あゆたか

美術と言葉と緑茶があれば

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記録《マグノリアと春の雨》

その日は雨。 小雨がぐずぐずと降り続く日だった。雫の生暖かさから春の訪れを感じると共に、気圧の変化か頭がちょっと痛くて気が重い。 余談だが、このように春先にかけて降る雨は「春の雨(ハルノアメ)」というらしい。それ以外の3月末から4月にかけて降る長雨のことを「春雨(ハルサメ)」と呼ぶのだという。 「春時雨(ハルシグレ)」「春霖(シュンリン)」「軽雨(ケイウ)」……日本人は「春に降る雨」の中にも、少しでも違いを見出だせば名前をつけずにはいられない性分のようだ。 ***

    • 『清宮質文 —限りなく深い澄んだ空気』展レビュー

      本来今日までだった京都の大山崎山荘美術館の展覧会レビューです。とてもすばらしい展示だったので行きそびれてしまった方に届いて欲しいのと、会期延長を願ってnoteに投稿いたします。拙い文章ですが、最後までお付き合いいただけると幸いです。 🦋 私はその展覧会のポスターを見た瞬間、猛烈に心惹かれた。ポスターに書かれていたのは聞いたこともない作家の名前と、その作家の代表作らしい蝶とガラス壜が描かれた作品のみ。私は次の日のテストのことも忘れ、大山崎行きの電車に飛び乗った。それがアサヒ