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芳幾・芳年展。

パッと見でも、ものすごく面白いんです。
芳年の派手な構図とかワクワクするし

かっけー!

芳幾って意外と茶目っ気あったし

江戸版スノー

血みどろの赤をもっともっと!

畠山重忠

あふれでるドラマティック情念。

でも、私、その背負うドラマを知らないんです。
たとえば有名な歴史的人物で、その人物がなにをしたかは知っていても
江戸後期にどんな受け止めされ方をして、どんなキャラ設定で、どんなストーリーで語られていたか、知らない。

義経が建礼門院を口説こうとしている絵があったのですが
義経といえば、悲劇の美少年ですよね。
悲劇の美少年、戦場の船上にいる敵方の姫を口説くかな??
私が思ってる典型的な義経キャラと違う気がするんだけど…。
その感覚が正しいのか間違ってるのかわからない。

この「背景を知ってたらきっと100倍面白いだろうな」って感覚は
他の浮世絵師ではあまり感じない気がします。
他は題材がもっと普遍的ですよね。
富士山と職人、とか。(※北斎大好きです)

芳年と芳幾と二人の師匠の国芳たちは
ヒーロー、ヒロインを描くのと同時に彼らの背負うストーリーも描いてて、それが見える。
まぁ画面のなかに実際に文章書いてありますしね。

そしてそのストーリーを江戸時代の人々は当たり前に共有していたはず。

欧米みたく「だいたい聖書か神話引用」というわけではなく
出どころは歌舞伎だったり、神話だったり、歴史物だったり、時事だったり、多岐に渡りすぎてる。

そう考えると江戸後期の庶民文化って本当に豊穣だったんだなー。
知識階層や一部の特権階級だけでなく、町民にも広く共有されていて。
だからこそ、えげつなさ丸出しで
好きだわ~。

ちょっとこれを機会にいろいろ調べてみたい、
次、また見れる機会のときには、はいはい、あれね、とわかっていたい、
そう強く好奇心を刺激された展覧会でした。

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