥がれます。

 無論「市政に惹かれて…」など思ってもいない言葉を引用しない方が無難です。正直な回答をする方が印象が良いでしょう。  


ここまでの話を聞いて

 6つの質問と回答例について、長々とお話しましたがいかがだったでしょう。
 知らず内に消防職員の考え方や欲しい人材像が理解出来たのではないでしょうか。
 紹介した6つ以外の質問も当然あるでしょうが、あなたに備わった消防士マインドで応用が利くはずです。

 次はお待ちかねの必殺技について紹介します。
 

合格率を何倍にもする必殺技!

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