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Tenmaru流!採用担当を社内公募!キャリアパスを活かした自走式組織づくりのご紹介

東京は温かくなったかと思ったら連日のポカポカ日和、あっという間に桜が咲いて散りつつありますが、皆様の元にも春の便りは届いておりますでしょうか。

さて、今回は「Tenmaru流!「介護業界、リーダー人材を育てる組織変革」とは?のご紹介」「Tenmaru(諸戸)流!「保健室のお母さん型組織変革」って?のご紹介」などでもお伝えしておりますTenmaru流!シリーズです。弊社が外部人事としてお仕事させて頂いている企業様の一例を紹介いたします。

と、その前に実はわたくし、現在、サポートさせて頂いているお仕事に大変、苦戦しております。とある児童福祉施設の児童発達支援管理責任者(児発管)の採用なのですが、なかなか思ったようにいきません。この大変な仕事を通して学んだことなど、お伝えできる時が来ればいいな、とは考えているのですが…どなたかお知り合いの児発管の方で、転職を考えている方がいらっしゃったらお声がけください!

というわけで、今回は福祉の仕事と同じく、人手不足に悩まされている飲食業での外部人事を手がけた経験をお伝えできればと思っております。

個人の成長へのマインドセットがより良い組織をつくります。逆もしかり、組織が成長するためには個人がキャリアプランを持つことが第一歩と考えております。ではどうぞ!


今起こっている問題を可視化!

とあるカフェ事業を展開している企業様に、外部人事として関わった時のお話になります。その会社は当時、全国に数十店舗ほど構える外資系カフェとして運営しておりました。

外資系の先進的なカフェの日本上陸、ということもあり、ありがたいことに店舗のスタッフ応募は活発にありました。しかし、現場、いわば専門職の応募はたくさんあったのですが、本部運営に関わる人材の確保に苦戦している状況でした。

外資のイメージもあってか、いわゆる有名外資企業出身者やハイブランド勤務経験者など、実力のある方も多く応募いただくのですが、我々が探しているのは、飲食業であり、物流です。たとえ素晴らしい職歴があったとしても、それが生きるとは限りません。

加えて本国とのやり取りもあり、英語力が必須のため採用難易度は高く、思ったような人材がなかなか採用できない、そんな業態とのミスマッチ、イメージによる雇用人材のズレが課題として挙がっていました。

そんな中、少数精鋭での本部運営による業務過多のため、採用業務になかなか手が回らない、そんな時期でもありました。

そこで、まず手がけたのは…そうです、「可視化」です。


「可視化」…の、最初の答えとは

まずは社内のポジションをすべて洗い出し、どこに、どんな役割を持つ、どんな経験を持つ、どのような属性の人材が必要なのか、ジョブディスクリプションを明確にしました。
お任せしたいポジションはある、でも漠然と「人が足りない」と感じているだけでは動きが取れません。いつまでに、どんな人が、何人欲しいのか、を「見える化」することで、具体的なアクションを取ることができるようになるのです。優先順位を確認しながら、進めていきます。

ここで急務案件であがってきたのが…「採用担当者がいない」という事実でした。


「採用」のために「採用」を!

採用担当者も会社にとって必要な人材。もちろん当たり前ですが、この事実に気づいているかどうか、で次の一手が決まっていきます。

特に飲食での「採用」という職務は、重要度が高くなります。常に人手不足な業界、人材の流動性の高さなど、皆様もご想像しやすいのではないでしょうか。こちらの企業はブランドイメージも高く、定着率に定評はあるものの新規出店に向けて人材募集を随時行っています。

採用は飲食業のキモと言ってもよい重要ミッション。そこに「適任」がいない!となった場合、どうすれば良いのでしょうか。

もちろん他のポジションと同じく「採用」、そして「育成」ですね。

この企業様は当時「採用」に特化した人材がおらず、労務を担当するリーダーが採用業務を兼務しているような激務が続く不安定な状況でした。

まずは「採用担当」を「採用」しなければなりません。

社内では当然、外から適任者を探す動きをまずは視野に入れていましたが、私としては、採用担当者は実店舗の事情をよく知っている人がふさわしいと考えました。

やはり飲食業は現場での仕事です。現場感を持っている方が採用に関わったほうが大切にしているブランドイメージを守りながら、オペレーションに合った人の採用を現実的な視点で判断できる、というのは当たり前ですよね。

そこで、今いる人材の中に、採用担当に相応しい人材はいないか、是非チャレンジしたい、という方はいないか、社内公募をかけることにしました。

それと並行して、「採用担当」の仕事とは?の部分をしっかりと深掘りし、業務の棚降ろしをしていきます。

人事、そして採用とは、具体的に何をどうする仕事なのか、業務に必要なスキル、素質は何か、そして今、何がどこまで進み、今後はどのように進めていくのかを、ここでしっかりと把握していきます。

当然、ここでも「可視化」が行われてています。採用担当の業務に関しては未経験のためイチから育てていかなければいけません。育成プランをつくるための社内体制も整備していかないと…。

そうこうしているうちに、人事採用担当のミッションを遂行可能な適性を持ち、会社の理念などもしっかりと理解し、店舗運営の現実を知り尽くし、かつ、我こそは!と名乗り出てくれる意欲のある、まさに理想的な人材を確保することができたのです。


