chioben備忘録
「chioben」って、知っていますか?
料理家の山本千織さんが作っているお弁当、だから「chioben(チオベン)」。SNSでも話題になっています。ロケ弁やケータリングを中心に提供されており、ロケには接点がない私にとって、イベント等で出店があるときが食べられるチャンスでした。
そのチャンスが4月中旬に訪れました。
chiobenを食べるための小旅行
千葉県夷隅郡大多喜町にある「mitosaya薬草園蒸留所」の「OPEN DAY」にchiobenが出店することを知り、電車とバスを乗り継いで向かいました。
最寄りのバス停から降りて、川を横目に見ながら、ひたすら山道を歩く歩く・・・
本当にこの道で合っているのか?心配になりだしたところで、mitosayaさんの看板が見えました。
予約の時点で指定されていた時間になったら、お弁当を受け取りに行きました。小さな小屋のなかで、スタッフさんがお弁当を詰めている様子もみられました。
受け取り場所の机にその日のお品書きが貼ってありました。それがこちら。
肉、魚、揚げ物が必ず入っているんです。メニューを見ただけで期待が高まります‼
蓋を開けるとこんな感じ。
この日は2人で訪れたのですが、写真(私が食べたもの)は、タイ風から揚げとさわらの漬け焼き。もう一方はキョフテか松風焼きだったようです。
いざ実食
まずは、たこめしのこと。一見白飯なのですが、chiobenではおなじみの「たこめし」なんです。ほんのり塩味、所々に実山椒、小さなタコが入っていました。色々なおかず達の味を邪魔しない、でもご飯だけ食べてもおいしいし、時々出てくるタコや山椒に心が踊る。絶妙なバランスのご飯でした。
どれから食べようか迷ってしまうたくさんのおかず。でもその迷う時間も楽しい。お弁当にテリーヌ(写真上側、薄いグリーンと白のもの)が入ってるなんて!まずそこに驚きました。その左隣にある割り干しサラダは、ささみが入っていました。ハーブの香り(特にディル)が癖になる、歯ごたえがあって美味しかったです。
中心に入っているきゅうりとさつま芋の春巻き。メニューを見た時点で「えっ??」て思う、そんな春巻きあるんか‼でもさつま芋の甘味と、きゅうりの青い香り、食感が歯ごたえのある皮に巻かれてきれいにまとまっていました。以前chiobenの本を見たときに知ったのですが、chiobenの定番でもある春巻きは、皮を二重にしているそうです。お弁当の春巻きといえば、冷凍食品の小さいやつが、ふにゃっと縮こまって入っているイメージはないですか?chiobenの春巻きは、派手さはないけれど存在感がある、そんな春巻きでした。
その横に小さく鎮座している紫芋ボール。箸休めのような、デザートのような不思議な存在。でもあると嬉しい。その下に、これまた小さく詰められているのはナムルでした。後ほど本で(最新刊、チオベンの作りおき弁当)調べたところ、ズッキーニとえのきのナムルであることが判明。量は少ないけれどパンチが効いていて、ごはんが進みました。
端のほうにこっそりと存在しているビネガーポテト(写真左端)。酸味が効いていて、味覚がリセットされているような感覚になりました。そして、最後まで取っておいたタイ風から揚げ。(好きなものは取っておく派)タイ風ということだけあって、ハーブの味がしつつも和風のから揚げのテイストも入り混じっていて、なんだか嬉しくなりました。
脇役なんていない
chiobenのおかずやご飯はどれも、口に入れると一瞬「何の味だろう?」とか「これは何だ?」って思うんです。それぞれの味は決して濃くないんだけど、スパイスやハーブがふんだんに使われていて、それがふわっと香る。「〇〇味」と言えないんだけれど、ひとつひとつが美味しいし、どんなハーブやスパイスがはいっているのか、謎解きしながら食べるのがまた楽しい。
確かに、「肉、魚、揚げ物」がメインなんだけれど、横に詰められたサラダやナムル、芋にもちゃんと味がついていて、その味に驚くし、また食べたい気持ちにさせられる。最後まで一口一口が飽きることがありませんでした。彩りだけでなく味や食感のバランスもすごく考え尽くされているな、と感じました。chiobenという名の宇宙に放り込まれたような感覚に近いです。(大げさかな?)
ただ食べるだけではなくて、色や食感を味わいながら食べるとすごく充実した気持ちになります。また食べられるチャンスに巡り合えたら、どんなおかずに出会えるのか楽しみです。
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最近よく聞いているpodcast「味な副音声」で、chiobenのことが特集されていて、山本千織さんご本人がchiobenについて語っています。平野紗季子さんが実際に食べながら、そのおいしさをとてもリアルに表現されていますので、こちらも是非聞いてみてください。