小品2021052201「またいちから」人の来ない公園の話
人の来ない、小さな公園のベンチがわたしの休憩場所だった。
自由に生えているようで、譲り合いと主張の程よいバランスを感じる野の草花たちの植生の不思議と、働く蟻…その何かを運んでいる姿や、住まいの入り口(穴)の様子を観察しているのが楽しかった。
しかしある時、管理されている公園であることの証明のように、背の高くなり始めた草たちが一斉に丸刈りにされていた。
その均一具合で、機械によって刈られたことがわかる。
少し悲しい気持ちになりながら、いつものベンチにたどり着く。
足下に掘りたての蟻の巣を見つけた。
掘り出された土の粒がまだ湿気を帯び、生々しい形で積み上げられていた。
よしよし。また「1」からだな。