キャリアパスが人を動かす

募集に応えていただき、かつ、適性があったのは、やはり副店長クラスの方々でした。店舗運営に明るく、現場をよく知り、アルバイトスタッフの育成経験や、採用担当としてどのような情報を応募者に提示するべきなのかなどの適性はすでに身についており、まさに適任!の人材とも言えます。

さらに自主的に「採用担当の仕事にチャレンジしたい!」との意欲まであります。つまりは自身のキャリアプランに基づいて、積極的に「採用」の仕事がしたい!と考えてくれている、これ以上に良い人材はいないかもしれません。すべての要素は出そろいました。あとは+αの具体的スキルをインプットするだけです。


採用体制の具体的な整え方

ここまででやっと「採用担当」がみつかりました。しかし、この時点で人事採用周りの体制はまだ整備されているとは言えない状況です。続いて採用から配置、組織体制の、ありとあらゆる要素を見直し、「見える化」していきました。

具体的にご提案したのは

社内体制のフロー、組織全体の可視化、管理ツールを最大限活用する方法、採用配置評価、育成サイクルの可視化などなど…

労務担当者と共に、今、どのように組織が動いているのか、そしてこれからどのようにすべきなのかをすべて洗い出し、検証していきます。


■採用フロー作成

さて、ここまで来ていよいよ具体的な採用活動の見直しに動き出していきます。

飲食店ですから、リアルタイムで各店舗の不足人数が何人必要なのか、可視化するためのツール作成を行い、採用は出店の状況とリンクしていくため出店計画に基づいた採用計画を作成していきます。

このエリアでの採用は、どのポジションにどれだけの人が必要なのか、募集要件を明確化していき、それに見合った手法を選定し、より効果的なメディアに露出していきます。

外資かつ先進的なイメージの強い企業のため、そこまで応募数自体に苦戦したことがなく店舗スタッフは比較的決まりやすい状況もあり、企業ホームページや無料媒体のみで募集をしていたのですが、それでも採用に苦戦するエリアや職種は存在します。

また、上記のように魅力的なイメージの企業でも、やはり「飲食業」であり「流通」の仕事。それにふさわしいスキルとモチベーションを持つ方を探すには、メディアを選び、狙い撃ちする必要があります。

今までにない取り組みとして『インスタグラムのイベント告知と共にスタッフ募集のお知らせを掲載する』『お店のイベント時に参加する方の中で、我々の仕事に興味のある人の目に留まる広報物をセッティングする』などもしていきました。

こうして年間を通した具体的採用計画を立てたのち、社内公募で得た採用担当者に採用フローを段階に分けて着実に引き継いでいきました。

■社内すべての管理を一元化

同時に社内ツールの活用も進めていきます。外資系なので評価基準は本社に準じます。それを日本のツールにどのようにリンクさせていくのか。その人の社内評価とコスト、アセスメント評価など一元管理できるようにし、採用、評価、配置をひとつのツールで管理できる体制を整えていきました。


自走できる組織がゴール!

動きだしの頃は、弊社と共に体制を作り、それらを一部分サポートしながら引き継いでいく形を取り、その後は定例会議にて進捗の報告と相談、軌道修正を重ね、人事採用業務に必要なスキルを着実に身に付け、さらに次のステップへ。

未経験でスタートした彼女も、さすが自主的に現在のポジションを希望した方だけあって、難しい採用課題にも真摯に対応し、見事な成果を出していきました。

その結果、徐々に採用フローが整備され、活動がうまく機能し、それぞれのポジションを効果的に採用を行えるようになりました

今では仕事をバリバリとこなし、さらに新しい取り組みを日々試行錯誤しながら進めています。
その後、『より会社の魅力を知っていただくために新しくオープンするエリアでは会社説明会を開催する』という取り組みも行うようになりました。

同時に進めていた他の本部運営のほとんどのポジションの採用も無事決まり、弊社が関わらずとも採用、評価、配置が効率よくできる体制を整えることができるようになった1年半後にお役目ご免となりました。


組織づくりのお手伝い、その第一歩から

最後まで読んで頂き、いかがでしたでしょうか。こちらの企業様からは、弊社が関わらなくともしっかりと自走できるようになったことに大変感謝して頂き、とても嬉しく思っています。当然ですが、これは関わったすべての方、ひとりひとりがモチベーション高く取り組んでいただけたゆえに出た成果でしょう。

「組織づくりのお手伝い」「外部人事」というのは言葉だけではなかなかその実情を把握するのは難しいかもしれません。

このケースは、そもそも「採用担当者」がいない所から始まる、という意味において、とても意義あるものだったなと感じております。

「採用」はただ雇うだけ、が仕事ではありません。必要に応じてキャリアパスをつくり、ふさわしい人材を見極め、業務を遂行する体制をつくり、育成していく…

それらすべてが集約したお仕事でした。

組織づくりは個人の「成長したい!」というマインドを大切に、採用、育成、配置を見渡し、より良い「自走できる組織」づくりのお手伝いをいたします!どうぞご相談ください!

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