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見えないものが見えたとき

他の人には見えないものが見える人っている。

そういえば、私の友人にも1人だけ「見えるはずがないものが見える人」がいた。


高校生のころ、部活終わりに彼女と一緒に廊下を歩いていると、窓をじっと見ていたことがあったのだ。

あとから聞くと、なんと外の木に首を◯ってる人(というか幽霊?)が見えたそうな。


いや、うん。怖すぎるわ。


最近も友達の子どもに会いにいったとき、その子もあらぬ方向をじーっと見てた。

それはもう、じーーーっと(いや、だから怖いわ)。



そう、今回の日刊かきあつめのテーマは、noteのお題にあやかって「 #不思議な体験 」です。




このテーマってたぶん霊的な体験をのせるのだろうけど、霊感がない私にはそういう経験がまっっったくない。

いや、見たいと思ったこともないんだけどさ。


ただね、思い返すと1回だけ『他の人には見えないものが見えたこと』があったような気がシマス(怖)。



そう、あれは8か9か10年前(だいぶうろ覚え)。


私は大学生のとき新宿のとあるフグ屋でアルバイトをしていた。

このフグ屋は時給もとても素晴らしかったのだが、客として行くとアルバイトでも割引にしてくれるのでよーく利用してた。


とくに、家族が東京に遊びに来たときは必ずと行っていいほど食べに連れて行っていた。

その日も父母姉の4人でお邪魔し、てっさやてっちりをたらふく食べ、ヒレ酒を飲み、飲んだくれ家族たちはそれはもう幸せいっぱいな時間を過ごした。


デザートのアイスまでぺろりと平らげたあと父親がお会計をしている間、私たちは店の前でぼーっと突っ立って待っていた(父よ、ご馳走様)。



そう。そのとき、私は見つけてしまったのだ。








東京03の角ちゃんを。 




「え・・・・!? 角ちゃん・・・!?」心の中でパニクる私。


そう、何を隠そう私は東京03のファンなのだ(知らない方はこちらをどうぞ。おすすめのコントです)。



とくに角ちゃんはゴッドタンのマジ歌選手権でめちゃくちゃハマった人だ! こんなのはしゃぐに決まってる!


ていうか、こういうときって握手を求めていいのか迷うよね! 私は根っからの田舎者なので、芸能人を見るとはしゃいでしまう性質なのだ。

ただ、ひとりで握手してくださいを言いに行くのは恥ずかしさもある。迷った私は隣に立っている姉に相談してみたのだ。


握手を求めに行ってもいいかを問うと、姉から帰ってきた返答はまさかの

「え?どこ??」 





え?

ええ!?

嘘だろ!?

こっちはこんなにはしゃいでいるのに!?


5回くらい指差すと姉はやっと気づいてくれたが、角ちゃんはどんどん人混みのほうに歩いて行ってしまう・・・。


とうとう新宿の交差点で人混みに紛れたとき、私は気づいたのだ。



角ちゃんは私にしか見えていないのかと言うほど誰からも気づかれていなかったということに(いや、ド失礼かて)。


さすがに人混みの中で声をかける勇気がなく、私は歩いて行く角ちゃんの背中をぼーっと見つめていた。

「あぁ。握手したかったなぁ・・・。せっかく会えたのに」と後悔しながら。



私の勇気が出なかったばっかりにせっかくの好機を逃してしまったわけだ。


今まで何人かの芸能人を見たことがあるが、握手してもらいたいと思ったのは角ちゃんだけだったのに。




あれ以降、街中で角ちゃんを一度も見かけることはなかった。




でも、そのときから私は決めているのだ。


次に周りに見えないものが見えたときは必ず握手を求めようと(いや、だから角田さんに謝れ)。


編集:アカ ヨシロウ

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