働き方改革は、個人で全体性を整えておくことが重要!
働き方改革について話しを聞くたびに、違和感を感じていたことがあります。
概要までは、「一億総活躍社会」を発端にしていると変わりがありませんが、論点が仕組みや制度の話ばかりになることです。例えば、「短時間勤務制度」「リモートワーク」や「育児休暇」などなど。
民主主義の社会で生きている事を思えば仕方のない事でもありますが、制度の話ばかりが先行しています。
制度を整えることだけが、働き方改革なのでしょうか?
または、制度が整うのをただ待つだけでよいのでしょうか?
わたしは、制度の前に「個人の内面の全体性」が先行するべきだと考えています。
制度先行だと何が問題か?
前述のような状況であった際、見落とされていることの1つとして、会社に勤めて「働く」時間は、日常生活の中で限られた時間でしかないということがあります。
一週間は168時間です。
睡眠・衛生・食事などの機能維持活動に87時間。社会的・家族的活動と学習や趣味に41時間。正社員として就労した場合、金銭を得る活動に40時間。
この中で、「働く」時間は2割程度に過ぎません。
働き方改革で話題になる制度の話は、2割の中での取り組みということになるのです。
そもそも、人は社会の中でその構成員として生きています。
会社に勤めることだけが「しごと」ではなくて、それぞれの立場・役割の中で必要とされるしごとをこなしているのです。
会社に勤めて「働く」時間だけをどうにかしようとしても、成果が実感しづらいのは、その取り組みが一面的であることが一因だと思うのです。
働き方改革にどう取り組むか?
改革が一面的にならないよう、全体を見る必要があります。
これは、株式ポートフォリオの考え方に近いと考えています。
株式ポートフォリオとは、投資において目標金額を達成のため、投資先の長所と短所を組み合わせながら多様な商品に資産を分散すること。その保有する銘柄のリストを株式ポートフォリオと呼びます。
債券、不動産、生命保険など、資産に当たるものを組み合わせた財産目録も、ポートフォリオです。
1つの商品に偏った投資をするのではなく、各銘柄にバランスよく資産を配分しておくことで、リスクに備えるのです。
自分の日常生活に置き換えた時に、例えば子供がいる家庭であれば、「子育て」というのは個人の内面として重要な要素になるはずです。もしも、合理性を求めるあまり要素が捨て置かれているののだとしたら、自分自身を切り売りしていることと変わりありません。
自分自身を構成する要素=資産が、バランス良く配分されているかどうか、今一度見直すべきだと思います。
また、組織モデルの構想として、階層やコンセンサスに頼ることなく、仲間との関係性の中で動く組織形態が次世代型組織として注目されています。
次世代型組織では、職業人としての合理性だけに焦点を当てるのではなく、「個人の内面の全体性」=感情、直感、精神的なもの及びプライベートな部分にも焦点を当てることで、意外な才能を発見し、パフォーマンスが十分に発揮できると考えられています。
こういった傾向からも、全体を俯瞰することが重要であると言えるのではないかと思います。
じぶんの1週間を振り返ってみる
さて、以上を踏まえてわたし自身がどのような働き方をしていきたいのかを考えてみます。
まずは最近の主な1週間の活動をまとめてみました。
化粧や入浴などの身だしなみを整える活動が入ってくるため、機能維持活動にかける時間がやや長くなります。
独身で同居は姉妹だけなので、家族的活動にかける時間はそれほど多くないです。
趣味でサルサを習っているのと、ちょうど好きなアーティストのライブがあったため、趣味の時間が長めの1週間でした。
機能維持活動は、基本的には削る事が難しいものとして、次のような印象を受けました。
・「金銭を得る活動」の占める面積が大きく内容が漠然としてる
・「謎のその他活動」って何してたっけ?
・惰性で飲み歩いてない?
「金銭を得る活動」とは、主にわたしが所属しているLBIでの仕事を指します。
LBIはクライアントワークでの戦略、設計、制作がベースのしごとになりますが、一方で、まだ見ぬ未来に向けて「今はまだないしごとをつくる」ことをテーマとしています。
わたしの重要な要素になるのですが、その点が考慮されていません。
という事で、全体の活動のチューニングを行います。
チューニングのポイント
①「金銭を得る活動」を「クライアントワーク」と「今はまだないしごと」に分離
②「謎のその他活動」を「今はまだないしごと」の時間に充てる
③機能維持&社会的活動の中に、「今はまだないしごと」に関わる時間を作る
①については、現時点ですでに「今はまだないしごと」に関わる活動を行っていますが、割合については意識がなかったと気付きがあったため、あえて分離させてみました。
また「今はまだないしごと」は、より多くのインプットが必要なので、社会的活動の中で惰性になっていた飲み歩きを、もう少し刺激のあるものに出来るといいなーと…(希望)
ランチなどでも同じ事ができるかなと思い、機能維持活動の中にもピンクのエリアを増やしました。
結局会社じゃん!
と、否定できない結果になりましたが、LBIへの参加自体が、わたしの内面を見直した結果なのでやむを得ないですw
ちなみに、LBI参加以前の生活はこんな感じだったと思います。
当時から比べれば、かなり活動にバリエーションが生まれたように思います。
最後になりますが、制度を整えることが推進されるのは、それだけ改革への意識が高まるという事ですので、追い風が吹いていると言えます。
ぜひ今のこの機会に、自分自身の内面について深掘りする機会を設けていただければと思います。