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☆My Story☆ シャンプーとRJ #ジンくんと私

いってらっしゃい、ジンくん。気をつけて・・・

仁川空港からアメリカへの出国中継につぶやく私。
今日のヴィトンのデニムのセットアップ、お花の刺繍がいっぱいで、ジンくんによく似合ってる。
左手の白いギプスが痛々しいけど・・・ユンギくん、今日もそばにいてくれてありがとうね。

髪の毛、セットしないで出かけたんだね。
昨日、私が乾かしたサラサラの黒髪の感覚がまだ指に残ってる・・・愛しい私の彼、ジンくん。

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明日、ラスベガスに発つジンくんの部屋に、とても久しぶり。

まだ痛む左手をかばいながら、自由になる右手だけで、マネージャーさんにも手伝ってもらいながらパッキングをしていたそうだけど、とうとう出国目前になり、ジンくんからSOSの電話が来た。

「ヌナ・・・もし時間が取れるなら、うちに来てもらってもいい?」

返事はYESしかなかった。もちろん、喜んで。
左手が不自由になってから、本当は毎日お食事も作ってあげたかったし、綺麗好きなジンくんのために片付けやお掃除も手伝ってあげたかった。
でも、ジンくんの部屋に行くことは、とてもハイリスクなので私から言い出せることではなくて。

慎重に慎重を期して、マネージャーさんの車で連れてきていただいた。
いつも、お世話掛けてすみません・・・

初めてこの部屋に来た日、私たちは、2人がこれからどうしていくのかとても悩んでいた。あの日、たくさん話をして、泣いて、笑って。
今、こうして彼のそばにいられるのは、あの日のおかげ。

久しぶりに部屋に入ると、思ったより綺麗で。ちゃんと片付いていた。

「時間を掛けたらできるんだよ、右手は動くからね。」

そういうジンくんに、胸がキュッとなった。
バンタンでは長兄だけど、プライベートではとても甘え上手な弟で、ペク先生をはじめジンくんの虜になっている年長者が多いのは有名な話。

だけどね、自分のことは自分でしっかりできるし、綺麗好きだから散らかすということがない。私の部屋に来ても、食べ終わったテーブルの上も、鼻歌まじりにササッと片付けちゃう。
時々、泊るときも、着替を散らかしておくということもなくて。

そんなジンくんが、パッキングを手伝ってと言うのだから、余程、手が辛いんだね。自分の身の回りのことをお願いするなんて、本当に珍しいから。
ジンくんの言うとおり、お気に入りの洋服や持っていきたい日用品をスーツケースにつめてると、パッキングは程なく終わった。
手持ち無沙汰に座り込んでいると、頭上からジンくんが呟いた。

「ヌナ、キスして。」 

ドキリとしてジンくんを見上げると、RJを抱きしめている。

「この子に、たくさんキスして。ラスベガスでヌナだと思って抱きしめるから。」

え・・・いまだかつてこんな可愛いことを言ったことあった?

「うん。こっちにおいで、RJ。」 

RJを受け取るとたくさんキスをしてあげた。
ジンくんのいつもそばにいるRJ・・・ラスベガスでジンくんを守ってね。

「ヌナ、あともうひとつ、お願いがあるんだ。」

聞けば、身体のシャワーは右手だけでもできるけど、シャンプーは無理なので、美容院でお願いしていたらしい。

「今日は、ヌナにシャンプーしてもらいたいんだ。いい?」

広いシャンプードレッサーにシャワーの音が響く。
背の高いジンくんに椅子に座ってもらって、丁寧に髪を濡らす。

シャンプーをしてあげるなんて、初めて・・・
美容師さんみたいに上手じゃないけど、真心を込めて洗ってあげるね。
ゆっくり頭皮をマッサージしながら、サラサラの黒い髪を丁寧に泡に包む。

「ん・・・気持ちいいよ・・・ヌナ。」

うっとりするような声で、ヌナ上手だねって言ってくれるジンくん。
こんな風に私にすべてを委ねて、髪を洗わせてくれるジンくんが愛おしくて、シャンプーを流しながら、不覚にも涙がこぼれてしまった。

「泣かないで、ヌナ。」 ジンくんの右手が私の右手を掴む。

シャンプーの音に消されていると思ったのに、どうして気づいたの。。

「ごめんね、悲しいんじゃないの。とても幸せなの、私・・・」

涙声で、そういう私の手を、さっきより強く握ってくれるジンくん。
少し顔をあげて、心配そうに濡れた髪の隙間から私を見上げるその瞳が、あまりに美しくて涙もとまった瞬間・・・

「あっつ!シャンプー!目に沁みる、痛ってー!」

ジンくんが、あんまりかわいく騒ぐので、笑ってしまう私。 
まるで子犬みたい。

「なんだよー笑ってないでタオル!タオルちょうだい!ヌナ!」

しんみりしたパウダールームが2人の笑いに包まれた。

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「ね、ジンくん・・・目、閉じて・・・」

濡れた髪を乾かしてから、膝枕で、お顔に化粧水をパッティングしてあげていると、キラキラと目を輝かせて、私を見上げているジンくん。

「下からヌナを見上げるのって、新鮮だな。」 
ジンくんはとても嬉しそう。

「見上げられる構図に耐えられないフェイスラインなので、やめてください。」 と笑って、マスクパックを貼ってあげる。

そして右手の爪を丁寧に切ってあげて、鎖骨ラインや肩をマッサージしてあげると、気持ちよさそうにウトウトし始めたジンくん。

明日からの旅、左手のことで思うようなパフォーマンスは無理かもしれないけど、あなたがラスベガスで過ごす時間が幸せに包まれますように。

最強で最高の6人のメンバーである弟たち。
私のキスをたくさんしまいこんだRJ。
ジンくんをよろしくね。 

今夜逢えて良かった・・・静かな寝顔にそっとくちづけて・・・

いってらっしゃい。

【END】


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